就任3年目の新庄監督にとっても大事なシーズンとなる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 いよいよ開幕まで1か月を切ったプロ野球

 2年連続最下位からの巻き返しをはかる日本ハムは、就任3年目をむかえる新庄剛志監督のもと、オープン戦を戦っている。

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 先の阪神との2連戦では、調整段階とはいえ連勝を飾り、日本一チームに土をつけた。個々の選手が確実にレベルアップしている様子も伝わってきている。

 チームはオフの積極補強も光った。今回は新たに加わった新加入選手4名を見ていきたい。まず注目はオリックスからFAで加入した山﨑福也だろう。オリックスの先発ローテーションの一角をになってきた左腕は、昨シーズン自身初となる二桁勝利を挙げたほか、キャリアハイとなる130投球回を達成した。昨季までエース右腕としてチームを支えてきた上沢直之ポスティングシステムを利用し、海を渡った。安定した力を発揮する左腕が求められている。

 すでに山﨑に関しては4月2日に行われる本拠地開幕となる楽天戦で登板することも指揮官が明言している。バッテリーは、オリックス時代にも組んだ伏見寅威と「さちとら」バッテリーの再現も期待されている。

 また山﨑と同じく、オリックスからの新加入となったのが黒木優太だ。こちらは吉田輝星との電撃交換トレードで、日本ハムへと移籍してきた。黒木といえば、最速156キロのストレートを中心に、多彩な変化球を投げることも知られる。ルーキーイヤーから55試合に登板、先発もリリーフもこなせる使い勝手の良さも重宝されそうだ。

 また投手陣では、巨人から戦力外を受けながら育成で入団した、鍵谷陽平もいる。鍵谷にとっては2013年から2019年途中まで6年半在籍した古巣へ、実に5年ぶりの復帰。入団が決まった際には歓喜の反応があがるなど、日本ハムファンにとってはなじみ深い存在といえるだろう。

 日本ハム時代の2017年にも60試合登板があるが、巨人でもタフネス右腕としてブルペンを支えた。今季で34歳となる経験豊富な右腕は、若手が多いチームの中ではリーダー役としても期待される。まずは早い段階で支配下を勝ち取れるか、注目の存在となりそうだ。

 また現役ドラフトソフトバンクから移籍してきた水谷瞬も長打力で存在感を示している。キャンプ序盤、2月4日に行われた紅白戦ではいきなり豪快な本塁打を放ち、指揮官を喜ばせた。3月2日に行われた阪神とのオープン戦を「4番・右翼」で先発出場したのも期待の現れといえるだろう。し烈な外野手争いを勝ち抜けるか。

 投打ともに充実の戦力を誇り、チームはここまでオープン戦は負けなしの3連勝(1分け)と好調をキープしている。あくまで開幕までの調整期間とはいえ、”勝ちぐせ”をつけるのはチームにとっても大事なこととなる。

 注目の新戦力がいかに機能し、快進撃に欠かせないピースとなれるか。新庄監督の腕の見せ所ともなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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