「第47回日本アカデミー賞授賞式」が8日、都内で開催され、『怪物』の安藤サクラが、第39回の『百円の恋』、第42回の『万引き家族』に次いで、自身3度目となる最優秀主演女優賞を受賞した。安藤は『ゴジラ-1.0』で最優秀助演女優賞を受賞しており、主演・助演のW最優秀賞受賞。さらに安藤は今回のダブル受賞で、今年最優秀主演男優賞を受賞し俳優部門では史上最多の5度目となる最優秀賞受賞を果たした役所に数字で並んだ。

【写真】綾瀬はるか、杉咲花、浜辺美波、吉永小百合らが美の競演

 『怪物』は、『万引き家族』の是枝裕和監督と、『花束みたいな恋をした』の脚本家・坂元裕二がタッグを組んだ人間ドラマ。大きな湖のある町を舞台に、無邪気な子供たちの間に起きた日常の喧嘩が、大人たちを巻き込んで大事件へ発展していく。安藤は息子を愛するシングルマザー・麦野早織を演じた。

 安藤は第2回の大竹しのぶ、第37回の真木よう子に次ぐ主演・助演の最優秀賞ダブル受賞。さらに過去3度の最優秀賞と今回の2つで5度の最優秀賞受賞で、役所と同じく最多最優秀賞受賞となった。安藤は「ちょっと言葉が見つからないんです」と口ごもると「いつも是枝監督は年齢も部署も問わず、みんなの意見を取り入れて撮影なさる人なんです。私たちはすごくその場所に安心感を抱きながら撮影できる特別な場所なんです」と是枝組の偉大さを語る。

 さらに安藤は「今回は主役の子役の二人とどう演じていくかを考えてやっていました。二人が演じるお芝居の力によって出たものがたくさんあって、彼らのみならずチームで一緒に作っている感覚がとても心地よい現場でした」と撮影を振り返ると「いつもこうやって受賞させていただくと『よっしゃー』って言えたら格好いいのですが、なかなかそれができないんですよね」と言いつつも「よっしゃー、やったー」と体全体で喜びを表現。

 それでも安藤は「これでゴジラの牙を……」と言いかけたが、最優秀助演女優賞は『ゴジラ-1.0』で受賞しているだけに「なんか複雑。ありがとうございます!」と安藤らしい表現で会場を沸かせていた。

■優秀主演女優賞(★は最優秀賞受賞者)
綾瀬はるかリボルバーリリー
安藤サクラ『怪物』
杉咲花『市子』
浜辺美波ゴジラ-1.0
吉永小百合『こんにちは、母さん

安藤サクラ、第47回日本アカデミー賞授賞式にて (C)日本アカデミー賞協会