建築物の省エネ計算事業を手掛ける、環境・省エネルギー計算センター(本社:東京都豊島区、代表取締役:尾熨斗啓介、運営会社:株式会社HorizonXX以下当社)はこのたび「J-REIT 環境性能評価・認証取得状況」の調査結果を公表しました。
この調査はJ-REIT全58銘柄が保有する不動産について「BELS」、「CASBEE」、「DBJ Green Building認証」3つの環境性能評価の認証の件数、その内訳の集計、「GRESBリアルエステイト」評価の取得状況を分析したものになります。
当社では環境性能評価・認証を取得している全物件を対象とした調査を定期的に実施しており、今回はJ-REITに特化したリサーチ結果をまとめております。
また、3月1日(金)に「環境性能評価・認証毎の物件調査数」の分析結果をまとめたリリース※1も公開しました。そちらも合わせてご確認ください。
今後の環境性能評価・認証取得時の参考として頂けると幸いです。
※1(URL:) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000019265.html

調査目的】

全58銘柄のJ-REIT全体の環境性能評価・認証取得状況の明確化を目的としています。J-REITの環境性能評価と認証の取得状況は、各企業や団体がホームページなどで公表していますが、それぞれ異なった形式で掲載されています。そのため、J-REIT全体でどの程度の環境性能評価・認証を取得しているのか、把握しづらいのが実情であり、この度、調査を実施する運びとなりました。

【調査結果総括】

・J-REITは竣工年や延床面積、取得できる認証ランクに関わらず、各環境性能評価・認証を積極的に取得している傾向がありました。

・J-REITはCASBEE取得物件全体の約4割、DBJ取得物件全体の約4割を占めていました。

【1.BELS調査結果】

・BELSはランク別で★5が228件となっており、取り組み次第で最高ランクの取得ができています。

・2000年以前に竣工した80件(全体の約14%)が認証を受けていることから、延床面積や竣工年代に関わらず取得を進めていることがわかりました。

【2.CASBEE調査結果】

・取得ランクではS、Aランクが97%を占めており、高ランクの取得が目立ちました。

・2000年以前に竣工した80件(全体の約14%)が認証を受けていることから、延床面積や竣工年代に関わらず取得を進めていることがわかりました。

【3.DBJ Green Building認証調査結果】

・ランク別では★3取得の物件が最も多く、301件(約53.8%)でした。

・用途別にみると、オフィスビル217件(約38.8%)、レジデンス181件(約32.4%)と人が多く活動する建築物での認証が目立っています。

・DBJも用途や竣工年の条件に関わらず積極的に取得していることがわかりました。

【4.GRESBリアルエステイト評価調査結果】

・2024年1月調査時点で全58銘柄中54銘柄が取得していました。

・GRESBは相対評価となっているため、ランクを上げようと環境性能評価、認証取得への取り組みを強化する傾向が見られました。

1.BELS評価

BELSとは(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)は建築物省エネルギー性能表示制度の略です。建築物の1次エネルギー消費量に基づきBELS評価機関が5段階で評価し、省エネルギー性能を表示する制度になります。

【調査方法】

J-REIT各社がホームページで公表しているデータを集計

【調査項目】

・ランク(☆1~☆5)

・用途(工場等/事務所/ホテル/居住用施設/百貨店/病院/飲食店/商業施設/集会場等/学校等)

・延床面積(300平方メートル /2000平方メートル /10000平方メートル 区分) 

・竣工年代  

【調査期間】

2023年1月時点

【調査結果】

ランク別・用途別・延床面積別・竣工年代別統計データ

     

       

【分析結果】

ランク別では★5が228件(全体の約38%)となっており、取り組み次第で最高ランクの取得ができているという結果となりました。

・用途別で見ると、工場やオフィスビル、ホテルなどの大型建築物での取得が目立ちました。

・延床面積別では2000m²未満の物件であっても55件(全体の約9.2%)、竣工年代別では2000年以前に竣工した80件(全体の約14%)が認証を受けていることから、延床面積や竣工年代に関わらず取得を進める傾向にあると言えます。

2.CASBEE評価認証

CASBEE (Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)は、建築環境総合性能評価システムの略です。CASBEE評価認証とは、CASBEEで評価された建築物について、その評価内容を審査、的確であることを第三者機関が認証する制度になります。

【調査方法】

J-REIT各社がホームページで公表しているデータを集計

【調査項目】

CASBEE不動産/建築/ウェルネスオフィス ランク(B/B+/A/S) 

CASBEE不動産/建築/ウェルネスオフィス 用途(オフィス/物流/店舗/集合住宅/ホテル/工場)

CASBEE不動産/建築/ウェルネスオフィス 延床面積(300平方メートル /2000平方メートル /10000平方メートル 区分)

CASBEE不動産/建築/ウェルネスオフィス 竣工年代

【調査期間】

2023年1月時点

【調査結果】

ランク別・用途別・延床面積別・竣工年代別統計データ

                   

                  

              

                    

            

【分析結果】

CASBEE不動産のランク別ではB+ランク24件、Aランク419件、Sランク345件でS・Aランクが97%と大半を占めており、基本的に高ランクの取得が目立ちました。

・用途別では、オフィスや物流施設が585件(全体の約74.3%)と大半を占めてはいるものの、店舗や集合住宅も10%を越えていることから、条件が合致していれば用途に関わらず取得可能と言えます。

・延床面積別では2000平方メートル 以上の物件が765件(全体の約97%)と大きな比率となっていますが、竣工年代別では2000年以前に竣工した266件(全体の約33.8%)が認証を受けています。

用途や竣工年に関わらず、高ランクのCASBEE不動産評価認証を取得している結果となり、CASBEE建築やウェルネスオフィスに関しても、取得するREITが増加傾向にあると言えます。

3.DBJ Green Building認証

DBJ(Development Bank of Japan Inc.)は株式会社日本政策投資銀行の略です。環境・社会への配慮がなされた不動産とその不動産を運営する事業者を支援する取り組みとして2011年に創設された認証制度になります。

【調査方法】

J-REIT各社がホームページで公表しているデータを集計。

【調査項目】

・ランク(★1~★5)・用途(オフィスビル/リテール/ /ロジスティクスレジデンス)

・延床面積(300平方メートル /2000平方メートル /10000平方メートル 区分)

・竣工年代 

【調査期間】

2023年1月時点

【調査結果】

ランク別・用途別・延床面積別・竣工年代別統計データ

                      

                      

                    

                  

【分析結果】

・ランク別では★3取得の物件が最も多く、301件(約53.8%)となりました。

・用途別に見ると、オフィスビル217件(約38.8%)、レジデンス181件(約32.4%)と、人が多く活動する建築物での認証が目立ちました。

・延床面積別では2000平方メートル 以上の物件が535件(全体の約95.7%)となっていましたが、竣工年代別では2000年までに竣工した物件121件(全体の約21.6%)がDBJ認証を取得しており、用途や竣工年の条件に関わらずDBJを取得していると言えます。

4. GRESB取得状況および各認証・評価取得状況

GRESB (Global Real Estate Sustainability Benchmark)の略です。不動産会社やファンドがESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮しているかを示す評価制度になります。

GRESBは、大きく分けて「GRESBリアルエステイト」「GRESBインフラストラクチャー」の2種類の評価項目があり、今回は既存投資物件や新規開発・大規模改修プロジェクトでの取り組みを評価した「GRESBリアルエステイト」の取得状況を調査しました。

【調査方法】

J-REITがホームページで公表しているデータを集計

【調査項目】

GRESBリアルエステイト ランク別取得状況、各環境性能評価・認証取得数(※複数取得している場合は各々で算出しています)

【調査期間】

2023年1月時点

                

【分析結果】

・GRESBリアルエステイトは全58銘柄中54銘柄が取得している結果となりました。

・現状、取得していないJ-REITも取得を目指していると公表しているため、数年以内にすべてのJ-REITがGRESBリアルエステイトを取得すると予想されます。さらにGRESBは相対評価となっているため、今後少しでもランクを上げようと環境性能評価・認証取得への取り組みを強化する動きも想定されます。

【総合分析結果】

2000年より前の竣工であっても、環境性能評価・認証を取得している物件が多数あるという結果となりました。過去の物件であっても、今後申請することにより評価・認証を取得できる可能性があります。

・最高ランクを取得しているJ-REITもありますが、GRESBの評価基準は、環境認証を受けている延床面積の割合であることから、ランクが高くなくても積極的に環境性能評価・認証を取得している傾向にあると言えます。

・各環境認証・評価を取得した全物件の中で、J-REITが所持する物件が占める割合は以下の通りとなりました。

●BELS:596件/4322件 (13.8%)

CASBEE不動産:810件/1903件 (42.6%)

●DBJ Green Building認証:559件/1411件 (39.6%)

J-REITは、 CASBEEとDBJ Green Building認証を多く取得しているという結果となりました。取得物件用途の違いはあるものの、CASBEEを取得している物件は「店舗」「集合住宅」よりも「オフィス」や「物流施設」の比率が高い傾向にありました。

CASBEE、DBJ Green Building認証ともに取得したランクは全体と比べてほぼ変わらないため、J-REITは取得できるランクに関わらず、各環境性能評価・認証取得をしている傾向が見られました。

強み1:新築・既存建物に対応可能

設計・省エネ計算に必要な知識や経験は「新築」と「既存建物」で大きく異なります。一般的には既存建物の省エネ計算の方が図面や設備情報が揃わないことが多く、難易度高いと言われています。当センターでは経験豊富なスタッフが在籍しており新築、既存問わずスムーズに対応できます。

強み2:一気通貫で複数業務の対応可能

 当センターは要望のヒアリングから始まり、省エネ計算、環境性能認証取得まで一気通貫で対応しています。通常であれば、複数の企業とやり取りが必要な場合がある作業を一本化しているため、お客様の負担軽減、作業時間の短縮が可能です。

強み3:補助金の活用・金融業界の知見

 環境認証性能取得において、建築物の種類やタイミング次第で行政の補助金を利用することが可能です。しかし、補助金の制度そのものを把握していない、把握はしていても申請方法がわからないお客様も多数いらっしゃいます。

当センターでは補助金申請に知見を持つスタッフが在籍しており、どの制度に申請をすれば利用可能なのか、といったアドバイスが可能です。また、代表の尾熨斗が不動産業界のみならず金融業界にも精通しており、ファンド目線で不動産の省エネ計算、環境認証性能取得のサポートが可能です。

●代表者プロフィール  

環境・省エネルギー計算センター(運営会社:HorizonXX)

代表取締役:尾熨斗啓介(おのし けいすけ)

【略歴】

大学院にて不動産の証券化について研究。卒業後、 大手日系証券会社に入社し不動産ファンドアレンジメントやREIT主幹事業務に従事する。その後、大手外資系証券会社にて同様の業務に従事。2012年に独立、様々な事業を手掛ける中で省エネ計算および環境性能認証の市場が成長することを予見。

2019年に「環境・省エネルギー計算センター」のビジネスを開始。省エネ計算のプロフェッショナル集団を率いてこれまでに1,000棟以上の省エネ計算・環境認証性能の取得を支援してきた実績がある。将来的には「環境設計士」という専門家、職業を確立することを目指して事業に邁進している。

【会社概要】

環境・省エネルギー計算センター(URL: https://www.ceec.jp/)

運営会社:株式会社HorizonXX(ホライズン)(URL: https://www.horizonxx.com/)

代表取締役:尾熨斗 啓介(おのし けいすけ)

所在地:〒171-0022 東京都豊島区南池袋3丁目15−11

配信元企業:株式会社HorizonXX

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