2024年3月1日金曜日の夜、Instagram音楽メディア・PLAYLISTが贈る新世代イベント『PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.7”』が豊洲PITにて開催された。

このイベントは、なにげない日常に寄り添ったプレイリストを提案するInstagram音楽メディア「PLAYLIST」が企画し、SNSが発達した今こそライブハウスで生の音楽を楽しんでほしいという思いで実現したもの。過去最大キャパでの開催となるvol.7では、Lucky Kilimanjaro、PEOPLE 1、Tele、O.A COCOと、楽曲を聴いていると自然に体が揺れ踊りたくなるようなアーティスト4組が揃った。

今回のO.Aは、作詞&作曲&編曲を自身で行い、ロック・テクノ・ポップスなどジャンルの枠を飛び越えた自由なサウンドを歌うユニット“COCO”。時代の変化に対する等身大の感情、未来への希望をポップに歌う「みらいちゃん」、世界各国の言葉を混ぜ合わせた中毒性の高い最新曲「こにゃにゃちは WORLD」のわずか2曲ではあるものの、思わず体が動くハッピーダンスチューンで、観客もCOCOの世界に釘付け。MCではステージ裏でのLucky Kilimanjaroとの交流について話すなどお茶目な一面も。可愛さとかっこよさ、COCOにしかできない楽しいステージで会場をあたためる姿に、ネクストバズへの期待が感じられた。

COCO

メインアクトのトップバッターを飾るのは、誰もが口ずさみたくなるメロディラインとダンスミュージックの融合でリスナーからの注目を集めている“Lucky Kilimanjaro”。「色々な人生があります、自由に踊れますか? 豊洲PIT!」Vo熊木幸丸がそう呼びかけ、1曲目「ひとりの夜を抜け」から一気に盛り上がる。

その盛り上がりを保ったまま、昨年TikTokでダンス動画が流行するなど話題となった「Burning Friday Night」へ。Synthesizer大瀧真央が「豊洲PIT、踊れてる?」と可愛く呼びかけると会場は歓声に包まれる。サビでは大合唱が起き、Gt松崎浩二のソロも輝きを放ち、会場の一体感が高まっていく。

Lucky Kilimanjaro

勢いそのままに、3曲目「エモめの夏」へ。「春飛び越えて、皆さんの熱気で豊洲PIT夏にできますか?」と熊木が呼びかければ約2,500人が一気にジャンプ。3曲目とは思えない、まるで夏フェスに来たかと錯覚するほどの熱気で会場を包んだ。

夕日のような真っ赤なライトに包まれ、「Hey, catch me」のおなじみのフレーズが流れて4曲目は「KIDS」。「もう子供じゃいられないけど 取り戻せ少年を 取り戻す衝動を」この歌詞の通り、日常から飛び出し会場に集まった大人たちは、子どもの頃を取り戻したかのようにLucky Kilimanjaroが作るステージに目を輝かせた。

一転して真っ白なライトがパッと光り「踊りの合図」、そして「でんでん」と続く。会場の熱気も、ライトも、全てを味方につけ更に豊洲の夜を盛り上げていく。Percussionラミ・Drum柴田昌輝の力強い音も会場の最後列までしっかり届き、共鳴していく。大瀧の音も重なり心地いい音楽が完成されていく。

「このあとも良いアーティスト沢山残ってんだぞ踊れんのか!」そう熊木が呼びかけ「HOUSE」で全員が踊りまくる。カラフルなライトとの相性も120点、全員が音楽で遊びながら、最後は「Kimochy」でお別れ。Lucky Kilimanjaroとしてダンスミュージックの真骨頂を見せつけた、全8曲、30分だった。

続いて登場するのは、突如音楽シーンに現れ、2023年「RADAR:Early Noise 2023」に選出され、さらなる飛躍が期待されている令和のトリックスター“Tele”。「ねぇ今日どうしようか? 君の今日の夜をどうしようか? 少なくとも僕は、この荒れ狂うBurning Friday Nightに、あんたらの一生の常夜燈にするために来ました。全力でかかってこい豊洲PIT!」と他の2バンドの曲名にちなんだ表現で熱い想いを届け、1曲目「ロックスター」へ。縦横無尽にステージを歩き、観客に呼びかけるように歌う。

Tele

一転して朝の空を彷彿とさせるような水色のライトが光り、「私小説」へ。ギターを掻き鳴らし、歌を届けていく。「全員で飛ぼうぜ」そう呼びかけると約2,500人が一斉にジャンプ。全身でTeleのステージを楽しむ観客の姿が印象的だった。3曲目「金星」に続き、勢いを止めずに会場を盛り上げていく。

「踊ろうぜ豊洲」そう観客に呼びかけ、お馴染みのイントロが流れ4曲目「Véranda」へ。サビでは約2,500人の観客が一体になり、左右に大きく腕を振る姿が印象的だった。「愛はここにあって」の歌詞の通り、まさに愛にあふれた、かけがえのない空間だ。

赤とピンクのライトに包まれ、一気に雰囲気を変え「バースデイ」へ。挑戦的なサウンドと力強い歌声。「まだ! まだ!」と鼓舞しながらステージを共に作り上げるバンドメンバーを紹介し、バンドメンバーもその期待に応えるようソロプレイ。会場もその熱量に圧倒された。「サポメンが僕のわがままに付き合った後は、みなさんが僕のわがままに付き合ってください」そんな一言とともに、「花瓶」がスタート。ジャケット写真を彷彿とさせるような黄色のライトに会場が包まれる。誰の声も聞き落とさないよう、大事にこの曲を歌うTeleの姿が印象的だった。

「この光景を作ってくれた全ての人に、ありがとう。」そんな感謝を伝え、最後は「鯨の子」でお別れ。どこか儚く、どこか力強いそんな歌声に惹き込まれた。豊洲PITの夜を見事に自分のものにし、これでもかというくらいのTeleの世界観を届け、2,500人を惹き込んだ。

最後を飾るのは、「中毒性がある / エモい / オシャレでどこか懐かしい」と活動初期からインターネット上で話題を集めている“PEOPLE 1”。ムービングライトがこれでもかという勢いで光り、一気に空間を切り裂き、「迎えに来たぜ!」という一言とともに始まったのは「鈴々」。Vo.Gt.のItoとVoに加えて様々なパートを担当するDeuの掛け合いが気持ちよく、会場も一気に盛り上がる。

サイレンのような赤いライトに染まった会場で勢いのまま響くのは「DOGLAND」。「こんなもんですか豊洲PIT、まだまだいけるよな!」とDeuが呼びかければ一気に大合唱が起こる。そして冒頭にDs.Takeuchiのソロが観客の熱気を高めた「銃の部品」へ。集まった約2,500人全員、もれなくPEOPLE 1の世界の虜になっていく。

PEOPLE 1

「やりたくないことはやりたくないし、やりたいことだってやりたくない時もあるよな、うるせぇ奴らを黙らせに来ました」Deuのそんな強い言葉が、PEOPLE 1の届ける楽曲たちが、序盤からどんどんオーディエンスの心を掴む。

MCでは、「こんなにパンパンになるんだね、後ろまで。ありがとうございます」と感謝を述べつつ、ラフに会話していく姿に、観客から笑みがこぼれる場面も。ステージとのギャップが垣間見えた。「冬に生まれたので夏を毛嫌いしてるけど、冬に思い出す夏は好き」「しましょうか、常夏にね」そんな一言の後、演奏したのは「夏は巡る」。続く「フロップニク」では一気に観客が踊りながら楽しみ、メンバー全員が思い思いに楽器をかき鳴らして盛り上げる。中毒性たっぷり、PEOPLE 1にしか作れない空間が出来上がっていく。

豊洲PIT、まだまだ踊れますか? 安っぽくないラブソングを一生懸命歌います」そんな一言で始まったのは「新訳:ラヴ・ソング」。Itoの、力強くも優しい歌声がこの楽曲の良さをさらに引き立て、届けていく。ヘッドフォンを外して会場に来たからこそ、味わえたものだった。

Lucky KilimanjaroもTeleも、死に物狂いで、向き合って曲を作ってる。音楽が嫌いになる瞬間もいっぱいあるけど、今日のライブがマジで全員よくて、まだ音楽を好きでいたいし感動していたいと思った」そんな音楽に対する、切実な思いを言葉にし、最後に届けたのは「ハートブレイク・ダンスミュージック」。「縦に飛ぶだけです、いけますか!」そんな一言とともにラストスパートをかけ、勢いが落ちることなく盛り上がり、観客とお別れした。

そう思いきや、鳴り止まぬアンコールに応えるべく、ステージに戻ってきたPEOPLE 1。COCO、Lucky Kilimanjaro、Teleへの感謝も伝え、本当の最後は「エッジワース・カイパーベルト」。楽しい空間が終わる寂しさなんて忘れさせるくらい、タオルを回して、ずっとずっと楽しい空間を届けてくれた。

こうして幕を閉じた『PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.7”』。生の音楽を楽しみ、自由に踊るフロアは、「SNSが発達した今だからこそヘッドフォンを外してライブハウスで生の音楽を楽しんでほしい」という思いが込められて企画された「ヘッドフォンを外して」というイベント名にぴったりな夜だった。

今後どんなアーティストの素晴らしいパフォーマンスをこのイベントで目にできるのか楽しみである。

関連リンク

公式サイト:
https://headphone.blowout.co.jp/

Instagram:
https://www.instagram.com/playlist_of/

PEOPLE 1