スピリチュアルブームが続いていますね。仏教が由来の“一粒万倍”を信じてみたり、古代マヤ文明が由来の“マヤ歴占い”に頼ってみたり……。日本人って、さまざまな運気アップ法を日々の暮らしによく取り入れていますね。

 でも、ちょっと待って欲しいです。心理学の性格分類法によると、「運がいい」とか「運が悪い」という価値観を持つ人は、自分で幸せを切り開いていく力が弱く、つまりはポジティブな恋愛体質とは真逆の性質といえるのです。

 心理学には、人の性格を「外的統制型」と「内的統制型」タイプに分ける考え方があり、このように大きく2つに分けられるといわれています。

 外的統制型タイプの人は、「自分の身に起きた出来事は周囲によって生じたものである」ととらえます。運や不運で、自分の日々の暮らしが決まっていくという考え方です。成功も失敗も周囲のせい。いえ、成功のときだけは自分の努力のおかげと思いがちな人も多い気がします。

 内的統制型タイプの人は、「自分の身に起きた出来事は自分の価値観、思考、行動が生んだものである」ととらえます。自分は自分だし他人は他人。自分の今置かれている環境や状況は、他の誰でもなく自分の作り出したものであると認識しています。なので、誰かを恨んだりうらやんだり、誰かのせいにすることはありません。

 こうして2つに分けた性格からみてみると、運がいいとか悪いとか考える人は外的統制型タイプです。自分の努力とは無関係に、たまたまうまくできたり、できなかったりするのだと“考えたい”タイプなのです。

 この価値観はある意味、人生を自分で決断することからの逃げともいえます。「どうせ自分はダメなんだ」「運が悪いから仕方ないんだ」という、ネガティブな方向に行きがちでもあるのです。

 するとどうなるか。ネガティブな思考の人は、ネガティブな暮らしを作り上げてしまいます。運を人まかせにしている間は、望んだ幸せを作り上げることができないのです。それでは、決して恋愛上手とはいえませんね。

 あなたは占いを信じ過ぎてはいませんか? 占いは“ひとつの目安”くらいにしておきましょう。いいことだけを信じるくらいでちょうどいいのです。本当になりたい自分は、占いではなくあなたが作っていくものなんですよ。

安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。自己肯定感アップ術や詩作、色彩心理学を通したセラピーの他、姿勢改善や呼吸法、ストレッチやダイエット術など心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。食育インストラクターやパンシェルジュ(パンの資格)を持ち、恋に効くモテボディのためのレシピも考案。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCなども。インスタ「恋に効く詩の世界」が人気。

アサジョ