人気漫画「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」などで知られる漫画家・鳥山明さんが亡くなったことを受け、鳥山さんの長年の友人でもある、漫画家・桂正和氏(「ウイングマン」「電影少女」など)が、ジャンプ公式サイトに追悼コメントを寄せている。

コメントの全文は次の通り。

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力がぬけて気力が出ません。
こんな事のコメントはしたくないですね。
けど、何か書きます。書き出したら、言いたい事だらけなんで、めちゃくちゃ長文になりそうだけど、できるだけ、コンパクトにまとめます。
ただ、気持ちがまとまらないので、乱文お許しを。

思い返しても。大袈裟でなく、お宅に遊びに行った時、うちに泊まりに来てもらった時、遊びに出掛けた時、全部が楽しい思い出しかなくて、電話をする度に、疲れるほど笑ってました。
面白い人だった。
すけべで、可愛くて、毒舌で、謙虚で。

本職の漫画では、合作とかもしたけど、あれも楽しかった。
でも、99%漫画の話をした事はない付き合いでしたね。
漫画家として、見てる風景、作家のレベルも違いすぎて、偉大さを意識した事が無かったです。わかってはいます。
けど、本人と接する時は微塵もそれは感じなかった。人柄ですね。だから偉大な漫画家というより、今も友人としてとしか考えられない。

去年の夏、私が手術をする前に、どこかで聞いたらしく、メールくれました。
本当ーーに、メールなんて珍しく、心配そうに私の体を気遣う内容。
40年来の付き合いだけど、鳥山さんから、あんなに優しくされたのは初めてだったかも。雪が降るかと思いましたよ。いつもは冗談か、くだらない話しかしないっすからね。
なんすか、人の心配してる場合じゃないじゃん、全く。
そのちょっと前だったか電話した時、その頃、色々具合が悪かった私は「多分先に逝くんで、お別れ会とかやってくださいね、鳥山さん仕切りで!あと、箔がつくからスピーチして下さいね!」と約束したのに、守ってもらえなかった。

メールをくれた後、なんで電話しなかったのか、それが、すごく後悔です。
もうくだらない話で長電話ができない事が、残念でしかたないです。
話したい事が沢山溜まってます。いろんな話があるんです。興味のない話は、いつものように、うわの空に聞いてもらってもいいんで、もう一度話したいです。
私の、また連絡くださいとのメールの返事に、軽くOKって書いてあったのが最後なんて、ダメです。心底辛いです。