7日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比12.53ポイント(0.41%)安の3027.40ポイントと続落した。
 投資家の慎重スタンスが継続する流れ。米国の対中圧力が不安視された。バイデン米政権はこのところ、自動車やバイオテクノロジー、半導体などの分野で中国に対する規制を強化しつつある。米上下両院の超党派グループが提出した特定の中国バイオテクノロジー企業が米連邦政府と契約を結ぶことを制限する「バイオセキュア法案」に関し、その手続きは進展していると伝わった。中国の王毅・政治局員兼外交部長は7日の記者会見で、「強権的な行為には断固として反対する」と米国を批判している。ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国経済対策の期待感が支えだ。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁は6日の記者会見で、「今後さらに預金準備率を引き下げる余地がある」と述べ、金融緩和を一段と進める可能性を示唆している。取引時間中に公表された今年1~2月の中国貿易統計に関しては、米ドル建ての輸出入が予想を上回ったものの、これを好感する買いは限定された。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、医薬の下げが目立つ。無錫薬明康徳新薬開発(603259/SH)がストップ(10.0%)安、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が4.6%安、人福医薬集団(600079/SH)と健康元薬業集団(600380/SH)がそろって3.4%安で引けた。
 ハイテク株も安い。液晶パネルメーカーの南京中電熊猫信息産業集団(600775/SH)が6.9%、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が4.6%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が4.5%、フィンテック大手の恒生電子(600570/SH)が3.6%ずつ下落した。消費関連株、不動産株、メディア・娯楽株、証券株、空運株、軍事関連株なども売られている。
 半面、素材株はしっかり。非鉄の洛陽モリブデン(603993/SH)が4.1%、レアアースの中国北方稀土(600111/SH)が3.7%、鉄鋼の宝山鋼鉄(600019/SH)が2.1%、化学品の万華化学集団(600309/SH)が1.4%ずつ上昇した。産金株、エネルギー株、公益株、銀行株の一角も買われている。
 一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.36ポイント(0.14%)高の264.20ポイント、深センB株指数が3.46ポイント(0.32%)安の1069.19ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)