継戦能力に問題あり?

代替機が間に合わない状態

欧州安全保障協力機構(OSCE)のイギリス代表団は2024年3月7日ウクライナ侵攻中のロシア軍が、生産能力の20倍上回るスピードで軍用機を失っていると報告しました。

これは、オーストリアウィーン3月6日に行われた安全保障対話で、イギリス代表団のひとりであるニコラス・オーコット上級軍事顧が話した内容です。

オーコット上級軍事顧は「ここ13日間だけでもA-50U早期警戒管制機を含む合計13機のロシア機が撃墜されたことになる」と、2月末からのアヴディウカとマリウポリ付近での度重なるSu-34及びSu-35の撃墜報告について言及し、「制裁の影響でロシアは毎年数十機以上の戦闘機を生産するのに苦労していることを考えると、戦闘機の度重なる喪失は、ロシアの戦争努力にとって重大な後退であり、代替機の20倍の速さで戦闘機を失っているとの報告もある」と、ロシアの継戦能力関わるほどの打撃を負っていると評しました。

2月末頃からロシア軍機の損害はかなり拡大しており、ウクライナ国防省は2月中旬から下旬にかけて13機のロシア軍機を撃墜したと明らかにしており、3月に入ってからの戦果報告を合わせると、約2週間で計15機のロシア軍機が失われた可能性があります。

多数撃墜されているSu-34戦闘爆撃機(画像:ロシア国防省)。