玉城ティナ飯豊まりえがW主演を務める、極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」シーズン5(Huluで独占配信中、毎週金曜エピソード更新)。3月1日に配信された第4話では、明日葉(玉城ティナ)が漆原(尾美としのり)に交渉する様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第4話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】自らがゴーレムの“おとり”になる前田公輝“海斗”

■「君と世界が終わる日に」シーズン5とは

ゴーレムウイルスという噛まれたら噛まれたら化け物になってしまう“謎の感染症”によって、突然日常を奪われた人々の過酷なサバイバルと濃厚な人間ドラマが描かれる「君と世界が終わる日に」(※通称「きみセカ」)。シリーズ最終章となるシーズン5では、2024年1月公開の「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」で描かれなかった人類最後の希望の都市“ユートピア”のもう一つの塔を舞台に、明日葉や佳奈恵たちが最終決戦に挑んでいく。

本シーズンでは、財団会長の娘・明日葉役の玉城ティナと、元女子大生である佳奈恵役の飯豊まりえがW主演を務める。また続投キャストとして、元詐欺師の海斗役の前田公輝、元OL・ゆら役の佐野ひなこ、明日葉の元婚約者・冬馬役の柿澤勇人、明日葉の側近・加州役の溝端淳平らも登場。

そして新キャストとして、ユートピアの現代表で冬馬の父・漆原徳秋役の尾美としのり、塔の監視・富岡美津夫役の袴田吉彦らを迎え、過去シーズンに登場した秋吉蓮役の本郷奏多、坪井役の小久保寿人、三原結月役の横溝菜帆も、本シーズンで復活出演を果たしている。

■“アンダー”にゴーレムが発生…海斗が取った行動とは

アンダー”へやって来た明日葉(玉城ティナ)は、坪井(小久保寿人)から「新山会長は漆原(尾美としのり)に殺された」と聞かされ動揺するが、冬馬(柿澤勇人)は「レジスタンスの言うことは信じるな」「加州(溝端淳平)もレジスタンスの仲間だ」などと言って“タワー”へ連れ戻そうとする。しかし“タワー”への扉は固く閉ざされていた…。

すると明日葉のもとに佳奈恵(飯豊まりえ)から無線が入り、「加州と話をしてほしい」と頼まれる。久しぶりに明日葉と会話した加州は、明日葉を救うためにレジスタンスへ入ったことや明日葉が騙されていることを伝え、「必ず俺が救い出します」と明日葉に断言した。

そんな折、いるはずのないゴーレムが“アンダー”に発生。パニックになった住人たちは、“タワーから来た冬馬と明日葉がゴーレムを投入し、自分たちを皆殺しにしようとしているのではないか”と疑い始める。

その後、住人に追われた2人は“タワー”の天才少年・理一(加賀谷光輝)の両親に運よく助けられる。そこで2人は、漆原が“タワー”の研究所から持ち出したウイルスを薬と称し、“できるだけ多くの住民に打つように”と理一の両親に指示していたことが明らかになる。そして多くの人にばら撒かれたウイルスによって、たちまち“アンダー”はゴーレムだらけになってしまったのだった…。

冬馬は、かねてからアンダー閉鎖を目指してきた漆原について、“新山会長の意思を継ぐ明日葉と、明日葉に影響される自分が邪魔になり、2人がともにアンダーに降りたタイミングで住民もろとも閉鎖するつもりなのではないか”と推測する。

一方の佳奈恵たちも必死にゴーレムと闘っていたが、その数はおびただしく徐々に追いつめられていく。そんな時、遠くで大音量の音楽が…。その方向を見ると、海斗(前田公輝)が無数のゴーレムをシャッターが閉まる部屋におびき寄せていた。慌てて駆けつけた佳奈恵に、海斗は「シャッターを閉めて自分とゴーレムを閉じ込めてほしい」と頼む。

「もう誰も死んでほしくないの!」と泣き叫ぶ佳奈恵だったが、「俺は生きてお前を支える」と加州にシャッターを閉めさせるのだった――。

■“タワー”へ交渉に向かう明日葉と冬馬を待ち受けていたのは…

坪井たちは漆原がゴーレムウイルスを送り込み、“アンダー”を閉鎖しようとしていたことを知り、戦いを宣言する。しかし、“これ以上罪のない人の命を落としてはいけない”と説得する明日葉。そして父親の意思を継ぎ「私がタワーの代表になります」と宣言し、その意思の強さに坪井は納得する。

そしてダストシュートから“タワー”へ侵入した明日葉と冬馬は、さっそく漆原へ説得を始める。漆原が研究所から持ち出したウイルスをばら撒いたことを漏らさない代わりに、食料や衣料品などの物資の提供やレジスタンスとの休戦を交渉して、漆原は仕方なく承諾する。

やがてタワーの入り口に坪井たち“レジスタンス”が漆原との交渉に訪れる。物資や武器の供給やケガ人や子供、老人を“タワー”で保護してほしいという要求に対し、ずっと黙っていた漆原は「要求は何一つ飲むつもりはない」と言い放った。

漆原が約束を破ったことで明日葉は“ウイルスに関する事実”を告発するのだが、当の本人は「何のことだ?」ととぼける始末。そんな漆原に怒りが収まらない坪井は、漆原に襲い掛かり刺し殺すのだった…。

パニックになった冬馬が慌てて証人である理一の母親を呼びに行くと、彼女は理一の脇で血を流し倒れており、理一は「母は自殺しました」と淡々と話す。しかし実は、理一との再会を待ちわびていた母親が彼を抱きしめた際、理一は「母さん、邪魔しないでよ」と冷たい顔で言い放ち、自身の母親を撃ち殺していたのだ。

ユートピア”が混乱する中、「文明を取り戻さないと」「私たちの手で」と秋吉(本郷奏多)に無線で連絡を取る結月(横溝菜帆)。そして、戦闘車を引き連れて、ついに秋吉が“ユートピア”へやって来る――。

■理一は明日葉たちにとっての脅威になるのか?

アンダー”やレジスタンスの要求をようやく漆原に交渉するまでこぎ着けた明日葉と冬馬だが、漆原は約束を破り要求を否認、そして反発したレジスタンス・坪井によって殺された。毎回一筋縄ではいかない「きみセカ」シリーズだが、シーズン5もやはり何度も立場や状況がひっくり返る展開が描かれている。

“タワー”でもっとも影響力のある漆原がいなくなったことで立ち回りやすくなったと思われるが、まだ元老院の中には“漆原派”も多数残っているうえに、簡単に母親を打ち殺してしまう理一の存在も考えると、明日葉たちにとっての脅威はまだ完全に取り除かれていないように思える。そして漆原は、冬馬ではなく理一を“後継者”に選んだことから、ある意味“ラスボス”のような存在になるのかもしれない。

ラストで秋吉が戦闘車を引き連れてやって来たこともあり、ますます抗争は激化するだろう。次回が最終話となる第5話は、3月8日(金)に配信予定だ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「君と世界が終わる日に」シーズン5 第4話より/(C)HJホールディングス