警察官

アメリカ人の現職警察官が、公式データの人種変更を求めてシカゴ市を訴えた。『Fox News』『Daily Beast』などが報じた。

 

■遺伝子検査で人種ルーツ判明

昨年、シカゴ市警察に所属する男性警察官(43)が、自身の人種のルーツを知るために遺伝子検査を受けたところ、エジプトルーツの北アフリカ系ということが判明した。

男性は、勤続20年になるベテラン警官だ。2004年に警察官に採用された際に個人データの登録を行ったが、この時に「人種」を選ぶ項目があり、男性は「白人」を選んで登録した。

 

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■「人種変更不可」に納得できず

時の人種の選択肢は、「白人」「アフリカ系アメリカ人(黒人)」「ヒスパニック」の3つしかなかったが、現在は9つ以上あるそうだ。よって、男性は「白人」から「北アフリカ/中東系」に変更を希望する届出をした。

遺伝子検査の結果も併せて提出したというが、最終的に「拒否」されてしまった。シカゴ市警察はその理由を、「公式記録の人種変更は不可能」と説明したという。

男性は、過去にも人種変更をリクエストしたことがある。その度に却下されており、性別の変更は可能でも人種については証拠を揃えても変更できない現状に、どうしても納得できなかったそうだ。

 

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■警察と市を提訴

2月19日、男性はシカゴ市警察およびシカゴ市に対し、警察官の公式記録に正確な人種を反映させるよう求める訴訟を提起した。

訴状によると、男性側は約1億5,000万円の金銭賠償も求めている。同市が人種中立のポリシーを掲げているにもかかわらず、平等保護を怠ったばかりか人種差別をしており、1964年の公民権法に違反した点を挙げている。

男性が何よりも強く訴えているのは、自身を「白人」とする不正確な内容のせいで、「昇進」が見送られているという点だ。男性の訴えでは、同警察の昇進システムは、白人よりもマイノリティの人種を優遇しているというのだ。

 

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■「白人」は昇進できない?

実際に、2019年に男性が巡査部長への昇進試験を受けたとき、結果は「昇進候補1軍」に入る好成績だったが、4年ほど経過した現在でも昇進はない。

一方で素行に問題があり、明らかに昇進基準をクリアしていないアフリカ系アメリカ人の警察官らが、男性を差し置いて巡査部長に昇進していると主張している。

訴訟を受けて、シカゴ市警察は「現在訴訟中の案件のため、コメントは差し控えます」などと各社取材に答えている。裁判は近日中に開かれる予定だ。

警察官が「人種変更」を求め市を訴える 「差別」主張の根拠は昇進問題