5日の育成リーグ巨人戦では4打数1安打だった石上。さらなるアピールに期待したいところだ(C)産経新聞社

 DeNAルーキー石上泰輝オープン戦でアピールした。3日のオリックス戦では8番・サードで出場して、オープン戦12球団ルーキー第1号ホームランを放つなどマルチ安打を記録。前日のソフトバンク戦では4打数4安打と固め打ち。オープン戦の打率.636という驚異的な数字をマークした。

【関連記事】DeNA黄金ルーキー 度会隆輝の凄まじさ 試合から見えた「打つだけではない部分」とは

 シーズン開幕後も石上が好調をキープできれば、DeNAとしては願ってもいないことだ。石上はショートがメインポジションであるが、ここ最近DeNAはショートを固定できていない。2022年オフに中日から京田陽太を、2023年シーズン中にはヤクルトから西浦直亨をトレードで獲得したものの、定着するまでには至っていない。

 林琢真や森敬斗、知野直人といった可能性を感じさせる若手選手も少なくはないが、使い続けたいと首脳陣に思わせる説得力のある活躍は見せられていない。石上が定着できればショート問題は解消され、センターラインを固定できてチームは安定する。

 石上に期待する役割は少なくない。石上はサードを守ることもできる。DeNAサードは長く宮﨑敏郎が守っているが、怪我で離脱するケースが目立っており、適度に休息日を設けながら起用する必要がある。宮崎がラインナップから外れると、打線はガクンと破壊力を失ってしまうが、宮崎のバックアップ要員としての役割も石上に任せられるようになれば上々だ。

 加えて、石上は学生時代にセカンドを守った経験があり、不動のセカンド牧秀悟サードで起用して、セカンドに石上を入れるという選択肢も生まれる。牧は昨年行われたWBC侍ジャパンに招集された時、不測の事態に備えてサードで出場する可能性も想定されており、決してサードが守れないわけではない。

 いきなりは難しいが、サード・牧、セカンド・石上という布陣が組めれば、宮崎離脱におけるパワーダウンを最小限に抑えることができる。石上がシーズンを通して安定した活躍を見せれば、勝ち星を大きく増やせるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

DeNAルーキー石上泰輝が秘めた可能性 宮崎離脱の際のリスクも軽減か