中国の飛行機は、乗客が乗り込んだ後、もう一度整備士らがエンジン回りをチェックする。「なんど注意喚起してもわからない」乗客たちの行為から無事なフライトを守るためだ。

 日本でもよくあるが、神社仏閣などだけでなく、池があると小銭を投げ入れて何かを祈る。田舎の温泉の熱帯植物園の池とは言えない水場にも投げ込む人も多々いる(遠足などの子供たちが喜んで拾っていくギブ&テイクシステム)。さらにトレヴィの泉などでは投げ入れることを禁じていても、世界各国の小銭が相変わらずわんさかだから、世界中の人類が「ここ!」って思ったところに投げ込まないと気が済まないDNAがあるのだろう。

 さて、中国の飛行機では…エンジンに向かって硬貨を投げる。高齢になればなるほどその行為は激しいらしく、高齢者のツアーの際は、整備士の事後チェックはとても煩雑になる。時に、手の届かない場所にあるのを目視してしまうと、フライトそのものが取りやめになることも多い。

 ジェットエンジンは、前部の吸気口の内側に圧縮機がある。ブレードと呼ばれる刃を高速回転させ空気を燃焼室に送り込むためだ。ここに鳥が偶然入り込むと「バードストライク」になる(地上の自動車における猫バンバンみたいなもの)。

 日本語で言うとお賽銭を投げることで、飛行機が落ちない=安全を中国人の高齢者は願う。自分のしていることが危険だという認識もない。なぜなら、お賽銭を投げ込む習慣は中国4000年のものだから、飛行場の人間が飛行機の構造から説明しても理解などしない。

 2024年3月初めもお賽銭のために、飛んだには飛んだが246分の遅延が起こった。

 どうだろう、もう廃棄処分にしてもいい飛行機に、お賽銭投げたい主義の人だけ集めて乗せて、投げるよね~って思うスタッフで飛行して、落ちてみるっていうのも、一番効き目があるかもしれない。

エアバスA320ceoに搭載されているエンジン