東日本大震災発生から10年が経過した2021年に制作開始されたWebドキュメンタリーシリーズ「タイムカプセルプロジェクト-被災地からの手紙-」(清水健斗監督)が、4月中旬からAmazonプライム・ビデオで配信開始されることが発表された。

【フォトギャラリー】震災で亡くなった人への思いを、受け止める。「漂流ポスト」場面写真

23年までの追加撮影分も収録し、タイトルを「被災地からの手紙」と改め長編ドキュメンタリー映画化。プライム・ビデオでの配信に先立って、3月8日から専用ホームページにて公開される。

【「被災地からの手紙」作品紹介】

第一次産業従事者の思いとさらなる復興へ向けた活動、東日本大震災津波伝承館協力のもと震災伝承を続ける意味、遺族に寄り添う人々の心の復興の物語、幼少期に震災を経験し成人した女性の思い、震災遺構の問題など、次の10年に向けた被災地の現在を追った証言ドキュメンタリー。

ナレーションは岩手県花巻市出身の俳優・松村龍之介が担当。監督・総指揮は映画「漂流ポスト」で各国の映画祭で6冠に輝いた注目のドキュメンタリー作家・清水健斗が担った。

以下、清水監督のコメント。

清水健斗「私が東日本大震災の風化防止を映像の力でなんとかしたいと考えるようになり、どうするべきか悩んでいた時に出会ったのが漂流ポストで、私にとって東日本大震災を描き伝えることの原点でもあります。 毎年ポストに通い、手紙の内容を通し、前向きに変化している面といまだに一歩も踏み出すことができない面、両極端になってきている部分が震災10年で表面化してきたと感じています。でも、それはどちらも間違えではないと思っています。大切なのは10年で区切りをつけるのではなく、伝え続け考えてもらうきっかけを提供し、それぞれの答えを導き出すお手伝いをする、それこそが心の復興だと考えています。2024年になり能登半島地震が発生し、東日本大震災の時に感じたことを思い出した人たちも大勢いると思います。本作を通して震災で再認識した、生きていることのありがたさ・命や日常の儚さ・絆と助け合う心・悲しみから立ち上がる勇気。当たり前すぎて忘れがちな人として一番大切な『心』の部分をもう一度感じてもらい考えてもらう手助けになれば幸いです」

タイムカプセルプロジェクトとは?】※公式リリースから一部抜粋して紹介

残すべき「時代の記憶」が消えつつある日本。薄れゆく明治・大正・昭和・平成の「記録・記憶・文
化・想い」を映像で記録し、令和へ引き継ぐ。それが「タイムカプセルプロジェクト」だ。

2019年に第一弾として「広島被爆体験証言者」を題材にした証言ドキュメントと、3DVRを活用した講話体験を制作。22年には第二弾として、東日本大震災から10~11年経過した被災地を追った短編ドキュメントを5本公開した。

本プロジェクトのコンセプトは、"日本全国どこにいても、平和教育や歴史教育ができるWeb版の映像教科書"。SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞教育部門を受賞するなど、映像作品としては異例とも言える快挙を成し遂げている。

>>「タイムカプセルプロジェクト」公式サイト

【「漂流ポスト」もAmazonプライム・ビデオで配信中】

上述の清水監督作「漂流ポスト」も、3月2日からAmazonプライム・ビデオで配信されている。

東日本大震災で亡くなった人への思いを受け止めるため、岩手県陸前高田市に設置された実在の郵便ポスト"漂流ポスト"をモデルに、震災で大切な人を亡くした人の"心の復興"を描いた人間ドラマ。被災地で長期ボランティアに参加した清水監督が企画・プロデュース・取材・監督を務め、漂流ポストの管理人である赤川勇治氏が撮影に全面協力した。

各国の映画賞で高く評価されており、仏ニース国際映画祭・最優秀外国語短編映画グランプリ、英ロンドン国際映画祭・外国語長編作品部門・最優秀助演女優賞(神岡実希)、米ロサンゼルス・インディペンデント映画祭・最優秀外国語短編映画、米テキサスのプレスプレイ映画祭・最優秀短編映画および最優秀監督、西バルセロナ国際映画祭・審査員賞に輝いている。

>>Amazonプライム・ビデオで今すぐ「漂流ポスト」を観る

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