ゲームの中の「アイテムの整理整頓」ってあるじゃないですか。

たとえばマインクラフトで素材を使いやすいようにチェストごとに収納してまとめたり、バイオハザード4でなんとか武器、弾薬、スプレーなどをアタッシュケースにきっちり収めるために試行錯誤したり。

あの作業って、わりとパズル的でおもしろかったりするんですよね。素材の種類ごとにエリアを分けてチェストを配置したり、銃とそれに合う銃弾を使いやすいように近くに置いたりと、自分なりのルールで整理整頓する作業が楽しい。

そんな整理整頓の作業が好きな方にも、そうでもない方にも今回オススメしたいゲーム。それが整理整頓オートバトラー『バックパック・バトル』です。

本作は「カバンの整理整頓作業」がいわば「デッキ構築」となっているゲーム。プレイヤーは「アイテムを一杯に詰め込んだカバン」をデッキ代わりにして殴り合うという、新感覚のオートバトラーです。

本作はSteamでデモ版を配信中の段階からすでに人気となっており、同時接続者は最大1万5000人以上を記録するなど、発売前からすでに話題となっています。
なぜならば、デモ版の段階ですでにランクマッチを実装、さらにはバランス調整や新規アイテム追加など、開発が精力的にアップデートを毎週実施。リリース前から「これ無料でプレイできていいのか……?」と思える完成度です。

そんな『バックパック・バトル』が、3月8日に早期アクセス版としてリリースされます。新クラスとしてバーサーカー」「パイロマンサー」が実装、クラス専用アイテムも多数追加。

本稿では、すでに評価は折り紙付きの本作をあらためて紹介していきます。一足先にプレイできた新クラスの情報もお届けしているので、ぜひそちらもチェックしてください。

文/Grezzz

※この記事は『バックパック・バトル』の魅力をもっと知ってもらいたいIndieArkさんと松竹さん、電ファミ編集部のタイアップ企画です。

『バックパック・バトル』Steamストアページはこちら『バックパック・バトル』公式X(旧Twitter)アカウントはこちら

ルールは簡単です、アイテムを詰めて自動戦闘へ出発するだけ

本作は、「バックパック(カバン)の整理」「自動戦闘」が合わさった、新感覚の対戦ゲームです。同じくバックパックの整理を特徴としたローグライクRPG『Backpack Hero』をプレイした方ならピンとくるかもしれません。

『バックパック・バトル』レビュー・評価・感想:沼度が高すぎるオートバトラー_001

ゲームはショップ画面から始まります。プレイヤーはここで好きなアイテムを購入し、バックパックに収納。武器や防具、体力やスタミナなどを回復する食べ物など、様々なアイテムをバックパックに詰め込み、戦いに臨むこととなります。

ちなみに、カバンそのものもショップで販売しており、購入することでどんどんバックパックが大きくなっていく仕組みです。

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フライパンはちょっと変わったL字型になっていたり、アイテムによっては複雑な形を持つものも。ここで注目してほしいのが、本作のアイテムやバックパックにはタイル状の「サイズ」が設定されていることです。当然、バックパックの枠内に収まるようにアイテムを配置する必要があります。

早速ですが結論を言います。

本作ではこの「配置」がすべてです。

カードゲームに例えると「デッキ構築」にあたるこの作業が一番のキモで、戦いの勝敗の9割はここで決まるといっても過言ではないでしょう。

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なぜそうなるのかは後で説明するとして、整理整頓が終わったらいざ対戦です。戦闘が始まると、バックパックに収納したアイテムはすべて自動で使用され、プレイヤーの操作は一切必要なし。早送り機能もあり、サクサク快適にプレイすることができます。

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なお、10勝したあとは生き残りをかけたサバイバルモードにも参加が可能です。

さて、無事に見事勝利しました。画像を見ての通り、このゲームは「10勝するか」または「5敗するまで」対戦を続けることができます。対戦が終わればまたショップ画面へ。新たに得たゴールドを手に、品揃えが一新されたショップでアイテムを購入。それをバックパックに詰めて次のラウンドへ……というのがこのゲームの流れとなります。どうですか、簡単でしょう?

多彩なアイテムと配置によるシナジーが生み出す無限のビルドで思考の沼にハマる

すみません、嘘です。

このゲーム、全然簡単じゃありません。例としてこちらの画像をご覧ください。先ほどの私のバックパックです。

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要は「隣に食べ物があるほど強くなる」と書いてあります。

こちらは序盤にショップでよく見る武器「フライパン」です。このアイテムは「フライパンの周囲に「食べ物」がひとつあるごとにダメージが1増えていきます。このゲーム、こうした配置によるシナジーがとてつもなく多い。

なんなら食べ物自体も、隣に食べ物があれば使用速度が上がっていく仕組みです。つまりこの場合は「できるだけフライパンに食べ物を隣接させつつ、食べ物同士も隣接させる」ことが最良の配置ということになります。

この配置を考えるのが本作の醍醐味であり、大いに悩むポイントです。「いや全然簡単でしょ」と思うかもしれませんが、こうしたシンプルな収納になるのは序盤だけです。

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ラウンド後半のバックパックの中身はもはやカオスな状況に。

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こうした特殊効果のあるカバンもあるため、「カバン自体の配置」も考える必要があります。

バックパックを買い足して拡張、さらにアイテムを詰め込んでいくというサイクルをくり返すうち、どんどん配置が複雑化、最適解を導き出す難易度も上がっていきます。「何をメイン武器にするべきか」、「最大のボーナスを得るためにはどうするのか」、「武器を振るためのスタミナは足りるか」などなど考えることは山積み。そのうえ、特定のアイテム同士を「合成」する要素までありますもう無理。

ただ、こうした思考の時間が苦しくも楽しい。幸いにもこのゲーム、ショップでの時間制限は一切ないので、自分が満足するまでいくらでも整理整頓が可能です。ランダムなショップのアイテム、ゴールドは限られているという状況の中、自分なりに導き出した答えが「対戦」という答え合わせを経てバッチリハマる瞬間はたまりません。

待ち時間一切なし。超快適なマッチング

本作の特筆すべき点として、対戦のマッチングが快適ということが挙げられます。「今プレイしてる誰か」ではなく、「サーバーに保存された同じランク・ラウンド数の誰かのキャラ」と戦う非同期対戦となっており、マッチングの待ち時間はゼロ。対戦自体が早送りできることもあり、ゲーム中に「待ち」のストレスを感じることは全くありません。

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タイトル画面からいつでも再開できます。スキマ時間に数ラウンド、というプレイも可能

また、ショップ画面からいつでも中断が可能となっており、「盤面が複雑になりすぎたので続きは明日考えよう」なんてこともできます。

一切時間に追われることなく思う存分長考し、完全に自身のペースに合わせてプレイできるゲーム。筆者はオートバトラー系のゲームだと、長考しすぎからの購入ミス、配置ミスなどをやらかしまくっているので、こういう仕様は嬉しいですね。

クラスごとのユニークな特性に、さらに追加される新要素。もはや底が見えない

本作のプレイヤーキャラクターには、複数の「クラス」が用意されています。初期装備や所持しているカバンの性能、出現するアイテムや道中で購入できるクラス専用アイテムなどが異なり、これがクラスの個性となっています。

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リーパーのクラス専用アイテム。専用アイテムは複数の種類から選択する。

デモ版では「レンジャー」と「リーパー」の2つのみでしたが、製品版では新たに「バーサーカー」、「パイロマンサー」が追加。それにくわえて、クラス専用アイテムが全14個追加されるとのことです。既存の2クラスにも新アイテムが追加されるため、デモ版のプレイヤーも新たなビルドを楽しめそうです。

新クラス「バーサーカー」、「パイロマンサー」のユニークな能力

最後に、新クラスの「バーサーカー」、「パイロマンサー」について簡単に紹介しておきましょう。

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体力が減ると一定時間強くなる、というのが特徴。

バーサーカー」の初期カバンの効果は、体力が半分以下になると、中のアイテム使用速度が上昇するというもの。

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元々あったアイテムにバーサーカー専用の強化レシピが追加されています

また、初期装備のハンマーとアイテムを合成することで様々な強化アイテムを作成することが可能です。このハンマーは合成しても無くならないので、アイテムを鍛冶屋のように「打ち直す」イメージですね。

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燃えてるアイテムをたくさん入れるとHPが増えます、という感じ

パイロマンサー」の初期カバンは、他のクラスと違って9スロットというちょっと大きめのサイズ。その分、普通の4スロットのカバンは1個減っています。中の「火炎」アイテム1つにつき最大HPが5増加する能力のほか、ショップに入るたびに1ゴールドを消費してFlameという新アイテムを生成します。

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HPが0になると手持ちの「ヒート」をHPに変換して復活する「Phoenix」。

この「Flame」はアイテム使用速度が上がるバフ「ヒート」を生み出すほか、様々なアイテムの合成にも使用します。クラス専用アイテムにも「ヒート」に関わるアイテムが多数用意されており、中には「死亡時に復活する」というド派手な効果のアイテムも確認できました。

プレイするたびに新たなパズルを解くかのようなデッキ構築が楽しくて止まらない

限られたバックパックのスペース、ランダムなアイテム、パズル性のあるデッキ(バックパック)構築、お手軽なオートバトル、適度な運要素……。本作はこれらの要素のバランスが絶妙です。

毎回のプレイが異なる条件でとにかく頭を悩ませますが、多数のアイテムのシナジーを最大限に発揮できる配置を発見したときには、まるでパズルを1つ解いたかのような快感があります。しかもそれがちゃんと対戦での強さに直結するというゲーム性は、唯一無二といえるでしょう。

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対戦相手のバックパックを見て、新たな整理整頓術を学ぶことも

長々と色々説明してきましたが、本作には無料のデモ版もあるので、まずはとにかくプレイしてみるのをオススメします。最初は難しく考えず、アイテムを買えるだけ買って、可能な限り詰め込みましょう。そんな「ズボラ整頓術」でも序盤は結構通用します。

ビルドの方向性やアイテムの相性、合成のレシピなどは、プレイしてるうちに自然と覚えていくので大丈夫。「いきなりランクマッチはちょっと……」という人には、ランクの変動がないカジュアルマッチも用意されているのでご安心を。

『バックパック・バトル』は3月8日より早期アクセス版リリースとなります。また、公式からはすでに早期アクセス中のロードマップが公開されており、それによると今後はリアルタイムでフレンドと遊べるロビー機能、ランキングシステムの導入を予定しているとのこと。

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『バックパックバトル』早期アクセス版ロードマップ

そして正式版のリリース時には、5つ目の新キャラクターの登場も予告されています。これら追加要素にも期待しつつ、シンプルなルールなのに奥深い、整理整頓(デッキ構築)をぜひ楽しんでみてください。

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