道路上に設置されたカーブミラーは交通事故の恐れがある「死角」の情報を可視化してくれる、道行く人にとって非常に重要な存在。

なお現在X上では、青森県内で発見された「絶対二度見してしまうカーブミラー」が話題となっているのをご存知だろうか。

【関連記事】秋田空港で遭遇した謎の人物、後ろ姿にギョッとした… 男鹿市も「滅多にない」と戸惑い

 
画像をもっと見る

■このカーブミラー、何かおかしい…

今回注目したいのは、地図情報に造詣の深い「株式会社ゼンリン」公式アカウントが2月末に投稿した1件のポスト。こちらの投稿には「りんご好きの私からすると、青森県カーブミラー控えめに言って最高です」と、意味深な一文が綴られている。

確かに青森といえばりんごのイメージだが、一体どういうことなのか…と首を傾げてしまうも、ポストに添えられた画像を見て即座に納得。

青森県弘前市

そこには「真っ赤なりんご」のデザインをした、一度見たら忘れられないカーブミラーが収められていたのだ。

 

関連記事:井上咲楽、東京マラソン完走に称賛の声 「凄いタイム」「栃木の誇りです」

■発見者は「意外と迫力ある」

件のポストは投稿から数日で7,000件以上ものリポストを記録するほど話題となり、他のXユーザーからは「このセンス良いなぁ」「めちゃくちゃかわいい」「さすがは青森!」「私もこのミラー、お気に入りです」など、称賛の声が多数寄せられていた。

ポストを投稿したゼンリン担当者に話を聞いたところ、話題の写真は青森県弘前市内で撮影されたものと判明。

青森県弘前市

非常にかわいらしいデザインをしているが「近くで見ると意外と迫力があります(笑)」とのことで、担当者は「カーブミラーを見て、心が揺さぶられました」「りんごのフォルムとカーブミラーの円形・色が見事にマッチしており、そのセンスの良さと弘前市さまの『りんご推し』を強く感じ、Xに投稿したいと思いました」と、笑顔で振り返っていた。

そこで今回は話題のカーブミラーの詳細をめぐり、青森県弘前市」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、衝撃の事実が明らかになったのだ…。

関連記事:アニメイトやピューロランドも被害…犯行予告をしてもなぜすぐ捕まらないのか? 有識者に理由を聞いてみた

■「設置時期」が意外すぎる

写真を見る限り、比較的綺麗な状態であることから「ここ数年(古くとも10年)の間に設置されたもの」と推測していたが…。

今回の取材を快諾してくれた、弘前市農林部りんご課販売・発信係の担当者からは「正確な設置時期は分かりませんが、今から約20年前には既に設置されていたものです」と、驚きの回答が得られたのだ。

青森県弘前市

2000年度の弘前市総合計画において「りんごにこだわったまちづくり」を推進している同市では、市民の機運醸成を図るため、市独自で指導の一部にりんごをデザインしたロードミラーやマンホールなどを設置する取り組みを行っている。

担当者からは「りんご生産量日本一を誇る『りんごのまち弘前市』において、その主役である『りんご』を市民だけでなく、もっと多くの人に知ってもらうことを目的に設置しました」と、弘前市に生きる人間としての矜持が感じられる、熱いコメントが得られた。

青森県弘前市

なお、主な設置場所は「弘前市りんご公園」周辺だという。

 

関連記事:『ブギウギ』近藤芳正“山下”と小野美音“愛子”の距離感に視聴者ほっこり 細かい描写に「ジーンときた」

■「りんごのまち」は伊達じゃなかった

長野県民から「待った」の声が聞こえてくる気もするが…やはり、りんごといえば青森、そして青森といえば弘前。

青森県弘前市

弘前市の担当者は、同市における「りんご」という存在について「りんごの栽培は明治時代に当市に伝わってから現在に至るまで約150年の長い歴史があり、当市の基幹産業として市民生活に強く根付いています」と、強調する。

加えて「当市は古くより弘前藩の城下町として栄え、現在も昔の街並みや歴史や文化が色濃く残ります。また四季がはっきりしており、弘前公園では季節に応じたお祭りが開催されます、中でも弘前さくらまつりでは、りんごの剪定技術により管理された日本一とも呼ばれる美しい桜が咲き誇るのが見所です」と、市の魅力について語ってくれたのだ。

青森県弘前市

ゼンリンの投稿が大いに話題となっている件については「多くの方々に同カーブミラーを見て頂けるのは、大変嬉しいことです」と、笑顔のコメントが。

担当者は「『りんごのまち弘前市』として多くの皆さんにもっと弘前のりんごを、ひいては弘前市を知って頂きたいです。また、今回のような出来事を切っ掛けに、弘前へ足を延ばして頂けると嬉しいです」とも口にしていた。

青森県弘前市

道を歩くだけで「地元愛」がヒシヒシ伝わってくる弘前市を、ぜひ訪れてみてほしい。

 

関連記事:マクドナルドのハッピーセット、不良品カービィが多数発見されるも… 多様性が「逆にアリ」と話題

■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

道端で発見したカーブミラー、特殊すぎる形状に目を疑うも… 「さすが青森」と称賛相次ぐ