空港・手荷物受取所・ベルトコンベア

アメリカの空港で、サルのミイラが押収された。アメリカ国内への海外からの野生動物の肉の持ち込みは、全面的に禁じられている。

その理由について『NPR』や『CBS News』が報じている。

 

■荷物に紛れたサルの遺体

マサチューセッツボストンにあるCBP(アメリカ合衆国税関・国境警備局)のK9ユニットが、ローガン国際空港でミイラ化したサルが国内に持ち込まれるのを、水際で防いでいたと公表した。

1月8日、警察犬がパリから到着したデルタ航空便の搭乗客のバッグから、ミイラ化した複数のサルの遺体を発見。警備局がただちに押収した。

持ち主はコンゴを訪れ、フランス経由でアメリカに戻ってきた乗客で、税関には「荷物の中には干物しかない」と申告していた。しかしX線検査を行ったところ、荷物の中から4匹のサルのミイラが発見されたという。

 

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■野生動物は禁止品目

搭乗客が持ち込んだサルのミイラは約3.7キロと軽量で、警察犬が発見しなければ見過ごされていた可能性は高い。

しかしアメリカでは、サルやコウモリケインラット(ネズミの一種)、ウシ科のレイヨウなど、指定されている野生動物の肉の持ち込みは、干物も含め全面禁止されている。違反者には最大で25万ドル(約3,700万円)の罰金が科される。

CDC(アメリカ疾病管理センター)はデルタ航空に対し、サルのミイラを廃棄するかフランスに送り返すよう要請した。

 

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■病原菌を持ち込む危険性

ボストン港湾局のフリオ・カラビア局長は、サルのミイラなどブッシュミート(野生動物の肉)の持ち込み禁止の理由のひとつとして、「エボラウイルスを含む病気を引き起こす細菌を運ぶ可能性」を挙げ、CBPが適切な行動を取ったことを強調した。

アメリカ国内で、他国からの野生動物の肉の持ち込みは後を絶たない。2022年のワシントン・ダレス空港では、焦げたコウモリを押収。2019年にもシカゴ・オヘア国際空港で約14キロのネズミ肉を押収するなど、禁止品目を押収される事件が頻発している。

空港でサルのミイラ4体を押収 エボラウイルス感染のリスクから廃棄に