メッツでの勝負の1年を迎える藤浪。そのポテンシャルは首脳陣を唸らせている。(C)Getty Images

 日本球界屈指の剛腕には、首位も目を丸くする。今シーズンからメッツプレーする藤浪晋太郎だ。

 メジャー2年目を迎える藤浪は今オフに複数球団からの誘いを受け、熟考の末にメッツと契約。単年契約ながら基本年俸335万ドル(約4億9580万円)に、85万ドル(約1億2580万円)の出来高払いも付帯する好条件での合意となった。

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 阪神での最終年俸が4900万円(推定)だと考えれば、やはり上々の契約だ。それはひとえにメッツ側の藤浪に対する期待の表れでもある。

 今春の藤浪は家庭の事情により2月23日(現地時間)に一時帰国をしたが、今月2日(現地時間)に再合流。実戦登板に向け、着実に仕上げている段階だ。そんな29歳の日本人右腕には、メッツ首脳陣も期待を寄せる。ニューヨークに拠点を置く日刊紙『Newsday』で、ジェレミー・ハフナー投手コーチは「フジナミはオールスター級のクローザーだ」と絶賛している。

 もっとも、課題が全くないわけではない。昨シーズンは9月こそ被打率も.190と支配力を発揮した藤浪だが、シーズンを通した成績では与四球率5.13、WHIP1.49と制球難を露呈。自ら崩れる場面も少なくなかった。

 この阪神時代からとも言える課題にハフナー投手コーチも「ストライクを投げること、有利なカウントに持ち込むこと、そして、最適なポジションを見つけること」と3箇条を指摘する。一方で、藤浪のポテンシャルの高さを目の当たりにし、こうも論じている。

「フジナミは成功するために必要なことはある。ただ、その投球能力と細かなスタッツは本物だ」

 野球の本場での1年目に酸いも甘いも知った藤浪は、勝負の2年目にどれだけの“結果”を残せるか。まずは実践の場で「本物」ぶりを見せつけ、チームの信頼を勝ち得たい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「フジナミの投球能力は本物だ」メッツ投手コーチが指摘した藤浪晋太郎が成功するための“3箇条”とは?