北陸新幹線の延伸開業によるJR線の3セク化などで、「青春18きっぷ」旅行の自由度がますます狭まるなか、旅をラクにするかもしれないロングラン列車が東海道本線に登場します。どう活用できるのでしょうか。

青春18きっぷの「苦行」、だいぶラクに?

2024年3月16日(土)にJRのダイヤ改正が実施されます。北陸新幹線 金沢~敦賀間の延伸開業により並行在来線北陸本線第三セクターに移管されるなど、JR線の普通列車が乗り放題の「青春18きっぷ」愛好者にはますます選択肢が狭まりますが、逆に、その旅がラクになる側面もあります。

というのも、18きっぷ旅では“辛い区間”とされる東海道本線の静岡地区が、今回のダイヤ改正で大きく変わるからです。東西に長い静岡区間は、ほぼ普通列車に限られ、細々と乗り継ぎも発生しますが、今回は“大改正”とも言えるレベルで刷新されます。

そのなかで一つのトピックが、日中に1本新設される「熱海→豊橋」の直通列車です。この直通列車は従来、夜間時間帯のみ運行されていましたが、新設される1本は「熱海13:14発、豊橋16:18着」というもの。

これを活用すると、北関東から関西まで2回の乗り継ぎで到達できるのです。2月に新ダイヤの詳細が明らかになって以降。SNSでも話題になっている列車のひとつ。JR東海によると、この列車には基本的にトイレ付き車両が充当されるといいます(ダイヤ乱れ時など除く)。

熱海13:14発の豊橋行きに接続する前の列車は、高崎9:29発(東京11:27発)の上野東京ラインです。豊橋からは、16:32発の新快速米原行きに接続して関西入り。米原からは18:47分発の新快速播州赤穂行きに乗り継げます。途中の大阪駅には20:13着です。

さらに、この乗継の「どこから行ける」「どこまで行ける」を調べてみると、次の通りになりました。

【どこから】
東北本線 郡山(福島県)6:20発
常磐線 広野(福島県5:21
上越線 石打(新潟県)6:05発

【どこまで】
山陽本線 新倉敷岡山県)0:00着

なお、新倉敷以降は日付をまたぐため別途運賃が必要になりますが、そのまま広島県福山駅(0:32着)までたどり着くことができます。

逆方向にもある“神列車”

そして、土休日限定ですが、実は逆方向の関西→首都圏も、2回の乗り継ぎでたどり着くことができます。

このカギを握るのが、土休日のみ運転の「米原7:07発、特別快速浜松行き」です。これには京都5:46発(普通)米原行きから乗り継げます。浜松からは、9:50発の熱海行きに接続。熱海12:31発の上野東京ライン高崎行きに乗り継いで、途中の東京駅には14:17着です。

これをさらに乗り継いでいくと……宇都宮線東北本線)経由、常磐線経由のどちらでも、仙台へ22時台に着くことができますが、常磐線経由を選択すれば、仙山線に乗り継ぎ山形(23:39着)まで進むことも可能です。

他方、高崎線上越線信越本線ルートを乗り継いでいくと、その日のうちに新潟駅を越え、新潟県北部の村上駅(22:26着)まで到達できます。

東海道本線を走るJR東海の列車(画像:写真AC)。