桑田2軍監督は堀田をプロ入り当時から目をかけてきたっことで知られる(C)Getty Images

 開幕までの時計が進む中、巨人の危機管理策も話題を集めている。

 3月8日に行われたオリックスとのオープン戦京セラドーム)で3点ビハインドの8回に登板したのは堀田賢慎だった。

【動画】巨人 堀田賢慎が2日の中信ブラザーズ戦、9回をピシャリと締めた場面

 このところの好投で評価を高めている右腕は最速149キロの直球を軸に三者凡退に抑えた。これで対外試合4試合連続無失点。3月2日に行われた球団創設90周年親善試合・中信ブラザーズ戦でも3点リードの9回に登板し、遊ゴロ、三振、四球、三振とセーブシチュエーションがつく内容でもしっかり腕を振れていた。

 右ふくらはぎ痛のため守護神・大勢が離脱している中で、”代役守護神”として期待を高めている。

 19年ドラフト1位右腕もここまでの道のりは紆余曲折があった。1年目の2020年4月にトミー・ジョン手術を受け、地道なリハビリに取り組み、再起を目指してきたが、昨季はわずか3試合の登板、防御率8・10と低迷。志願して参加した台湾のウインター・リーグで開眼、最速157キロを叩き出し、注目を集めた。

 プロ5年目にして花開こうとしている中、水面下で評価を高めているのはプロ入り当時からその成長を見守ってきた桑田真澄2軍監督にもある。

 1軍投手コーチ時代から同じくトミー・ジョン手術組の山崎伊織、堀田の潜在能力の高さを認め、ことあるごとに周囲に推薦していたことで知られる。

 いわば「桑田チルドレン」として知られる2人は山崎はご存じの通り、昨季節目の2桁を達成。戸郷翔征に次ぐ、先発陣の柱として期待されている。そしてやや遅れていた堀田もここにきて、1軍での地位確立が期待されていることで、同コーチの「慧眼」が改めて注目されている。

 堀田の能力を認めて大事なポジションを任せる阿部慎之助監督の起用も光る。現在、大勢はシート打撃で登板の段階まできており、今後実戦含め、開幕までの道すじはまだ見通せないが、仮に大勢が間に合ってもブルペン強化につながることは間違いない。

 昨年新監督が就任時から大事なピースとして挙げていた「4番」と「守護神」の座の確立。危機管理も進めながら、開幕までの時間を進めていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

巨人 代役守護神にプロ5年目・堀田賢慎浮上で改めて評価高まる「名伯楽の名前」