◆昭和の香り漂う姫路競馬場GO!

 地元大阪に帰る機会があったので、これは関西の競馬場に行けるチャンス! 調べてみると、ちょうど姫路競馬が開催中でした(今年の最終開催! ただし、この後も他場やJRAの場外発売があります)。姫路駅から無料のバスで約15分。入場料も無料という太っ腹な姫路競馬場に行ってきました!!

 2020年にリニューアルされた姫路競馬場は非常にコンパクトな建物で、スタンドの中に飲食店はありません。小さな売店が一つあって、そこで缶ビールやお菓子やおにぎりなどの軽食を買うことが出来ます。ということで耐震工事などを経て綺麗になったスタンドにてとりあえず缶ビールで乾杯。

 この日は思った以上に寒く、風が強かったので早々にスタンドを後にして競馬場内をうろうろ。姫路競馬場の年齢層は少し高めで、地元の人らしきおじちゃんが多かったですね。

 あとはバズーカのようなカメラを持った女性の姿も! 可愛らしい馬のチャームを鞄につけていたので推し馬の写真を撮りにきていたようでした。

姫路競馬場グルメは食堂に集約される

 姫路競馬場のグルメといえば、正門を入ってすぐ左手にある食堂!! 早速入ってみると初めて来たのにすごく懐かしい、とても親しみやすい空気を醸し出していました。フードコートのようなスタイルで、現在営業している店舗は3店舗。せっかくなら全部のお店で少しずつ食べてみることに。

 一通りお店をチェックして目についたのは「明石屋」さんのたこ焼き。お店の名前は明石屋ですが、売っているのは明石焼きではなくたこ焼きなんですね(笑)。

 たこ焼きを注文して目の前で待っていると「持っていくから座っとき〜」と優しく教えてくれました。どの店舗も注文してお金を払って席に好きな座ると、商品を持ってきてくれる制度になっています。四方八方にモニターがあるのでどこの席に座ってもレースをチェックしながら食べられるようになっていました。

 店頭でお兄さんが焼いてくれたたこ焼きは、とにかくフワッフワでとろっとろ! 子供の頃、地元大阪でよく食べていたたこ焼きによく似た甘めのソースと、出汁の効いた生地はまさしく“元祖たこ焼き”といった味わいでした。10個入り450円でコスパもよく、キリンラガーの苦味との相性抜群です。

◆「連勝屋」「あたりや」…これぞ競馬場あるある

 お次は「連勝屋」さん。お店の名前が縁起いいのは競馬場あるあるですね(笑)。メニューが豊富だったのでおすすめを聞いてみると「おでん食べてみて」と言われたので、お任せで3つほどお願いすると出てきたのは、大根と厚揚げこんにゃく。関西風の透き通る出汁がしっかり染み込んだ大根はめちゃくちゃ甘くてとても美味しかったです。

 さらに上からかけてくれた生姜醤油がいいアクセントになり、厚揚げはしっかりとした味で満足度の高いおでん。3つで390円とお値段もお手頃でした。

◆手書きの掲示板を発見!

 少しお腹が満たされたところでパドックエリアへ。なんと掲示板が手書きでした!リニューアルしてもあえてこういった部分が残っているのは渋くてかっこいいですね。段差がなくフラットパドックエリアは馬の雰囲気をダイレクトに感じられました。

 またお腹が空いてきたので最後のお店へ! 食堂入り口にある「あたりや」さんはめちゃくちゃメニューが豊富! 何を注文しようか悩んでいるとお店の方が「えらい可愛らしい子やね、一人できたん?」と声をかけてくれました。フレンドリーに話しかけてくれるのが関西の食堂って感じで落ち着きますし、何より褒めてくれてありがとうお姉さん!!

 気分も良くなったところで(笑)、優しいお姉さんにおすすめを聞いたところ「お酒好きやったら梅チュウハイとかどう?」と言ってもらったので、それとゲソ天をお願いしました。

 程よい酸味と甘さのある梅チュウハイはめちゃくちゃ美味しくてとても飲みやすかったです。そしてゲソ天は歯応えバッチリでボリュームも満点。お酒のお供にぴったりの組み合わせでした。

◆お肉がホロホロ牛すじと弾力のある「はもだんご

 お店の方にグルメの記事を書きにきたと伝えると「それやったらおでんも食べてほしい!」とのことだったので追加で牛すじと“はもだんご”。

 もっちりとして弾力のあるはもだんごがほんのり甘くて、それでいてしっかりとしたおでんの出汁と絡んでこれまた絶妙!

 お姉さんイチオシの牛すじは柔らかくてお肉がホロホロで、1本と言わずもっと頼めばよかったと思うほど美味しかったです。

◆“ずっと居られる”親しみやすさが魅力

 お店の方が明るくてとにかく親しみやすい。一人で行っても気軽に話しかけてくれるので受け入れてもらえてる感じが心地よく、温かみのある食堂でした。

 そして関西人の私にとっては味付けも好ましかったのも高ポイント! 一つの食堂でグルメが完結している分、その中でそれぞれのお店のいろんなメニューを楽しめるという利用のしやすさも◎。レースが始まるとゾロゾロと出ていって終わるとまた戻ってきて飲み始める。“ずっと居られる”そんな空間の姫路競馬場グルメでした。

取材・文/天野麻菜(あまのまな)

【天野麻菜(あまのまな)】
2019年7月に行われたWBA世界ミドル級タイトルマッチで村田諒太選手が王座を奪還した際に涙を流し、「涙のリングガール」として一躍話題に。リングガールの他、グラビアや女優としても活動。2022年にファースト写真集「なまのまな」(ワニブックス)が発売になった。