女性ドライバーの増加が唯一の救い! トラックドライバー不足を生む3つの要因とは

この記事をまとめると

■トラックドは多くの人々の生活を支えているがトラックドライバー不足が問題視されて久しい

■トラックドライバー不足の原因は大きく分けて3つある

■イメージの向上により女性のトラックドライバーが増えている

トラックドライバー不足の原因は大きく分けて3つ

 トラックドライバーが不足している原因は大きくわけて3つある。ひとつは運送業への参入を容易にした(緑ナンバーの取得条件緩和など)こと。それゆえ業者が乱立し、価格競争になったことでかつてのように儲からなくなった。結果的に、待遇面が悪化してしまった。わかりやすくいえば、仕事はキツいまま賃金が下がってしまったのだ。

 そもそも通販の普及などで物流の取り扱い量が増大していることも、相対的にドライバー不足を招いている。そこに少子高齢化が追い打ちをかけているのが現状なのである。

 若者の数が減少して、就労人口自体も減っているのだから、トラックドライバーが不足するのは当然のことなのだ。これがふたつめの原因だ。しかし、前述のとおり荷物の取扱量は増え続ける一方。高齢化により買い物に出かけず、商品を通販で取り寄せる人も増えていることも影響しているのだろう。

若手のトラックドライバーが不足している理由

 そのため、ドライバー不足をどう補うかが喫緊の課題である。将来的には自動運転によりドライバーがいなくてもトラックで荷物が運べるようになるのかもしれない。しかし、それは想像するよりずっと先の話だ。

女性ドライバーは増加傾向!

 若年層にとってトラックドライバーが魅力ある職業に感じられなければ、求人しても募集は少ない。報酬などの待遇をよくすることは、最低限の要素だろう。つまり、人気がない、というのが3つめの原因だ。

 もちろん自分だけの空間で仕事ができるという、人とのコミュニケーションを最低限にしたい人にも、トラックドライバーは比較的人気の職業だが、そういった人自体も減っているいま、またリモートワークが増えて、ほかの職種にも選択肢が広がっているから、そのほかの魅力を高めなければ、人手は集まらない。

 トラックやバス運転手から、タクシー運転手へと転職する人も少なくない。新卒でタクシー運転手を選ぶ人だっているのだ。それ以上に職業として魅力を感じられなければ、人材確保には苦労することになる。

 次に大事なのは、その職業が一般市民から尊厳をもって迎えられているかどうかだ。「職業に貴賎なし」といわれるが、実際には社会的地位の低い(市民の認識レベルで)職業は存在し、トラックドライバーはどちらかと言えば低い印象だ。

若手のトラックドライバーが不足している理由

運転免許さえあれば誰でもできる」とか「ただ運転だけしていればいい」など、トラックドライバーという職業を、そんな風に短絡的に判断してしまう人もいる。渋滞を回避して指定された時間に届けられるような努力や、崩れやすい荷物を運ぶ繊細な運転、荷待ちでの時間調整の辛さなど、影の努力を知らない人はたくさんいるのは仕方ないことだ。

 それでも3Kで給料が安い職業に敢えて就きたいと思う人はいないだろう。いまどきの若者ならなおさらだ。ゴミ収集車の作業員がかなりの高給取りであるように、デメリットを上まわるメリットを感じられなければ、人材は確保できない。

若手のトラックドライバーが不足している理由

 社内の雰囲気を伝える工夫をしている求人広告も、最近は見かけることが多くなってきた。求人に応募してきて、面接して、好印象で入社しても、実際にその職業に就いても満足感が低ければ、会社を去ってしまう若者が続出することになる。

 一方で、女性トラックドライバーが増えているのは、職場の雰囲気が良くなったり、仕事がそれほどキツくないといったイメージが浸透しつつあるかもしれない。

「トラックドライバーならこれが当たり前」という固定観念を雇用側が打ち消して、若者に魅力ある職業だと思ってもらう努力を続けること、当面はこれを続けるしかないのである。

若手のトラックドライバーが不足している理由

女性ドライバーの増加が唯一の救い! トラックドライバー不足を生む3つの要因とは