ネリは会見で殊勝な態度を見せた。井上戦に懸ける思いは相当なようだ(C)Getty Images
ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）とWBC1位のルイス・ネリ（メキシコ）によるタイトルマッチが正式決定した。5月6日、東京ドームを舞台に行われる。
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3月6日の開催発表記者会見には主役である井上、ネリが出席し、2か月後に迫るビッグマッチへの意気込みを語っている。それぞれがこの一戦への想いを言葉にする中、挑戦者のネリは冒頭の挨拶より、謝罪の言葉を並べた。
「再び日本の地を踏むことが出来て大変うれしく思います。また、皆さまには謝りたいと思っています。日本のボクシングコミッションの皆さま、ボクサーの皆さま、帝拳プロモーションの皆さまに謝罪を申し上げます。2度、皆さまを裏切ってしまいましたが、今回はきちんと節制し、調整をしています。偉大な、グレートな試合をみせたいと思います。チャンスをくださった井上選手、帝拳プロモーション本田会長、チームのみんな、ありがとうございます」
ネリは過去2度の山中慎介との対戦の際、ドーピング疑惑や体重超過のトラブルによって王座剥奪となり、日本ボクシングコミッション（JBC）から日本で無期限資格停止処分が下されていた。
日本のボクシング関係者にとっても“因縁”の相手であるネリと井上の対戦は、多くのファンも望んでおり、今回の開催発表直前に解除となったことが報じられ、待望の一戦が実現となった。
会見後には山中氏に直絶謝罪する姿も見せたネリだが、当然、今回の会見でも一連の不祥事についての質問が飛んでおり、井上も経緯を認識していると述べながらも「今回に関しては自分対ネリ」と因縁を持ち込まないと強調。それに対しネリは「井上選手のコメントは嬉しい。日本の皆さんが何を考えているかは考えずに集中して試合に集中したい」と話している。
また、ネリの過去のトラブルを踏まえ、今回の試合当日までのドーピング、計量のチェックがどのようなものとなるのかという質問には、同席した大橋秀行会長、さらにネリ側のマネージャーとして登壇したショーン・ギボンズ氏がコメント。大橋会長が「詳しい内容は言えないが今回は厳しくチェックしている」と述べると、ギボンズ氏からはネリについて「60日前である現在の計量ではリミットよりも、かなり下回っている状態」と明かしている。
ギボンズ氏からは他にも、「歴史を作れるよう彼（ネリ）自身も頑張っているので、応援よろしくお願いします」と試合成立へ向け、真摯な姿勢で臨んでいることを説明している。
最高の舞台で「モンスター」井上に挑む、「悪童」ネリ。会見では反省、感謝の言葉と共に、今度こそ日本の地でクリーンな戦いを披露することを固く誓っていた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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