入間基地や百里基地も対象です。

自衛隊施設「最適化事業」が本格化

防衛省は、首都圏自衛隊施設の強靭化に向けた取り組みを本格化させます。2024年度から陸上自衛隊の朝霞駐屯地、海上自衛隊の下総基地と厚木基地、航空自衛隊の入間基地と百里基地などについて、建て替え・改修に向けた設計を発注します。

現在、全国の各基地・駐屯地などには約2万3000棟の建物がありますが、そのうち約1万9000棟は自衛隊施設で求められる防護性能がなく、武力攻撃やテロに対し脆弱な状態です。さらに約9900棟は旧耐震基準で建設されており、防護性能どころか耐震性能が確保されていません。

こうした状況を踏まえ、防衛省は各施設で構造強化や施設配置の見直し・集約化などを図る「最適化事業」を推進する方針です。これは全国300地区の基地・駐屯地が対象で、建て替えや集約化に向けた「マスタープラン」の作成を順次進める予定です。防衛省は2024年度予算案に、自衛隊施設の更新費として3233億円を計上しています。

防衛省は防護性能強化の例として、建物の構造強化(壁厚増や地下化)、空気ろ過システム、飛散防止ガラス、監視センサーなどの採用を挙げています。また、電磁パルス攻撃への対応や航空機を分散して防護可能な「分散パッド」の整備を推進する方針です。今後、各基地では、庁舎や隊舎、倉庫、格納庫などの建て替え・改修などが実施される見込みです。

航空自衛隊入間基地に所在する第2輸送航空隊第402飛行隊のC-2輸送機(画像:航空自衛隊)