ペルーメディア『インフォバエ・ペルー』は5日、2020年〜2021年まで清水エスパルスに所属し、現在はペルー1部(リーガ1)のコメルシアンテス・ウニードスに所属するU-23ペルー代表DFノリエガ・エリックが、中学3年生でペルーから日本に渡った当時の葛藤や将来の夢などを語ったインタビューを掲載した。

 現在22歳のノリエガ・エリック愛知県に生まれ、6歳で両親の故郷であるペルーに生活の拠点を移すと、同国の名門アリアンサ・リマの下部組織でキャプテンとしてプレーしその年代でペルー王者にも輝いた。その後、中学3年生の時に家族で再来日して清水ユースに所属した。

 そんなノリエガ・エリックだが、家庭の事情で再来日し清水ユースに加入するまで、長い間、所属クラブが見つからなかったことを説明。同メディアに対し「母には何度も『ペルーに帰りたい』と言いました。そして、あるクラブのテストを受けに行き、(プレーできない期間が長く続き体重が増えたことなどが影響し)不合格になった時、母に向かって『ペルーに帰りたいよ。ペルーでは良いプレーができていたし、自分は、アリアンサではキャプテンだったんだ。次にテストを受けてうまくいかなかったら、ペルーに帰る』と伝えました。母はとても当惑していました。なぜなら、ペルーに残したものはもう何もなかったからです。けれど母は『わかった。そうしよう』と言ってくれたんです。そして、幸運なことに、その後(清水ユースに加入でき)物事がうまく運びだしました」と清水ユースに加入する前に難しい時期を過ごしていたと告白した。


 その後、ノリエガ・エリックは2020年に清水のトップチームに加入したが、出場機会に恵まれず、2021年末に清水を退団した。日本ではペルー人ということで不当な扱いを受けたかと問われると、同選手は「日本では皆さんに助けてもらいました。日本に関して悪く思うことはありません」と否定し、更に日本に対する感謝を表現した。

 そして、ノリエガ・エリックは清水退団後、無所属の期間を経て、2022年夏に当時ドイツ4部のシュトラーレンに加入。2023年にペルー2部のウニベルシダ・サン・マルティン・デ・ポレスに活躍の場を移すと、2024年からは同国1部を戦うコメルシアンテス・ウニードスに「個人昇格」。さらに、U-23ペルー代表メンバーとしてパリ五輪南米予選で全試合スタメン出場を果たし、ペルーのフル代表への招集も期待されている。

 そんなノリエガ・エリックペルー代表への想いを問われると、「自分の夢はペルー代表のためにプレーすることです。U-23ペルー代表に召集されたという知らせを受けた時、両親と号泣しました」と語り、「ペルー代表のユニフォームを着て、ペルー国立競技場ピッチに立つことは、自分にとっては鳥肌が立つほど特別なことです」と表現しながら、ペルーのフル代表でプレーすることが自分の夢であると強調した。

2020年〜2021年まで清水エスパルスに所属したノリエガ・エリック(写真は2021年清水所属時のもの)[写真]=Getty images