ヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド16ファーストレグが6日に行われ、スポルティング(ポルトガル)とアタランタイタリア)が対戦した。

 今季のELでD組に入り、3勝2分1敗の2位でグループステージを終えたスポルティング。チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージで3位敗退となったヤングボーイズ(スイス)とのプレーオフを勝ち抜いて迎えたラウンド16では、同じD組であったアタランタとの再戦が実現した。指揮官を務めるルベン・アモリム監督は、日本代表MF守田英正ボランチの一角に先発起用。1分1敗の未勝利となったグループステージのリベンジを狙う。

 試合は、序盤から球際で激しい接触が繰り広げられる白熱した展開に。すると、17分にホームのスポルティングがスコアを動かす。自陣深くでのポゼッションでアタランタのプレスを打開すると、中盤でフリーとなったフランシスコ・トリンコンがドリブルで持ち運んでスルーパスを供給。猛烈な勢いで左サイドを駆け上がってきたパウリーニョがDFラインの背後に抜け出し、左足でネットを揺らしてスポルティングが先制に成功した。

 リードを許したアタランタは、23分にセアド・コラシナツが中盤で守田の縦パスをインターセプト。ボールを受けたアデモラ・ルックマンのクロスは相手にクリアされたものの、右サイドでこぼれ球を拾ったエミル・ホルムがドリブルでボックス内へと侵入する。マーカーを突破して右足から放たれたシュートは左ポストに直撃。アタランタビッグチャンスを逃してしまった。

 攻勢を強めるアタランタは、30分に右サイドでコーナーキックを獲得し、キッカーを務めたアレクセイミランチュクがニアサイドに鋭いボールを蹴り入れる。コラシナツがワンタッチでバックパスを送ると、ペナルティエリア外で待ち受けていたマルテン・デ・ローンが反応。ダイレクトで狙った強烈な一撃は、スポルティングのGKフランコ・イスラエルがなんとか弾き出した。

 そんななか、思わぬ形で試合は振り出しに戻される。39分にスポルティングのエドゥアルド・クアレスマがGKにバックパスを送ると、ボールスピードが弱かったことに加えコースが逸れたことにより、相手のプレッシャーを受けながら飛び出したGKイスラエルのキックが中途半端になってしまう。ボックス手前でボールがカットされると、味方からパスを受けたジャンルカ・スカマッカが冷静にDFのタイミングを外してシュートを決め、アタランタが貴重な同点弾を挙げた。

 さらに60分には、中央でパスを受けたアタランタのエデルソンが柔らかいキックで左サイドに大きく展開。マッテオ・ルッジェーリがライン際からボックス左角に斜めのパスを差し込むと、ボールを受けたルックマンは、華麗なファーストタッチでDFの股下を抜いて突破。そのままゴールへと向かい、ボールを持ち替えて右足を振り抜く。しかし、GKの逆をついた一撃は惜しくもポストに当たってしまい、得点には至らなかった。

 一方のスポルティングも、62分に右サイドの浅い位置でフリーキックを獲得。ショートパスでのリスタートを選択すると、味方とのワンツーの形でトリンコンが同サイド深くでボールを受ける。左足から送られたインスイングのクロスは、ファーサイドにポジションを取るセバスティアン・コアテスの元へと向かい、打点の高いヘディングで合わせたものの、ボールは右ポストに弾かれた。

 86分には、スポルティングの最終ラインの背後に抜け出したエル・ビラル・トゥーレが、相手GKのブロックしたセカンドボールを豪快なオーバーヘッドで押し込むが、オフサイドの判定が下されてゴールは認められず。結局、試合はそのまま1-1で終了し、両者痛み分けとなった。セカンドレグは14日に行われ、アタランタがホームにスポルティングを迎える。

【スコア】
ポルティング 1-1 アタランタ

【得点者】
1-0 17分 パウリーニョ(スポルティング)
1-1 39分 ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ

アタランタ戦に先発した守田英正 [写真]=Getty Images