『映画 マイホームヒーロー』の初日舞台挨拶が3月8日丸の内ピカデリーで開催され、佐々木蔵之介齋藤飛鳥、高橋恭平(なにわ男子)、宮世琉弥、津田健次郎、木村多江、青山貴洋監督が登壇した。

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累計発行部数370万部を突破する同名コミックを連続ドラマに続いて映画化した本作。連続ドラマでは、どこにでもいる普通の父親、鳥栖哲雄が娘のDV彼氏を殺してしまう衝撃の場面から始まり、殺した彼氏が所属する半グレ組織から狙われる命懸けの騙し合いが展開。劇場版ではその7年後を舞台に、哲雄の壮絶な戦いの“完結編”が描かれる。

この日の東京は未明から一時的に雪となり、佐々木は「初日、雪です」とにっこり。「完成披露試写会も大雪が降っていました。雪男か雪女がいるんじゃないか」とお茶目に周囲を見渡しながら、「これもいいなと思っています。1年ほど前に撮影をしていましたが、皆さんの笑顔と拍手で報われたなと思いました」と晴れやかな笑顔を見せた。青山監督は「哲雄さんが、最後にどういう形で終わるのかを意識して作った。原作はまだ完結していないので、原作のラストはどうなるのかという楽しみもあると思います。これからも『マイホームヒーロー』を楽しんでください」と呼びかけていた。

ドラマから映画まで哲雄を演じきった佐々木は、「鳥栖哲雄は殺人犯なんですが、ヒーロー。やっていることは狂気の沙汰なんですが、底なしの深い家族愛を持っている」とキャラクターの魅力を分析。「ホラーなんだけれど一周回ってコメディに見えるみたいな、そういったギャップがめちゃくちゃおもしろい役柄だった。鳥栖哲雄をおもちゃのように、大切に遊んでいました」と哲雄がおもちゃ会社で働いていることにかけて、すばらしい役柄に出会えたと喜びを噛み締めていた。

哲雄の娘、零花を演じた齋藤は「ドラマの時に零花ちゃんは、半グレとお付き合いをしたりして。なんでそんなことをしちゃうのかなという女の子だった」と切りだし、「7年後にはすごくたくましくなって、変わらずに家族を大切にしていた。人間的に未熟なところはあっても、一貫して愛を大事にしている零花ちゃんの姿が、私にはかっこよく映った。零花ちゃんみたいになりたいなと思いながら演じていた節もある。すごく大切な役、大切な作品になりました」と心を込めた。また半グレの恭一を演じた高橋は「この作品がめちゃめちゃ大好きで、想いを込めてやらせていただいた。家族愛やいろいろな形の愛を感じられる」としみじみ。哲雄の妻、歌仙役の木村は、これまで「もっとも悩んだ役でもあり、大好きな役にもなった。作品が終わっても、長くずっと考えている。大好きな作品になりました」と語っていた。

この日は、劇中で哲雄が大ピンチの連続を迎えることにちなんで、キャスト陣が自分にとっての「あの時大ピンチだったなと思うエピソード」を明かすことになった。佐々木は「受験会場を間違えた」とフリップを掲げて、大学受験の時に違う会場に行ってしまったと、光景が浮かんでくるような話ぶりで明かしたが、結局「1年ダメにした。もう間に合わないと…思ったところで目が覚めた。1週間前に見た夢。この歳になって大学受験の夢!」というオチで、これには津田が「夢かい!」と突っ込んで会場も大爆笑。齋藤は「インスタグラムを始めた時」だそうで、「ストーリーズが、何回やっても同じ投稿が3回、4回と投稿されてしまって。恥ずかしかった」とはにかんだ。

高橋は「子どものころ、ブランコ一周大ピンチ」とのこと。どこまで高くいけるかという好奇心でブランコを漕ぎまくり、「上まで行ったんですよ。そうしたらチェーンが緩んで下に落ちて、大ピンチ。ガチ大ピンチです」と落下してしまったという。怪我はなかったというが「大泣きです。家の前の公園で一人でやっていたので。お母さんが来てくれて、おんぶで家に帰りました。小さなころはそんなことばかりやっていました。木によじ登ったり」と続けると、佐々木が「高いところ、苦手やん」と呆れ、高橋は「苦手なんですよ。でも子どものころは好奇心が勝ってしまって。本当にバカでした」とやんちゃな少年時代を振り返っていた。

また本作の注目ポイントに話が及ぶと、高橋が「(恭一は)ドラマでは黒髪だったんですが、映画で金髪だった。わかってくれた人はどれだけいますか?よかった!全員わかってくれました。みんな観てくれている!」とユーモアいっぱいに喜び、隣にいた宮世が「僕はいま金髪ですが、映画では黒髪でした。わかってくれた人はどれだけいますか?」と乗っかるなど、息ぴったりのトークを繰り広げるひと幕も。最後には「大切な人と観ていただけたら」と願った佐々木が、「皆さんは僕たちのヒーロー」と観客に感謝を示して大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

佐々木蔵之介、齋藤飛鳥、高橋恭平らがピンチを告白!