この夏、「インサイド・ヘッド2」の公開を控えるピクサー・アニメーション・スタジオ。数々の名作を世に送り出すピクサーといえば、2001年に設立されたアカデミー長編アニメーション賞を最も多く受賞しているスタジオとしても知られています。その数、なんと11作品。どれも、"もしも"に基づく独創的なシナリオ、個性的で愛すべきキャラクター、最新鋭のCG技術と思わず心躍る音楽といった、ピクサーらしさが光る傑作ばかりです。

【画像多数】ピクサー映画、歴代全27作品まとめ

ちなみに、ピクサーチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるピート・ドクター監督は、「カールじいさんの空飛ぶ家」「インサイド・ヘッド」「ソウルフル・ワールド」の3作品が長編アニメーション賞に輝いており、監督として最も多く同賞を受賞しています。この記事では、ドクター監督の作品も含め、オスカーを獲得したピクサー作品11本(ディズニープラスで配信中)を紹介します。

●1.「ファインディング・ニモ」(2003/アンドリュースタントン監督)

過去の悲しい出来事が原因で、カクレクマノミマーリンは、息子のニモを過保護に育てていた。しかし、ある日、ニモが人間のダイバーに捕まる。ニモを必死で追うマーリンは、唯一の手がかりを知る"忘れんぼう"なナンヨウハギのドリーとともに、大海原へと旅立つ。

●2.「Mr.インクレディブル」(04/ブラッド・バード監督)

スーパーパワーを持った正義のヒーローたちが、ある事故をきっかけに、政府によって活動を禁止された世界。元人気ヒーローのMr.インクレディブルで、いまは保険会社に勤めるボブは、同じくスーパーパワーを持つ家族に内緒で、極秘任務に向かうが、そこには巨大な陰謀が待ち受けていた。

●3.「レミーのおいしいレストラン」(07/ブラッド・バード監督)

抜群の味覚と天才的な料理のセンスを持ったネズミのレミーは、ひょんなことから、パリの5つ星レストラン「グストー」に流れ着いた。シェフになる夢を実現させたいレミーは、料理が苦手な見習いシェフのリングイニと手を組み、愉快な騒動を巻き起こしていく。

●4.「ウォーリー」(08/アンドリュースタントン監督)

ゴミだらけになった地球を人類が捨て去り、700年が過ぎた29世紀。地球にひとり置き去りにされたお掃除ロボットのウォーリーの目の前に、光り輝く最新型のロボット、イヴが現れた。ウォーリーはイヴに一目惚れし、イヴも好意を寄せ始めるが、イヴにはある秘密があった。

●5.「カールじいさんの空飛ぶ家」(09/ピート・ドクター監督)

亡き妻との思い出が詰まった家が、再開発で取り壊されそうになったカールじいさんは、家に大量の風船をつけて大空に旅立つことを決意する。目指すは、妻と一緒に行こうと約束していた南米の秘境「パラダイスの滝」。しかし、離陸した家には、偶然居合わせた近所の男の子が乗っていた。

●6.「トイ・ストーリー3」(10/リー・アンクリッチ監督)

おもちゃの持ち主アンディの大学進学を機に、ウッディやバズらは、近所の保育園に寄付される。母親の手違いが原因だったが、当のおもちゃたちは「アンディに捨てられた」と意気消沈。ウッディは、ただひとりアンディを信じ、保育園からの脱出を試みる。

●7.「メリダのおそろしの森」(12/マーク・アンドリュース監督、ブレンダ・チャップマン監督)

伝統に嫌気がさした王女メリダは、ある日、不思議な鬼火に導かれて、森の奥深くに住む魔女に「魔法で自分の運命を変えてほしい」と頼む。だが、古来より人間が森の魔法を使うことはタブーであり、メリダの願いが聞き入れられた代わりに、平和だった王国に呪いがかかる。

●8.「インサイド・ヘッド」(15/ピート・ドクター監督)

引っ越しを機に、慣れない新生活に悩む少女ライリー。そんな彼女を元気づけようと、彼女の頭の中の司令部では、「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の感情が会議を開く。しかし、カナシミがライリーの大切な思い出を、悲しい思い出に変えてしまう。

●9.「リメンバー・ミー」(17/リー・アンクリッチ監督)

家族の悲しい歴史が理由で、音楽を禁じられたギター少年のミゲルは、メキシコの祝日「死者の日」に、伝説的ミュージシャンの霊廟に飾られていたギターに触れ、死者の国に迷い込む。テーマパークのような楽しく美しいその場所で、ミゲルは先祖にまつわる驚きの真実を知る。

●10.「トイ・ストーリー4」(19/ジョシュ・クーリー監督)

ウッディらの新しい持ち主ボニーが、フォークやモールで手作りしたおもちゃのフォーキーは、自分のことをゴミだと思い込み、ゴミ箱に逃げ出す。そんなフォーキーを連れ戻しに行ったウッディは、その帰り道に通りかかったアンティークショップで、かつての仲間ボー・ピープと再会する。

●11.「ソウルフル・ワールド」(20/ピート・ドクター監督)

夢を実現させるチャンスを目前に、運悪くマンホールに落下した音楽教師のジョー。彼が迷いこんだ「ソウル(魂)」たちの世界は、ソウルたちが人間として現世に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める場所で、そこには人間嫌いのソウル22番が何百年も暮らしていた。

そして、ピクサー作品として12本目のアカデミー長編アニメーション賞受賞が期待されているのが、「マイ・エレメント」(23/ピーター・ソーン監督)。公開後に各国レビューサイトやSNSで評判が広がった。「君たちはどう生きるか」「ニモーナ」「ロボット・ドリームズ」「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」とノミネートされた同賞の行方に期待が高まる。第96回アカデミー賞の授賞式は3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われる。

アカデミー長編アニメーション賞を最も多く受賞しているピクサー 「マイ・エレメント」 (C)2024 Disney/Pixar ディズニープラスで配信中