玉城ティナ飯豊まりえがダブル主演を務めるHuluオリジナル「君と世界が終わる日に」Season5が、Huluで独占配信中。ゴーレムと呼ばれるゾンビが蔓延る“終末世界”を舞台に、竹内涼真演じる主人公・間宮響が、生き残りを懸けた闘いに身を投じる、極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」のSeason5では、Season4の先に待ち受ける“もう一つの道”を響が主人公となる劇場版と同時間軸で展開。明日葉(玉城)と佳奈恵(飯豊)が主人公となり、「君と世界が終わる日に」終結までの物語を描いていく。今回は「君と世界が終わる日に」Season5のキャストへリレーインタビューを実施。第二回はSeason4に引き続き、Season5でも、明日葉を守る新山財団の幹部・加州宗一役として出演する溝端淳平に本作への想いや見どころを語ってもらった

【写真】爽やかイケメン…にこやかな笑顔を見せる溝端淳平

■溝端が組み立てていた“加州”

――Season5の出演が決まった時やSeason5が始まったと実感した時の率直な気持ちをお聞かせください。

ずっとこの物語を引っ張ってきた竹内涼真くんがいないということがすごく不思議な感覚でした。竹内くんがSeason5から出演しないということは、Season4の撮影前から知ってはいたので、「どうなるんだろう」という漠然とした思いは抱えていました。

ですが、撮影をしているうちにその思いはだんだん薄れていきました。メインキャストの玉城さん、飯豊さん、前田公輝くんとは、Season4の時から過酷な環境下で、一緒に撮影を乗り越えた仲間としての絆もしっかりとありましたし、Season5の撮影も不安なことなく、スムーズに役や世界観へ入り込むことができました。

不安を抱えていたのがうそのように、Season5の撮影が始まることが楽しみでした。みんなに早く会いたいなと(笑)。

――Season4からSeason5では、撮影期間が空いていたのでしょうか?

Season4とSeason5の間で、劇場版(1月26日公開の『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』)を撮影していたんです。Season4の撮影が終わってから、Season5の撮影が始まるまでは1~2ケ月弱の期間が空いていました。

――期間は空いていたものの、「きみセカ」に関わっていたことで、Season5の撮影でも、スムーズに加州を演じられたのですね。

僕の考えなのですが、Season4とSeason5の出演が決まったタイミングが一緒だったことで、この2シーズンを通して自分の役を完結させるというふうに考えていました。

加州というキャラクターにとっての起承転結の「起承」はSeason4、「転結」はSeason5と加州という人物を組み立てながらお芝居をしたので、そういう意味では加州の後半戦である「転結」ではどういうふうに回収していくのかがポイントになってくると思っていました。

また、Season5の撮影に入る前に、打ち合わせや読み合わせを行ったのですが、監督をはじめとするスタッフの方とすり合わせて、これまで語られることがなかった加州の過去や、加州がどういう思いで過ごしているのかなど、気になることがあればその都度、自分で積極的に話しをしていました。

■溝端が演じる加州を分析「“危うさ”をどう演じるか」

――溝端さん自身は、加州はどのようなキャラクターだと考えているのでしょうか?

一言で表すならば、明日葉に依存している人物。明日葉という目標や道しるべがないと、自分は何もできないし、明日葉のためならば全人類を敵に回してもいいと思っている。明日葉がいなくなったら、善悪の区別もつかなくなってしまうほど危うい人間です。

――そんな加州を演じる上で心掛けたことや工夫したことはありますか?

性格上、あまり口数の多い役ではなかったので、ちょっとした表情や数少ないせりふで感情の機微などを見せなければならないので、そこは工夫したかもしれません。また、醸し出す空気感のようなものは大事にしていました。完璧な人間には見えないように、僕自身の思う加州の魅力である“危うさ”を出したいと思っていたところもありました。

Season4で響を異常に殴るところや囚人に対して容赦がないところなど、加州のグレーな部分を台本以上に意識して演じていました。「明日葉のためなら人を殴ってもでも守ります、でもみんなにも優しいです」という完璧な人にはしたくないと思っていた部分が視聴者の方にも伝わっていたようで、「グレーな人間」という感想をもらえてうれしかったです。

――演じて苦労したことや大変だったことは?

アクションが大変で、衣装のコートは格好いいですが、画面で見る以上に重たいんです。それに加えて、Season4では、3~4kgのボーガンを持ってアクションをしていたので、本当に大変でしたね。今回も拷問にかけられて、椅子に縛られるシーンなどがあります。アクションシーンは頑張っているので、注目して見てもらえると喜びます(笑)。

――共演者とのお話をお伺いできればと思うのですが、加州が慕う明日葉を演じた玉城ティナさんはどういった人物ですか?

どんな過酷な撮影でも、弱音を吐かない方でした。とても我慢強く、現場の誰よりも凛としていました。

■過酷な撮影環境や意見交換、大きな学びがあった「きみセカ」の現場

――さまざまな作品に参加されている溝端さんでも「きみセカ」の現場は過酷だったんですね。

印象に残っているのは、真冬の現場でスタッフさんが甘酒をつくってくれて、待ち時間にキャストやスタッフみんなで集まって寒さをしのいだことです。そういった撮影現場だからこそ、仲よくなれた気がしています。みんなで励まし合って、撮影できたことはいい思い出になりました。

――「君と世界が終わる日に」の作品を通して学んだことがあれば教えてください。

この現場では、若いキャストやスタッフが多かったんです。Season5では僕よりも年下の監督もいましたし、プロデューサーもほぼ同年代で、そういう環境でお仕事をするということは今まであまり体験したことがありませんでした。

同世代だからこそ、見てきた作品などが一緒で、意見交換もしやすく、じっくりと向き合って作品を作ることができたことは大きな学びであり、僕の中でとても貴重な経験でした。

溝端淳平の「生きている」と感じる瞬間とは?

――同ドラマは、「生きる」をテーマにした作品かと思いますが、溝端さんにとって「生きている」と感じることやモチベーションは?

生きていると感じるのは…『お仕事をしている時』です。結構連日ハードな仕事が続いてしんどい時や舞台をやっている時は、極限の中で緊張感に追い込まれている瞬間に、「生きている」と感じます。ゆっくりと安心感を持って暮らしている時って僕生きている感じがしないんです。追い込まれてじりじり感じるものに出会った時に、「緊張して吐きそう。でも俺、生きてるな」と思うんです。

――その状態だと、心も体も休まらないのではないですか?

僕の場合は度を超えていますけど、ある程度の緊張感って必要だと思うんです。ストレスや緊張感がないと、人間、生きていると感じないものだと思っています。本番10分、5分前までは、楽屋でわちゃわちゃやっていたのに、いざ外に出ると緊張感に包まれて、心臓がバクバクになる。毎回そんな体験ができる仕事ってなかなかないと思うんです。だからこそ、そういった経験や体験ができる役者の仕事が、僕にとっての生きがいです。

――同ドラマの登場人物のように溝端さんが戦っているものやサバイバルしていることを教えてください。

ゴルフです!手にまめができるくらい練習しています。始めたばかりなので仕方ないのですが、つい最近、先輩方に惨敗したんです。それが本当に悔しくて悔しくて(笑)。今は、楽しみ半分、悔しさ半分を胸に抱きながら、ゴルフをやっています。

――ストイックな一面に驚きました。

ストイックなんですかね?(笑)。気楽に旅行して楽しく買い物をすることだけでは楽しめなくなっているんですよね。旅行に行っても目標がなければ、何をしていいか分からなくなってしまう。ちょっとスリリングなことに挑戦できないと、行く意味がないなと思ってしまうタイプで、やっぱりちょっと変わっているのかもしれません(笑)。

――なんだか勝負師と似た雰囲気を感じます(笑)。

それに近いものはあるかもしれません(笑)。負けることがとにかく嫌いなので、常に何かと戦っている自分がいます。

溝端淳平/※WEBザテレビジョン撮影