声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。3月3日(日)放送は、野島裕史サイクルコラム「第9回 飲める自転車パーツ」をお届けしました。


パーソナリティの野島裕史



◆通算9個目の飲める自転車パーツは?

野島:今回のコラムテーマは「第9回 飲める自転車パーツ」。このシリーズは約1年ぶりですね。しかも、もう9回もやっているんですね……僕の予想だと5回くらいでネタ切れかと思ったんですけど、結構飲める自転車パーツがあるんですよね(笑)。

初めて聴く方もいらっしゃると思いますので、「“飲める自転車パーツ”とはなんぞや?」という説明をさせていただきますと、自転車パーツが好きすぎて、「自転車のパーツを眺めて手に取りながら、それをつまみにお酒が飲める」という僕の発言から始まったコーナーです。

9回目となる今回、(紹介するのは)僕の好きなメーカーとして過去にも紹介しているイタリアの「Campagnoloカンパニョーロ)」のパーツになります。Campagnoloのパーツのなかでも特に好きなのはビンテージパーツで、「工芸品のよう」「芸術品のよう」と毎回のように言っていますが、今回もそんなCampagnoloのビンテージパーツを紹介したいと思います。

僕が“自転車サドル好き”という話をよくしていると思いますが、(サドルは)観賞用だけで20個くらい持っています(笑)。今回は、そんな僕の大好きなサドルを支えるパーツを紹介します。自転車サドルの下についている金属の棒みたいなものなんですが、これは本当に大事なパーツなんです。名前を“シートポスト”、または“シートピラー”と言います。ちなみに、シートポストはアメリカの言い方で、シートピラーイギリスの言い方だそうです。最近知りました。

◆野島も大好き“コルサレコード”

野島:このシートポストがまた、なかなか魅力的なパーツなんです。素材は鉄、アルミチタンカーボンなどさまざまですが、今回紹介するのは先ほども言いました通りCampagnoloのビンテージのシートポストで、素材はアルミです。

皆さんは普通の丸い筒状のものをイメージしていると思いますが、このシートポストは空気抵抗に備えたエアロ仕様にしているところも特徴で、“コルサレコード”という時代のビンテージパーツです。

コルサレコード時代のパーツは前回も紹介していますね。Campagnoloコルサレコードのハブ(自転車の車輪の中心の部分)、金メッキの限定モデルを紹介しましたが、コルサレコードは1980年代のもので、マニアには一番人気のある時代。僕も一番大好きなデザインの時代です。ちなみに、コルサレコードは通称“Cレコード”、“Cレコ”とも呼ばれています。

そんなビンテージパーツをなぜ今まで紹介しなかったかというと、倉庫の奥のほうにしまっていたんですね。この番組でもお話しましたが、声優の小野大輔くんがイタリアのCinelli Supercorsa(チネリ・スーパーコルサ)というビンテージスタイルの自転車フレームを買って、それに合うようなビンテージパーツを僕がいろいろなショップで探したり、自分が持っているものを提供したりしているわけです。そこで(倉庫を)探している間に、「そういえば!」と思い出して、このシートポストを小野くんに見せたら「なんて美しいんだ!」と興奮しまして。やっぱりこれは飲める自転車パーツだなと改めて思ったので今回紹介しました。

しかもこのシートポスト、僕は3本くらい持っていました(笑)。もう10年以上前に買ったもので、「なぜこんなに買ったんだろう?」と忘れてしまいましたが、3本も買ってしまうくらい思い入れのある美しい形状のパーツです。


大好きなCampagnoloのビンテージ シートポスト



◆オカルト的な魅力を持つシートポスト

さらに、これはただ美しいと思うだけではなく、個人的にとても思い出深いパーツでもあります。というのも、僕が初めて組んだロードバイクは小野くんと同じCinelli Supercorsa。16~17年くらい前ですが、当時は(自転車の)知識が全くなく、このフレームに合うパーツとして、ガチのビンテージパーツではなく、ビンテージ調のパーツをショップの店員さんにお任せで組んでもらいました。

とてもかっこよかったので気に入って乗っていたのですが、僕も徐々にパーツに興味を持ち始め、“ビンテージパーツ”というものがあることを知り、取り扱いのあるショップに行ったときに、真っ先に目を奪われたのがこのシートポストだったんです。

「これはSupercorsaに合う!」と思って即購入。そして、家に帰って付け替えてみたのですが、それがめちゃめちゃマッチして、より一層自分の自転車に愛着が湧いた思い出があります。

当時は年代や歴史とかも全く知らなかったのですが、衝動買いをしてSupercorsaに取り付けたときの満足感は今でも覚えています。結果的に知識を得た今となっては年代が合うパーツだったと思うわけですが、当時、知識がないのに感覚や感性だけでSupercorsaに合うと思わせてしまう、それは僕の感性というよりも、このシートポストの持つオーラ・パワーなんじゃないかなと思います。

そんなオカルト的なものを感じてしまうほど、今でも惚れ込んでいるパーツのひとつです。初めて出会ってから16~17年経つのに、いまだに眺めて飲める自転車パーツでございました。

3月10日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、番組スタート時から紹介してきた「自転車名言」を特集。ニーチェアインシュタインといった偉人から、元プロロードレーサー、さらにはリスナーまで、素敵な言葉をたっぷりとお届けします。お楽しみに!

----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「AuDee(オーディー)」でチェック!
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国24局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:http://www.jfn.jp/toj
自転車声優・野島裕史、思い出の自転車パーツを語る「オカルト的なものを感じてしまうほど今でも惚れ込んでいるパーツのひとつ」