映画『FLY!/フライ!』(3月15日公開)のジャパンプレミアイベントが3月7日TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、日本語吹替キャストの堺雅人、麻生久美子、ヒコロヒー、池村碧彩、羽佐間道夫関智一芹澤優と、主題歌を担当したマカロニえんぴつが舞台挨拶に登壇した。

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ミニオンズ」「SING/シング」シリーズを生みだしたアニメーションスタジオ、イルミネーションが贈る本作は、渡り鳥なのに旅したことがないカモの一家が初めての大冒険に出る物語を完全オリジナルストーリーで描く。家族思いだが少し神経質な父マックを堺、明るく頼れる母パムを麻生、ハト集団のリーダーのチャンプをヒコロヒー、元気いっぱいなグウェンを池村、トラブルメーカーだけど憎めないダンおじさんを羽佐間、人間のペットとして生活するオウムのデルロイを関、カモ一家が冒険に出るキッカケとなった渡り鳥家族の娘キムの声を芹澤が担当している。

堺は「家族を皆さんに紹介するような気持ちです」と微笑み、「飛ぶシーンに注目してほしいです!」とおすすめ。「本当に空中を移動しているような気持ちになれます」と自信たっぷりに語った堺はアフレコを通して「日本の声優さんの技術の高さを身にしみて感じ、とても勉強になりました。楽しかったです」とニッコリ。麻生も空のシーンはおすすめと話し、「飛び立つぞ!という時のカモの表情がすごくいいんです。一歩踏みだす勇気、決意が伝わってくるし、期待感があってワクワクします」とアピール。イルミネーション作品は家族みんなが大好きだそうで、「特に夫が喜んでくれました。絶対に出たほうがいいって。いい機会をいただけました」と作品への愛が伝わる笑顔で感謝した。

堺、麻生の印象について「優しく、たくさんお話ししてくれたのですぐに緊張がなくなりました」とコメントした池村に対し堺は「質問に対して、ちゃんと答えてなんて偉いんだろう!」と感心しきり。90歳になる羽佐間も「名演説だよ」と池村の大人顔負けの対応を大絶賛。会場からも大きな拍手を浴びた池村は、少し照れながらも笑顔を浮かべた。

本作は新たな一歩を踏みだす勇気が描かれる映画にちなみ、これまでの人生で一番大きなチャレンジを問われた堺は「チャレンジという認識はなかったのですが、結果的にこの仕事を選んだことが相当なチャレンジでした。生き残ってよかった!」と話し、笑いを誘う場面も。続けて「春ですからね、新しい生活を始める方もいらっしゃると思います」と切りだした堺は「環境の変化は思ったよりも身体にきます。自分の身体の声に耳を傾けるのが一番いいと思います。周りがこう言ってるから、常識だからということではなく、自分がやりたいことをやれば、のちのち後悔することもないんじゃないかなと、自分の人生を顧みながら思っています」とアドバイスとエールを送った。

短編の恋愛小説を出版したヒロコヒーは「普段からなにか新しいことに挑戦する時には、周りの反応に振り回されないようにしています」と明かし、同期や先輩、後輩からの「面白い」というコメントに対しても感想をもらえること自体に「ラッキー!」と思うくらいで受け止めているとも話した。長きに渡って声優として第一線で活躍する羽佐間と関には「ほかの仕事をやってみたいと思ったことがあるか」という質問が。

「いつも思っています」と即答した羽佐間が「1つの道をずっと歩くのは大変なこと。90歳になりましたが」と話し、会場のあちこちから驚きの声が。「すごくないですか!?」と先輩の回答を隣で聞いていた関は、いま極めたいことは「蕎麦打ち」と答え、その理由を「大晦日に両親へ年越しそばを作ってあげるんですが、我流なのでなかなかおいしい蕎麦ができなくて…」と打ち明ける。そして「せっかくなら一度、しっかり蕎麦打ちの修行をしたい。声優で食べていくのも大変なんで」とこぼす関に、芹澤が「関さんがそんなこと言わないで!」とツッコミが入る場面もあった。

イベントでは登壇者が事前に描いた“カモ”のイラストが披露されるコーナーも。麻生の描いたカモを見た羽佐間は「オークションをやろう!ルーブル美術館に持って行きたい」と大絶賛。ヒロコヒーも「売れますね、これは」とノリノリ。堺も「めちゃくちゃうまい!」と見入っていると「絵を描くのは苦手なんです」と恐縮する麻生だったが、「白い部分もちゃんと塗りつぶしている!」とその細かい仕事ぶりに絶賛の嵐だった。

取材・文/タナカシノブ

キャストのトークに笑いが止まらなかった堺雅人と麻生久美子