門別(写真)や茨木もアピールする阪神投手陣は、昨年以上に選手層の厚みが増している印象だ(C)産経新聞社

 昨シーズンに38年ぶりの日本一に輝いた阪神。その躍進を支えた要因として、12球団トップのチーム防御率2.66を誇った強力な投手陣が挙げられる。目立った戦力ダウンはなく、ドラフト1位で東都リーグ屈指の好投手・下村海翔を獲得するなど、むしろ投手陣の厚みは増した。昨シーズン以上に投手がチームに勝ち星をもたらせる試合が多くなりそうだ。

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 昨シーズン活躍した投手やゴールデンルーキーだけではなく、期待の若手も徐々に頭角を現しており、投手陣の顔ぶれは豊富である。3月2日日本ハムとのオープン戦に先発登板した高卒2年目の門別啓人は4回1失点と好投。59球と球数も少なくテンポ良い投球で堂々とゲームを作った。

 門別は2月17日の楽天との練習試合でも3回無失点とナイスピッチングを披露。2試合連続でアピールに成功した。岡田彰布監督はまだまだ1年間フル回転で登板できる可能性が未知数であるため、門別のローテーション入りには否定的な姿勢を見せている。ただ、昨シーズンは9月30日の広島戦でプロ初先発して、勝ち星こそつかなかったものの5回無失点と好投。1軍相手でも渡り合える力を見せている。

 先発投手陣は村上頌樹大竹耕太郎といった昨シーズン飛躍した投手に加えて、西勇輝青柳晃洋といった中堅・ベテラン投手も健在。さらには下村や西純矢といった有望な若手も多く、ローテーション入りは難しい。それでも、数年後とは言わずに今シーズンにローテーションで投げ続ける姿を見たくなる存在だ。

 日本ハム戦では門別だけではなく、もう1人の19歳も躍動した。門別と同じく高卒2年目の茨木秀俊は6回からマウンドに上がって2回を無失点ピッチング。3四死球、40球と制球に苦しんだものの、ホームベースは踏ませなかった。門別とは違って1軍経験がないため、力んでしまった部分も少なくないが、今後の活躍を夢想したくなるポテンシャルの高さを感じさせた。

 オープン戦とはいえ2人の19歳が躍動しており、エース格だけではなく10代の投手にも注目していきたい。

[[文/構成:ココカラネクスト編集部]]

「2人の19歳」が躍動する阪神 昨年以上の圧倒的な投手陣を”建設”できるか