イオンプライベートブランド(PB)「トップバリュ」が今年で50周年を迎える。その間成長を続け、23年度の売上高は1兆円が見込まれるという。24年度は50周年を機に「もっとワクワクする“次世代のプライベートブランド”」をテーマに掲げ、「トップバリュがあるからイオンへ行く」ような商品作りを進めるという。2月28日イオンモール幕張新都心(千葉市美浜区)で「イオンプライベートブランド50周年 2024年度戦略・新商品説明会」を開いた。

トップバリュ50周年イメージ
トップバリュ50周年イメージ

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〈NBにはできない価値を作る、価格ははベストプライスを進化、インフレ下でメーカーを困らせることなく、どう工夫して価格を下げていくか〉

24年度のトップバリュの方針について、土谷美津子イオン執行役副社長商品担当兼イオントップバリュ社長が説明した。次の50年に向け「もっとワクワクする“次世代のプライベートブランド”」というスローガンのもと、トップバリュ50周年への感謝を掲げるとともに、消費者がもっと「ワクワクする」商品の創造を行い、価値提供と価格戦略に引き続き取り組むという。土屋社長は「NBにはできない価値を作っていくことに挑戦するとともに、価格についてはベストプライスを進化させ、インフレ下でメーカー様を困らせることなく、どう工夫して価格を下げていくかに取り組む」と話した。

土谷美津子イオン執行役副社長商品担当兼イオントップバリュ社長
土谷美津子イオン執行役副社長商品担当兼イオントップバリュ社長

具体的な取組みとして、2025年までに食品廃棄物を2015年比で半減させるという同社グループ目標への取組みの一環として、食品廃棄物/ロス削減に向けた商品開発の取組みを強化。対象商品に「もったいないをおいしく!」というマークを付けて提案していく。

〈M・Z世代に特化した商品開発、新シリーズ投入で客数増〉

また、トレンドの発信源として消費行動に影響を与えるM・Z世代に特化した商品開発を強化していく(※ミレニアル世代=1981~1996年ごろ生まれ、Z世代1996年~2010年ごろ生まれとされる)。昨年、ナッツ・ドライフルーツチルドレディミール、ソフトドリンクの各カテゴリーで新シリーズを投入したことで、対象カテゴリーにおいてM・Z世代の客数が増加したという。土屋社長は「若い世代を私達が取りこぼしていたというよりも当てにされる、求められる商品を置いていなかったと非常に反省している」と話し、ターゲットとなるM・Z世代へのインタビューなどにも積極的に取り組んで商品開発に活かし、これまでのトップバリュになかったような商品展開にチャレンジしていくという。

M・Z世代に向けた具体的な商品として、今年1月から展開しているワンプレートの冷凍食品「ガッツリ飯×ガッツリ飯」シリーズは冷凍食品で手軽にボリューム感のあるメニューを食べたいという要望に応えたもので、「バターチキンカレー&牛丼」「中華丼&麻婆丼」など、人気の炭水化物メニューを一度に楽しめる。2月21日に新商品3品を追加し、計6品で展開となった。

3月19日発売の「トキメクおやつ部」シリーズは、Z世代を意識した味や見た目、ネーミングを採用した全37品の菓子シリーズ。ムードや栄養補給、ギルトフリーなどをテーマにグミやチョコようかん、野菜チップスなど多彩なカテゴリーで商品投入する。

ほか、ノンアルコール飲料「クラフテル」からは新シリーズとしてシーンで選ぶシチュエーションドリンク「BAR-ish(バーリッシュ)」8品を3月26日に発売。チルドレディミール「元気をチャージ 粥」シリーズ5品も3月6日に発売した。

イオントップバリュ M・Z世代に向けた商品開発を強化(写真は冷凍食品「ガッツリ飯×ガッツリ飯」シリーズ)