ブラジルの警察署に、ある日突然栄養失調状態の怯えた野良犬が現れた。野良犬はその日を境に毎日署に出没するようになった。
何か相談事でもあるのだろうか?職員らは救いの手を差し伸べようとすると、警戒してうなり声をあげる。それでも犬は通うことをやめなかった。
動物好きの警官が、犬の心を開かせようと忍耐強く接し続けたところ、犬はようやく心を開き、本来の明るく人懐こい性格を見せ始めた。警官と大親友になった犬は、ついに永久就職先を見つけることになるのだ。
痩せ細った茶色の野良犬がリオデジャネイロにある地域の警察署に姿を見せたのは、今から5年前のことだった。
クリスティアーノ巡査は、署の前でずっと立っているこの犬は、何か助けを求めてここにやってきたのかと思った。
犬好きな同巡査は犬に近付いていったが、犬は一変して警戒心をあらわにした。食べ物を与えても受け取ろうとしない。
歯を見せて唸る犬を見て、巡査はきっとこの犬は過去に人間にひどいことをされた経験があるのかもしれないと感じた。
最初に警察署にやってきとき、犬は震えていてとても攻撃的でした。
おそらく空腹で喉が渇いていただろうにもかかわらず、私が差し出したものを何も受け取ろうとしませんでした。
人への攻撃性と不信感でいっぱいという感じでした。
それから毎日警察署に通うように
だが、その日をきっかけに犬は毎日警察署に現れるようになった。まずはなんとかして犬から信頼を得ようとクリスティアーノ巡査は忍耐強く接した。
無理強いすることは決してせず、クリスティアーノ巡査は新鮮な餌と水を用意し、犬と適度な距離をとりながら見守り続けた。
やがて、犬は差し出されたごはんを食べるようになり、クリスティアーノ巡査のあとをついて歩くようになった。
ある日を境に突然僕の後ろを歩き始めたんです。それから私が部屋に入ればそこにずっと一緒にいたり、車に乗れば私の後を追いかけたりしました
職員たちにも愛され、警察犬という職を得た犬
過去に何があったのかはわからないが、まだ人間を信じたい気持ちがあったのかもしれない。心を許せる人間を探していたのかもしれない。
しばらくすると、犬が本来もっていた、やさしくて明るく、人懐っこい性格が目覚め始めた。
かつて人に対して大きな不信感を抱いていた野良犬だが、クリスティアーノ巡査の親友となった。
犬は巡査に限りない愛情を注ぐようになっただけでなく、警察署の近くにある巡査の家まで往復するようにもなった。
犬は他の警察官たちにもかわいがられるようになった。そして、彼らは犬が警察犬の仕事に向いていると判断した。
巡査たちは犬にオリヴェイラという名前と、最も愛されているペットであることを象徴する首輪をもらった。
彼はお風呂に入れられ、首輪をつけられ、食べ物を与えられ、他の警察官たちから愛情を注がれました。(クリスティアーノ巡査)
新しい制服と巡査階級を与えられたオリヴェイラ
間もなくして、オリヴェイラは新しい警察の制服を受け取った。
さらに、警察の巡査階級も与えられ、オリベイラの大好物であるおやつをボーナスにもらった。
犬の心を開かせようと忍耐で接したクリスティアーノ巡査だけでなく、オリヴェイラ犬巡査もまた粘り強い努力の結果、野良犬から警察犬に採用されることができた。
現在、オリヴェイラは警察犬として署に務めて5年になるという。
オリヴェイラの仕事内容は、主に市民への働きかけだ。ハンドラーのクリスティアーノ巡査と一緒に街をパトロールし、地域の学校を訪問して子供たちに安全について教えている。
オリヴェイラは子供たちにもいつも人気だ。
また、オリヴェイラはクリスティアーノ巡査のオートバイの後ろに乗って街をパトロールし、規則を破った者の通報も行っている。
ヘルメットをかぶっていない人を見つけると、吠えるんです。オリヴェイラは今や立派な仲間です。一緒に仕事をするのは楽しいですよ。
みんなオリヴェイラ巡査が大好きなんだ。彼は警察のマスコット的存在です。次は巡査部長かな。オリヴェイラは十分それに値しますよ。(クリスティアーノ巡査)
犬の鼻は人間のそれよりも10万倍は敏感だと言われている。オリヴェイラは、クリスティアーノ巡査とともに地域住人たちの安全を守るため、日々業務に献身しているという。
オリヴェイラは、この警察署が永遠の就職先と愛情を与えてくれると確信していたのかもしれない。
無免許取り締まりや違法物質や爆発物の捜査など、今オリヴェイラは見違えたように生き生きと働いているということだ。
References:Hired With No Experience: Street Dog Persistently Visited Police Station Until He Got Adopted / written by Scarlet / edited by parumo
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