まるでパニック映画さながらの光景が、アメリカ、ユタ州とネバダ州で展開されていた。強風にあおられた無数のタンブルウィードが人々や町を襲っていたのだ。
毎年この時期、アメリカではタンブルウィードが風に吹かれて転がりながら、他の枯れ草と合体して巨大な球体となり、種をまき散らすのが風物詩となっているが、今回はあまりに風が強すぎた。
時速110kmもの風が吹き荒れ、大量のタンブルウィードが建物や車、人々を巻き込んでいく様子はハルマゲドンならぬ、「タンブルマゲドン」だと話題を呼んだ。
Utah, Nevada Towns Hit With 'Tumblemageddon'
タンブルウィードは乾燥地帯の植物の総称で回転草とも呼ばれる。風に吹かれながら他の枯れ草と密集し続ける事で球状となる転がっていき、種をまき散らしていくのだ。
アメリカの乾燥地帯の荒野では毎年派手に転がっていくため風物詩となっていたが、今年は強風により、例年以上に凄かった。
水を得た魚ならぬ、風を得た草は、すごい勢いで回転し、数を増しながら地上にある全てのものを侵略していった。
風速は時速110kmにも及んだそうで、この強風がタンブルウィードの勢いを加速させ、民家の家の前に積み重なったり、道路を埋め尽くした。
自宅のガレージ前に高さ3mのタンブルウィードが積み重なった家もあった。
毎年風物詩のように、タンブルウィードが地域を襲う映像が公開されているが、今回は特に強烈で、道路が覆い尽くされ通行止めが発生した他、家屋に衝突し、損壊するケースも確認された。
あまりにもすごかったので、世界の破滅を意味するハルマゲドンをもじって「タンブルマゲドン」として話題となった。
タンブルウィードの起源
タンブルウィードになる植物はいくつもあるが、アメリカでは外来種のロシアアザミ(ヒユ科オカヒジキ属)が繁殖力が強いため、最大勢力となっている。
ロシアアザミは1870年代にサウス・ダコタ州ボノム郡に持ち込まれたと考えられ、その後、風に乗って全米に広がった。
タンブルウィードは、成長期を終えると乾燥し、根元から離れて風に乗って転がり始める。転がる過程で種をまき散らすため、厄介な雑草として知られている。
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written by parumo
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