第47回日本アカデミー賞の授賞式が3月8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、「PERFECT DAYS」の役所広司が最優秀主演男優賞に輝いた。

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役所が最優秀主演男優賞を受賞するのは、「Shall We ダンス?」(第20回)、「うなぎ」(第21回)、「孤狼の血」(第42回)に続き通算4度目。他の追随を許さない、圧倒的な強さを見せつけた。

役所は「うれしいです、本当にすごくうれしいです」と感激した様子。プレゼンターは、昨年の同賞受賞者で、テレビドラマでの共演経験もある妻夫木聡が務めており、「妻夫木くんから、こんなすばらしい賞をもらって、うれしいです」と喜びを新たにしていた。

「パリ、テキサス」「ベルリン天使の詩」などで知られるドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が過ごす日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。役所はトイレの清掃員として働く平山を演じ、淡々とした毎日に、常に新鮮な小さな喜びを見出す姿を好演した。

演じるにあたっては、清掃の手順を完ぺきにマスターし、平山そのものとしてカメラの前に存在し、豊かな内面や人となりも体現。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。

国内外で評価され、興行的にも成功を収める本作の動向に「日本でも世界でも、お客さんがいま『PERFECT DAYS』を見に来て、楽しんでくれている。とても感謝したいと思います。いやあ、本当にいいもんですね」と胸を張り、「これでやっと、ゴジラの牙を抜いた感じがします」と会心の笑みを浮かべた。

なお、優秀主演男優賞は阿部サダヲ(「シャイロックの子供たち」)、神木隆之介(「ゴジラ-1.0」)、水上恒司(「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」)、鈴木亮平(「エゴイスト」)が受賞した。

最優秀主演男優賞を受賞した役所広司 (C)日本アカデミー賞協会