サムスンの最新スマートフォン「Galaxy S23 FE」が2月9日より発売を開始した。
【画像】Galaxy S23 FE実機フォト・撮影作例・ベンチマークテスト結果ほか
Galaxy S23 FEはサムスンが2023年に発表したフラグシップ端末シリーズ「Galaxy S23」の廉価モデルとして展開されており、高性能のカメラと処理チップを備えながらも、価格を抑えたコストパーフォーマンスに富んだ一台と謳っている。誤解を恐れずに称するなら「上の下」という位置づけとなる本製品を実際に使ってみたので、使用感を簡潔にお届けする。
廉価版ながらも侮れない、ミドルハイとして高い完成度
日本市場における「FE」シリーズは今回が初の投 入となり、ひとことで表すなら「価格と性能のバランスが取れた準フラグシップスマホ」といったところだろうか。
外観は上位機種と同じ背面カラス（Gorilla Glass）を採用しているほか、側面に滑らかなコーティングが施されたアルミ素材を使用することで、“廉価版とは言わせない”と訴えてくるような、安っぽさのないデザインに仕上がっている。
重量は209gと一般的ではあるが、上位機種であるS23（無印）が168gと抜きん出て軽量であるため、価格との駆け引きが求めらる。インターフェースは右側面に電源と音量ボタン、上部にSIMスロット、下部にUSB-Cが搭載されており、生体認証には画面内指紋認証を採用している。
指紋認証については、超音波式センサを利用しているからか反応速度はスマホメーカーの中では随一なものの、反応域がやや下部なのは少し不便。慣れるまでには時間がかかるかもしれない。
続いて性能面を見てみると、ディスプレイはリフレッシュレート120Hzに対応した6.4インチ有機ELを採用しており、ブラウジングやゲームで滑らかな映像表現が可能に。バッテリー容量は4,500mAhと一般的なAndroidスマホと同等 or やや少ない程度で1日中持ち歩いても多用しない限りは電池切れの心配は不要。その一方で、充電速度は25Wと“やや高速”止まり。30分で50%（公称値）であるため、忘れっぽい人以外は問題ないだろう。
処理性能に関しては、この価格帯となると（一部の某端末を除き）動作がカクつくなどの心配はほとんど不要。処理チップにはクアルコム社が開発した高スペック向けの「Snapdragon 8 Gen 1」を採用しており、「ウマ娘」といった育成ゲームや「プロセカ」などのリズムゲーム、レースゲームから「原神」等の激重オープンワールドゲームまで、幅広いジャンルにおいて快適なプレイを実現している。
代わりに注意点として発熱が挙げられ、（S23 FEに限った話ではないものの）炎天下でゲームをするような使用法は控えたほうがいいかもしれない。
カメラは必要十分以上、AIで自然に盛れる機能も
続いてカメラについて。S23 FEは廉価版ながらもカメラには力を入れているといい、背面には最大3倍の光学ズームに対応した計3つのカメラ（広角、超広角、望遠）を搭載している。標準のカメラアプリには最適なモードを選択する機能が用意されているほか、人物を際立たせるポートレートモードや日没後にも明るく撮影できるナイトグラフィーモードなどで“自然に盛れる”写真を撮ることができる。
性能としては上位機種のS23 Ultra（20万超え）などと比べると、特に夜景撮影時にディテールが粗く写ってしまうものの、Instagramのストーリーにアップロードする…といった用途なら問題ないほか、太陽がしっかり出ている場合は全く性能不足は感じないので、価格を加味すると十分といったところ。
撮影後は某Pixelのように、AI機能を用いた後加工が可能で、「オブジェクト消去」をつかい写り込んでしまった人やモノ、影、反射を 1 タップで消去する…などの加工も簡単に行える。さらに、ドキュメントモードを使うと撮影後瞬時に撮影した画像からテキストが抽出されふため、紙の問題集や資料、過去問などからシームレスに調べ物をしたり、友達に送ったりもできるので、学生にはありがたい機能も用意されている。
S24発売までもうすぐ？待つか、はたまた無印か
最後に競合や他製品との比較を簡単に行うと、まず第一に「発売時期」について注目する必要がある。日本市場では今回のS23 FEが初のFEシリーズとなっているが、FEシリーズは「新製品の発売直前、現行モデルの終盤」に発売を行ったいることが過去の海外発売でわかっている。そのため、常に最新のGalaxy Sシリーズを触りたい人は“あと数ヶ月以内に登場するだろう”と巷で言われている「Galaxy S24/S24 Ultra」の国内発売まで待つ方が賢明だ。
また、S23 FEの上位機種と位置づけられているS23（無印）に関しても考慮が必要で、前述の通り発売からほぼ1年が経過しようとしていることから、キャリアの新規契約 or MNP乗り換えの場合は“FEよりも安い”こともレアだがあり得るため、契約方法に合わせてどちらがお得か、安く変えるかをチェックするとよいだろう。万一FEの方が高い場合でも比較対象に“要返却”といった制限もつくことがあるのでご注意を。
Galaxy S23 FEは2月9日より全国の au 販売店、au Online Shop、Galaxy Harajukuにて取扱を行っているほか、同時に、専用の純正アクセサリーとして「Smart View Wallet Case」「Silicone Case」も各色にて展開中。また、3月31日までに機種変更を行うと本体価格が11,000円割引になるキャンペーンも実施中なので、新生活で「比較的安くて高性能でスタイリッシュなスマホ」が欲しい人は有力な選択肢となっている。
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