宮藤官九郎が企画・監督・脚本を務めたドラマ「季節のない街」(ディズニープラスで、全10話独占配信中)が、4月5日から、テレビ東京のドラマ25枠で放送されることが決定した。

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本作は、黒澤明監督によって「どですかでん」(1970)のタイトルで映画化された、山本周五郎氏の小説を、現代に置き換えて映像化するもの。12年前に起きた"ナニ"の災害を経て建てられた仮設住宅のある"街"を舞台に、そこにやってきた主人公の田中新助こと半助が、失いかけた希望を見出し、人生を再生させる青春群像エンタテインメントを紡ぐ。

半助役に池松壮亮、半助を街の青年部に引き入れるタツヤ役に仲野太賀、タツヤと同じく青年部のメンバーである酒屋の息子・オカベ役に渡辺大知を配した。そのほか、三浦透子、坂井真紀、濱田岳、片桐はいり、ベンガル、増子直純(「怒髪天」)、高橋メアリージュン、荒川良々、MEGUMI、皆川猿時、又吉直樹、前田敦子塚地武雅藤井隆、鶴見辰吾、岩松了らが共演。2023年8月にディズニープラスで配信が始まると、「笑って、泣いて、考えさせられた」「全キャラが愛おしい!」「苦しくなるけど、クスッと笑える。人生のような全10話」「宮藤官九郎の最高傑作」「今、みるべき作品」などの絶賛が寄せられた。

"ナニ"と呼ばれる大災害から12年、いまなお残る仮設住宅に、生きる希望を失った半助がやってきた。彼は、「街で見たもの、聞いた話を報告するだけで最大1万円がもらえる」という仕事を請け負い、猫とともに軽い気持ちで街に潜入。そこには18世帯ものワケあり住人が暮らしていたが、月収12万円を超えると「即立退き」とあって、皆ギリギリの生活を送っていた。ある日、タツヤとオカベは、半助を青年部に迎え入れる。半助は徐々に街に溶け込んでいくが、やがて彼の仕事が、街に思わぬ展開をもたらすことになる。

「季節のない街」は4月5日から、テレビ東京で、毎週金曜深夜24時42分に放送。なお放送開始に合わせ、シナリオブック(税込2090円)が、4月5日に発売される。池松、仲野、渡辺、宮藤、チーフプロデューサーの濱谷晃一のコメント(全文)は、以下の通り。

池松壮亮(半助こと田中新助役)

ディズニープラスで配信された「季節のない街」が地上波で放送されること、とても嬉しく思います。未見の方にも、もうみていただいた方にも是非楽しんで頂けたらと思います。

この街では皆が同じ痛みや貧しさを知りながら、ただ隣り合って横並びに騒がしく暮らしています。倫理観はさほどないけど、互いに命をそっと繋ぎ止め、互いの明日を作りながら、忘れられることにささやかに抵抗しながらその営みを続けています。

戦争や災害を繰り返すこの世界で、このドラマが誰かのささやかな楽しみになることを願っています。

仲野太賀(タツヤ役)

「季節のない街」の地上波放送が決まったこと、大変嬉しく思います!! 宮藤さんのもとに最高のスタッフとキャストが集って、撮影したのが約一年前。仮設住宅で笑ったり泣いたり、踊ったりブチ切れたりした日々が懐かしいです。あの街にしかないカオスがとっても恋しいです。ディズニープラスでは配信されていましたが、テレビでも気軽に、毎週楽しみにしてもらえればと思います! よろしくお願いします!

■渡辺大知(オカベ役)

環境や生活が日々変化していくなかで、こんなに人間の「元」を感じさせてくれるドラマが見られるなんて。参加させてもらえて光栄です。毎話、魅力的なキャラクターたちが大暴れしています。このドラマが地上波で見られるのはいまの時代だからこそとても意義のあることだと思うので、放送が待ち遠しくて仕方ないです。あの街のみんなが思いっきり生きているのを、ぜひ目撃してください!

宮藤官九郎(企画・監督・脚本)

昨年ディズニープラスさんで配信された「季節のない街」が地上波で放送されます。もともと30分の深夜ドラマを想定して作ったので、個人的には本来の形に近いのですが、改めて、この作品を世に出そうと考え、力を貸して下さったディズニーさん、テレビ東京さんの心意気に深く感謝します。

去年の今頃、極寒の茨城の廃校で2カ月半の撮影。黒澤明監督の「どですかでん」が大好きな僕にとって、寒い以外は至福の時でした。六ちゃんが、島さんが、ホームレス親子が、かつ子がそこにいる。仮設住宅で生活している。池松壮亮くん、仲野太賀くん、渡辺大知くんの"青年部"にまた会いたいと思っても、彼らはおろか、仮設住宅のセットすら存在しない。けど、映像にはしっかり残っている。大好きな「どですかでん」がふたつになった感覚です。

今年は元日から能登半島地震があり、新たに仮設住宅が建設され始めています。改めて災害の恐ろしさに言葉を失うと同時に、この作品が今どのように受け止められるのか。

ただ、触れないことが思いやりでは決してないし、逆境においても人間は逞しく、強く、同時に弱く、時に涙し、時に笑い、だからこそ人生は面白いという、山本周五郎さんの原作が持つ普遍的なメッセージは、発表から60年が経った今こそ、現代人を勇気づけてくれると信じています。まずは気楽に30分、1話完結の人情喜劇をお楽しみください。

■濱谷晃一(チーフプロデューサー)

宮藤さんから「季節のない街」を、災害で全てを失った人たちが暮らす仮設住宅でやりたい、という構想を聞いたとき、震災、疫病、紛争など、様々なことが起きる世の中で、とても意義のある現代的なテーマになると思いました。と同時に、仮設住宅のオープンセットをテレ東ドラマで作れるのかな……と大きな不安に駆られました。

しかし、ディズニーさんのお力添えのおかげで実現し、それが、自分が思い描いたよりもはるかに高いクオリティで、素晴らしいキャストが集う作品になり、そして、テレビ東京からも皆さんにお届けできることが嬉しくてなりません。

登場人物たちに起こったこと、起こることは、とても苦しく、登場人物たちも常識を逸脱したような人ばかりです。

ただ、それを重く届けるのではなく、毒はそのままに、ゲラゲラ笑えて、感動の涙を誘う、これが宮藤さんならではの人間賛歌なんだと、最終回までを通して痛感します。なんとテレビ東京・無料です。これを機会に見てください!

ディズニープラスさんでは、全10話一気見できます! 二度、三度見ると、この世界の魅力が伝わると思いますので、ぜひご覧ください!

ディズニープラスで配信されていたドラマが地上波で! (C)テレビ東京