川栄李奈主演の水曜ドラマ「となりのナースエイド」(毎週水曜夜10:00-11:00、日本テレビ系Huluにて配信)が現在放送中。同作は新人ナースエイド・桜庭澪が活躍するリアルな病院エンターテイメント。このたび、WEBザテレビジョンでは同作のプロデューサーを務める藤森真実氏にインタビューを実施し、撮影の裏話やキャスト陣の魅力などを語ってもらった。

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■新しい視点での医療ドラマを制作したかった

――早速ですが、今回ナースエイドを題材にしたドラマを制作したきっかけは何だったのでしょう?

以前「祈りのカルテ」という知念実希人先生の原作をドラマ化させていただいて、その時に知念先生と交流を持たせてもらいました。「またいつかご一緒したいですね」と話をしていて、今回こちらから“ナースエイド”という職業を題材に執筆いただけないか、とご相談させていただいて。非常に珍しいケースですが、今回のドラマのために知念先生に書いてもらった経緯になります。

――藤森Pがナースエイドを知ったきっかけは?

私はいくつか医療ドラマをやっているのですが、何か新しい視点の医療ドラマができたらいいなと思っていて、ずっと調べていました。その時に看護助手(=ナースエイド)の存在を知ったんです。私は入院したことがないので、実際に関わったことはなかったのですが、患者さんの一番近くにいて、話を聞いてくれていたのはナースエイドっていう声を聞いて「これって意外と皆知らないんじゃないかな?」と感じて。そこからよく調べ出してみたら、そこにはドラマがあって、我々の人生の中でナースエイドは重要な役割なんじゃないかと思ったのがきっかけです。

■川栄さんは、主人公“桜庭澪”そのもの

――川栄さんはゴールデン帯ドラマ初主演となりますが、起用理由を教えてください。

主人公の澪は明るくて前向きで、皆を幸せにできる人です。川栄さんのお芝居のうまさはもちろんですが、パッと周りを明るくする笑顔や人柄が主人公像とすごくマッチしていて、自然に視聴者の元に澪の良さが届くんじゃないかと思いオファーさせていただきました

――藤森Pから見て、座長である川栄さんは撮影現場ではどういった印象でしょうか?

本当に役のまま、澪みたいな感じです。明るくて前向きで、非常にタフでもあるので共演者の皆さんもスタッフ陣も、川栄さんの姿を見て「頑張ろう」って思えるし、いつも笑ってくれるので幸せな気持ちになります。そのおかげで現場の士気もあがりますし、楽しい雰囲気にもなる。座長として本当に周りを幸せにし、癒してくれるなと思いますね。

■かわいらしい役柄から一遍、毒舌キャラへ

――川栄さんももちろんですが、今回はバディとなる大河も魅力的です。高杉さんの起用理由を教えてください

高杉さんは、本来かわいらしく優しいイメージが強かったので、逆に大河みたいな毒舌キャラを演じたらギャップもあって、高杉さんの新しい一面を見て頂くことができるのではないかと思いオファーさせていただきました

――川栄さんと高杉さんは約6年ぶりの共演とのことですが、撮影現場でのお二人の様子はいかがでしたか?

本当に意思疎通ができていて、何でも言える空気感が漂っています。芝居にもその息ぴったりな感じが伝わっていると思うのですが、昔からの仲間!みたいな感じで「え!今噛んだじゃん!」「もう一回やろうよ!」みたいなツッコミを、川栄さんが高杉さんに言えるくらい和気あいあいとやって下さってます。

――澪の過去についてシリアスなシーンもあるかと思います。そういった場面での現場の様子や切り替え方は?

川栄さんの女優さんとして素晴らしいところだと思うのですが、本番前は普通に話していても、芝居に入るとキリっと空気を変えてくださるので、皆それについていってシリアスなシーンも乗り越えてます。

■恋愛ではない、強い絆を感じてほしい

――藤森Pのお気に入りのシーンやせりふはどこですか?

澪と大河の仲良くないとできない、いじり合いがかわいいなと。2人の関係性って何でも言えるし、否定もできる。見下す時もあるけど結果お互い尊敬できる、みたいなところがすごく好きです。何でも言い合える感じをオークラさんが脚本で絶妙に描いているので、回を追うごとにコミカルなやり取りが増していると思います。

――医療エンターテインメントの傍ら、ラブコメ要素もありますがそこも意識して制作しているのでしょうか?

オークラさんは逆説的な考えをする方で、吉住さん演じる夏芽がよく言う「いや、何このベタなラブコメ展開!」っていうせりふのように、あえてベタさをいじる感じが面白いんじゃないかっていう考えで。このドラマは男と女でも恋愛じゃない、信頼という強い絆があるっていうことを、ラブコメという入口から入って、視聴者に伝えたい狙いがあります。

■夏芽を演じるのは難しい

――視聴者からのSNSの反響をどのように感じていらっしゃいますか?

澪と大河の行方について期待の声が大きいのはもちろん、小手さんや吉住さんの注目も高いなと感じています。小手さんは見ての通りムードメーカーで盛り上げ上手で、一緒に面白いものを作ろうっていう考え方が、現場の士気をあげてくれています。吉住さんも今回連続ドラマのレギュラーとしてちゃんとしたお芝居をするのが初めてなのですが、キャラをよく掴んでいて、ちょっと癖のある感じも視聴者の皆さんが面白がってくれていて。夏芽というキャラは、少しやりすぎてしまうと冷めてしまうけど、丁度いい塩梅で演じて下さるので作品にスッと溶け込んでいるところが素晴らしいです。

――最終回に向けて見どころと、視聴者へのメッセージを教えてください。

一つの軸となる澪の姉・唯の事件は誰が犯人でその裏にはなにがあったのか、視聴者の皆さんの期待をいい意味で裏切るようなラストになっていますので、楽しみにしていてほしいです。もう一つは、澪がPTSDを克服してどんな道を進んでいくのか。そこもこれまでにない新しい道だなって思えるような結末となっているので、ぜひ期待していてほしいです。

「となりのナースエイド」第8話より/(C)日テレ