強烈な野心を胸に秘めた3人の若者が同盟を組み、巨大財閥一族を相手に危険なプロジェクトを繰り広げていく韓国ドラマ「予期せぬ相続者」で、“殺人者の息子”のレッテルを貼られ、人生を懸けたリベンジに挑む青年ハン・テオを演じている俳優イ・ジェウク。俳優デビューしてからまだ約6年だが、魅力的な低音ボイスやどこかミステリアスな色気で多くのファンを魅了している。また、187cmという抜群のスタイルを武器に俳優業の他、世界的ハイブランド「PRADA」のアンバサダーを務めるなど、デビューして間もなくスターダムにのし上がった彼のキャリアを振り返る。

【全身写真】イメージがらり!クールなコーディネートで会見に登場したイ・ジェウク

■初オーディションで射止めた“天才ハッカー”役で俳優デビュー

現在25歳のジェウクは高校生の頃から演技に興味を持ち、演技学校に通いながら、演劇科のある大学進学を志す。そして大学1年生の時に初めて受けたドラマ「アルハンブラ宮殿の思い出」(2018年)のオーディションで見事合格し、俳優デビューを果たした。

同作では天才ハッカーであり悪役キャラのマルコ・ハンを好演。俳優デビューとは思えない強烈なインパクトを残したことから“怪物新人”と呼ばれ、一気にその名が知れ渡った。また翌年放送された人気ウェブトゥーン原作のドラマ「偶然見つけたハル」(2019年)では、ヒロインのダノ(キム・ヘユン)の婚約者で学校のイケメン3人組“A3”の1人ペク・ギョン役として出演。本作に出演したロウン、ヘユン、そしてジェウクら俳優陣が原作ウェブトゥーンのキャラクターとマッチしたキャスティングだと話題になり、心に傷を抱えた不器用な性格のギョンを演じたジェウクは同年度の「MBC演技大賞」で新人賞を受賞した。

その後、ドラマ「ドドソソララソ」(2020年)では初のドラマ主演に抜てきされ、突然窮地に立たされた世間知らずなお嬢様のク・ララ(コ・アラ)のことが放って置けない青年のソヌ・ジュン役を務めた。謎多き青年だが、無一文のララのことを気に掛ける優しい一面も多く、そんなジュンを演じた彼の沼にハマる視聴者が続出したという。

■魅力的なキャラクターを数多く演じ、頭角を現す

キャリアが浅い段階で悪役キャラ、ツンデレ学生、好青年役と幅広い役柄に挑戦してきたジェウク。ドラマ「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」(2016年〜2017年)、「愛の不時着」(2019年〜2020年)など、数々のヒット作を生み出しているヒットメーカー「スタジオドラゴン」制作のドラマシリーズ「還魂」(2022年)では、主人公のチャン・ウクを熱演。

同作は架空の国・大湖(テホ)を舞台に、人と人の魂を移し替える“還魂術”によって運命を変えられてしまった登場人物たちの成長を描いた、ファンタジーと時代劇を融合した物語。彼はテコ国の“4大家系”の1つ、チャン家の“お坊ちゃん”役として登場し、劇中では時代劇ならではの刀を使ったアクションシーンも披露。彼の新たな魅力が存分に発揮された代表作として大ブレイクした。

映画「キル・ボクスン」(2023年)ではカメオ出演でもしっかりと爪痕を残している。同作では、伝説の殺し屋のキル・ボクスン(チョン・ドヨン)を雇う暗殺請負会社の代表、チャ・ミンギュ(ソル・ギョング)の若かりし頃の姿に扮(ふん)したジェウク。中盤の短いシーンだったが、学生時代のボクスンがミンギュと出会った重要な1シーンを演じており、安定した演技力と時に恐ろしく映る彼の無表情、そして低音ボイスが際立った印象的な存在を現した。

■復讐に燃える天才を熱演

そんな彼の最新作「予期せぬ相続者」はそれぞれ異なる過去を抱え、強烈な野心を胸に秘めた3人の若者が同盟を組み、欲望渦巻くままに巨大財閥一族を相手に危険なプロジェクトを繰り広げるリベンジミステリーだ。

ジェウクが演じるテオは、多くは語らないものの心に秘めた強い思いを兼ね備えた天才。ドラマの制作発表会では「申し訳ない気持ちで制服に腕を通しました(笑)」と、劇中で学生服を披露したエピソードを恥ずかしそうに話しているものの、実際に映し出された姿は当たり前にカッコイイ“現役高校生”そのもの。

学生時代のエピソードは、後に同盟を組むことになる巨大財閥一族からつま弾きにされた婚外子カン・イナ(イ・ジュニョン)との出会いを描いている大事な“青春の1ページ”として、視聴者の心にも刺さっただろう。

タイミングが良いのか悪いのか、ドラマスタート直前には“予期せぬ熱愛報道”で日本でも大きな注目を集めることになったジェウクだが、それは抜きにしても今最もホットな俳優の1人として名が挙がる新鋭の開く新境地に期待したい。

「予期せぬ相続者」は、ディズニープラスのスターにて毎週水曜に2話ずつ独占配信(全12話)。

◆文=suzuki

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