社会福祉法人つどいの家(本部:仙台市若林区、理事長:佐藤 清)は、重いしょうがいのある人も地域で過ごすことができる居場所づくりをめざして昭和50年に発足した団体です。当法人では新たに、仙台市泉区南光台において、しょうがいのある人を兄弟姉妹に持つ「きょうだい」の支援を地域のパートナー(学生、町内・地域住民、教育関係者、行政・福祉関係者など)と共に進めていきます。
 本プロジェクトのスタートとして2月25日に《きょうだい支援プロジェクトキックオフミーティング》を開催しました。今後は「きょうだい」が集える場や交流イベントを開催しながら、きょうだいのニーズに寄り添った支援を進めていく予定です。
ホームページ
https://sites.google.com/tsudoinoie.or.jp/kyoudai?usp=sharing

 学生3名、町内・地域住民2名、福祉関係者8名、教育関係者2名、事務局7名の計22名が参加。
 今後の活動内容や年間スケジュールを確認した後には、「きょうだい」ご本人やそのご家族に届く情報発信の仕方などについてそれぞれの立場からお話しをいただき意見交換をしました。

(現在、パートナー25名、事務局11名の総勢36名のメンバー)

 しょうがいのある人を兄弟姉妹に持つ「きょうだい」には、 特有の悩みや課題があると言われています。 しょうがいのある 兄弟姉妹の世話をしたり(ヤングケアラーとして近年、社会的に認知が進んでいますが)、 親がしょうがいのある兄弟姉妹の介助などに手一杯で、きょうだいと関わる時間や機会も少ないため、 孤独感を抱えたり、寂しさ・プレッシャーなどを感じ、 自己肯定感や自尊心の低くなる方もいます。    

 また、生育の過程で、しょうがいのある兄弟姉妹と共に暮らす環境にいますので、「障がいへの理解」があるといった肯定的側面がある一方、きょうだい本人は親亡き後、自身の生涯にわたって、しょうがいのある兄弟姉妹を支えていくことへの不安や悩みを抱えている方もいるようです。

  • プロジェクト発足の背景 

 私たちはかつて、このプロジェクトを行う仙台市泉区南光台の地で重度・重度重複しょうがい者の通所施設を運営していました。利用者とともに、空き缶回収や地域清掃、パン販売など、この地域で活動する一員として、それぞれが役割を得ながら地域住民と交流を深めてきました。2011年3月11日に発生した東日本大震災による甚大な被害により、他の地域に移転しなければならない事態となり、築き上げてきた地域との関係性や縁も月日の経過とともに薄らいできました。
 それから13年・・・『きょうだい』が抱える特有の悩みや思いに寄り添い、安心して相談できる大人が身近にある環境を創ること、また同じ立場にあるきょうだい同士が交わり、相互に思いを打ち明けることのできる機会を創っていきたいとの思いから、私たちはこのロケーションで、改めて地域との関係を築きながら、『きょうだい支援プロジェクト』を立ち上げることを決意しました。
 また、きょうだいに関わらず、障がいや引きこもり状態にある人、認知症の方々を含め、まだまだ家族に依存し、家族だけで抱え込まざるを得ない社会構造や風土も根強く存在します。
 だからこそ、これらの実現には、様々なフィールドで活躍する人や多様な団体などが連携し、協働体を形成しながら共通の目標(ゴール)を目指すプロセスが必要であると考え、パートナー(学生、町内・地域住民、教育関係者、行政・福祉関係者など)と共に活動することにしました。

  • プロジェクトのコンセプトとビジョン

 1.きょうだいによる自分らしさの発見
 2.地域協働とエンパワメント
 3.多様性の尊重と暮らしの安心
 私たちは、このプロジェクトを通して、
・「きょうだい」が、心身ともに健やかに成長し、主体性を育みながら、夢や希望をもって歩むことができる社会を目指します。
・誰もがその人らしく生きがいと安心した暮らしができる社会を創造します。
・多様な人たちを社会全体で支える風土を醸成し、地域力向上に努めます。

  • 今後の活動

パートナー間のミーティング(定期) 

隔月で開催します。
きょうだい会(当事者交流会)の実施 

   4月は合同、その後小学生、中高生に分けて交互に開催します。
親子参加型のイベント  

   大学生パートナーさんを中心に企画します。地域の皆さんとともに運営します。
パートナーさん同士の勉強会(又は視察研修)
   きょうだいのこと、しょうがいのことなどについてパートナーが知識習得する機会を持ちます。
市民啓発セミナーの実施
   きょうだいのことを知ってもらうことのほか、しょうがいのある人への理解を深めることを目的とします。
こどもを対象とした福祉講座の開催
   主に小・中学生を対象とした“しょうがい”を正しく理解する機会です。
このほか、個別ニーズに応じた取組み
   学習支援や居場所づくり、こども食堂といった取組みを想定しています。

  • 今後の展開

 本プロジェクトが目指すゴールは、地域のなかでそれぞれの強みやノウハウを活かした協働体(つどいの家はその一部)が構築され、かつ自走化する(独立した事業運営)ことです。それが、5年先か10年先かはわかりませんが、人的にも資金的にも自立した形に導けるよう、無理のない範囲で取り組めればと考えています。
 この取り組みがモデルになれば、それぞれが住まう身近な地域に同様の資源があることが望ましい姿ですので、次なる活動エリアを模索していければと思います。

パートナーのコメント

学生Aさん:私自身がきょうだいであるという立場と、学生としての意見を伝えて活動できればと思い参加しました。
学生Bさん:きょうだい支援を始めて知って、興味を持ち参加しました。
学生Cさん:将来、福祉の仕事がしたいと思っているので、聞いて学ぶこともできるが、自分が参加をして経験をして考えていきたいと思い参加しました。
きょうだい支援に携わっている方:きょうだいみんながこのような関わりを必要としているのではないが、その時に必要がなくても、後から必要になることもあるので、やり続けること、情報を広く提供し続けることが大切。
町内会の方:独居高齢者が多い地区になった、近所のつながりが大切だと感じている。一緒に学びながら活動し地域づくりに活かしたい。
福祉関係者:親子よりきょうだいの方が人生を長く一緒に生きるが、支援者の立場ではきょうだいの話しを聞く機会は少ないな、と思った。また、自分自身がきょうだいであるという立場で何か支えになることがあればと思っています。

プロジェクトリーダーのコメント

総務部長 佐藤吉久

 「きょうだい」が抱える思いを紐解くと「しょうがい」に対する理解がまだまだこの社会に根付いていないことを意味します。このプロジェクトを通して、子どもたちや大人も含め、障がいに対し正しく理解が得られる啓発的側面も重要であると感じています。そして何より「きょうだい」やその家族が地域で安心して暮らすことのできる社会、街づくりの観点が必要です。
 このプロジェクトに賛同するパートナーがそれぞれの立場を超え、相互の強みやノウハウを持ち寄り、活かしながら、コレクティブインパクトの主体となって活動を展開すること、それがこのプロジェクトの大きな特徴です。
 誰一人取り残さず、社会全体で支えていく仕組みを、より多くの方々の関心と共感の連鎖を生み出し創っていきます。さあ、いよいよ始動です。

社会福祉法人つどいの家
どんなに重いしょうがいがある人も、地域で差別されることがなく、いきいきと自立した生活ができるよう、自己実現の場を保障する支援をおこなっています。

【法人概要】
法人名   :社会福祉法人つどいの家
法人所在地 :宮城県仙台市若林区上飯田1丁目17-58
代表者   :理事長 佐藤 清
事業内容  :社会福祉事業
設立    :昭和50年平成4年社会福祉法人格を取得)
HP    :https://www.tsudoinoie.or.jp/

配信元企業:社会福祉法人つどいの家

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