堀田は守護神候補としても注目を集めている(C)産経新聞社

 残り3週間と開幕までの時計の針が進む中、各チーム、構想が着々と固められてきている。

 V奪回を狙う巨人ではし烈な先発投手争い、外野手争いも話題を集める中、ひそかに注目を集めているのは阿部慎之助監督が進める危機管理策にもある。

【動画】巨人 堀田賢慎が2日の中信ブラザーズ戦、9回をピシャリと締めた場面

 昨年、新監督に就任の際から最重要ポイントとして挙げていたのは、守護神・大勢の復活、終盤の投手起用の安定だった。昨季は大勢がシーズン半ばからコンディション不良で離脱、ブルペン陣にも負担を強いたこともV逸の理由にあげられた。

 その大勢は今春のキャンプでも右ふくらはぎ痛を起こし、現在は故障班にいる。ブルペン投球なども行える段階にきているが、開幕までの道筋は不透明とあって、仮に間に合わなかった場合の代替守護神も首脳陣は視野に入れ始めた。

 キーマンが見えたのは、先週末に行われた台湾での試合の起用法にもあった。

 3月2日に行われた球団創設90周年親善試合・中信ブラザーズ戦で3点リードの9回に登板した堀田賢慎は、遊ゴロ、三振、四球、三振の内容。セーブシチュエーションがつく、”守護神テスト”の場で1回を無安打2奪三振無失点と完璧に封じ込め、適性を示した。

 堀田といえば19年ドラフト1位右腕。1年目の2020年4月にトミー・ジョン手術を受け、地道なリハビリに取り組んできた。

 現在はローテーションの柱として期待される山崎伊織も同手術を受け、1軍の舞台に戻ってきたが、ともに今季から2軍監督を務める桑田真澄氏が潜在能力の高さを認め、1軍コーチ時代から目をかけてきた「桑田チルドレン」として知られる。

 昨年はわずか3試合に登板とふがいない成績に終わったことで台湾ウインターリーグに志願参加。武者修行で磨きをかけた剛速球を武器に勝利の方程式の一角を担う存在となるか。

 さらにもう一人、注目の存在として評価が急上昇しているのは、6日に支配下登録されたばかりの京本真だ。

 21年の育成7位入団。元々潜在能力の高さは認められながら、入団当時は線の細さが目立ったが、2シーズンでしっかりトレーニングを積み、一回り大きくなった体が目をひく。

 キャンプは2軍スタートながら紅白戦で152キロをマークするなど存在感を示し、その後1軍に合流。189センチの長身から繰り出される角度のついた150キロ超の剛速球が注目される。ファーム時代から見守ってきた杉内俊哉1軍チーフ投手コーチも成長を認めており、3日に行われた楽天モンキーズ戦では9回に登板。四球を与えピンチを招く場面もあったが、無失点で収めた。ここまで実戦5試合で5回1安打無失点と、着実に結果を積み上げてきており、強心臓右腕もポスト大勢、守護神候補の1人として浮上している。

 当然、大勢が間に合うことを願いたいが、シーズンを乗り切る上でも様々な危機管理策を講じるのも大切なポイント。8日から再開するオープン戦の投手起用も注目となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

巨人危機管理策 陰の守護神争いで注目集める「桑田チルドレン」とは