学校で児童・生徒や保護者の相談に乗るスクールカウンセラー(SC)について、東京公務公共一般労働組合心理職ユニオンが「東京都は明確な採用基準を示さず不当に250人を不採用にした」として都に説明を求めている。

ユニオンに所属する33人はこれまで団交を続けてきたが、納得する説明を得られていないという。3月5日には都に要請書を提出した後、6人の現役SCとユニオンの原田仁希氏らが厚生労働省で記者会見した。実質的な“雇い止め”に等しいとした上で、「保護者や子ども、先生など学校に混乱を招く」「私たちは駒じゃない。心理職への軽視だ」と訴えた。

ユニオン調査では「雇い止めはベテランに集中」

SCは2020年から会計年度任用職員となり、1年ごとに更新、都では再任用の上限を4年と定めている。2024年3月末で契約満期となる1096人は新たに面接を受けたが250人が不合格となり、1月22日に各自に通達されたという。不合格となった人を中心とした70人ほどからユニオンに相談があった。

ユニオン1月29日から2月11日まで、インターネットと郵送で独自のアンケート調査を実施。728件の回答を分析した結果、“雇い止め”の対象が10年以上の経験があり高年齢のベテランに集中する傾向があったとした上で、会計年度任用職員の運用についての総務省通知(2023年12月27日発出)に反していると指摘した。

通知では「勤務実績を考慮して選考を行うことは可能で、複数回の任用が繰り返された後に、再度の任用を行わないこととする場合には、事前に十分な説明を行う、他に応募可能な求人を紹介する等配慮をすることが望ましい」としているにもかかわらず、雇用保障は一切ないと訴えた。

ヤングケアラー宗教2世…広がる職務の幅

会見に出席したSCからは、不透明な採用基準への疑問や学校現場への影響、スクールカウンセラー制度の将来についての不安の声が相次いだ。

都のSCは基本的に週1回勤務で、年収は1校170万円ほど。他の心理職より待遇が良いため、志望者が多い。主に大学院で心理学を専攻し、資格を取るなど研鑽を積んでいる人たちが多く、子ども向けのメンタルヘルス授業や全員面談など職務の幅も広がっているという。

近年は不登校やいじめ以外にもヤングケアラー宗教2世などメンタルヘルスにまつわる相談窓口にもなっていると説明したSC歴15年の女性は、自身は合格となったものの、SC自身の雇用が不安定では子供たちの安心を培うことは難しいと訴えた。

「数カ月から数年かけて信頼関係をつくり、ようやく悩みを話してくれたのに、次の年にカウンセラーがいなくなったら、裏切られたような気持ちになる。私たちを人として扱っていないだけでなく、切実な相談ニーズをないがしろにするものではないでしょうか」

他にも「やりがい搾取だ」「現場を無視した機械的な対応」「養護教諭や管理職と体制を整えてきたのに、先生方も困惑している」などという声があった。ユニオンは引き続き、都と団交を行うよう求めているほか、署名 を集めている。

東京都でスクールカウンセラー250人“雇い止め” 「学校現場が混乱」「心理職の軽視」説明求め会見