―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―


◆2つの白州ハイボール缶を比較

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私は、腕時計だけでなく、ウイスキーといったお酒をコレクションするのも好きなのですが、これまでにメルシャンの軽井沢などレアアイテムを注目度が低い時期に買った経験があります。

 メルシャン軽井沢は、自分の生まれ年である1986年のVINTAGEが1万円程度でデパートで売られていたのを見つけて買ったのですが、今ではオークション相場が40万円以上といった状態になっています。

 また、そういった時期に私は響17年や山崎12年を常飲。以前から、ジャパニーズウイスキーの価値に気づいていたからこそ、私は思う存分「響」などを楽しむことができたわけです。

 ただ、響や山崎は、現在では手に入りづらいお酒に変化しており、普段飲みするような相場ではなくなっています。私は相場が高くなってからしばらく飲んでいないものの、かつて飽きるほど飲んでいたため、その味をしっかり覚えています。

 そんな私が今回、話題の「白州ハイボール缶」を手に入れたので、その評価をしてみたいと思います。

◆高価格帯の白州ハイボール

 660円(税込、希望小売価格)といった高価格帯で販売された白州ハイボール缶ですが、販売開始時から「なかなか手に入らない」という状態となっており、フリマサイトなどでは定価の2倍3倍といった価格で取引されるほど。そういったことは、今現在でも変わりないといえます。

 私は、この白州ハイボール缶(香るスモーキー)をたまたま立ち寄ったスギ薬局で見かけたので定価で購入。2缶買ってみたのですが、1200円といった支払額に「高い」と感じました。

 私はそれをなんだかもったいなくて飲まずに放置。そうしている間に、次のバージョン(シェリー樽原酒ブレンド)が出たため、両方を比較しようと思ったのです。

 そして、そのシェリー樽バージョンのほうは、茨城のコンビニで難なくゲット。そうして、2つの白州ハイボール缶を比較できる状態になったため、今回レポートしたいと思います。

◆白州 シェリー樽ブレンド

まず、最近発売された「シェリー樽ブレンド」のほうを試してみたのですが、缶に『氷を入れたグラス』のイラストがあったため、その通りの状態にして試飲。氷を入れたグラスに、缶ハイボールを注いで飲んだところ、第一印象は「薄い」でした。

 缶には「アルコール分9%」や「純アルコール量25.2g」と記載があるため、決して「薄い」はずはないのですが、氷を入れたグラスに注ぐと薄く感じてしまうのです。

 私は、毎晩ウイスキー炭酸水で割ってハイボールを作っているのですが、それよりも缶ハイボールは不思議と薄くて不満が残りました。

 10年ぐらい前まで、ジャパニーズウイスキーの人気があまり高くなかったため、チェーン店居酒屋にも「白州ハイボール」があったのですが、安い店で出くわした「薄いハイボール」を思い返しました。

 そのため、缶から直接飲んでみたのですが、そのほうが濃さがちょうどよく、個人的には缶ハイボールは、缶のまま飲むのが良いという結果となりました。

◆白州 香るスモーキー

 個人的に、「シェリー樽ブレンド」がそこまでしっくり来なかったため、最初に出た「香るスモーキー」のほうを試しました。

 こちらは、パッケージが緑ということもあり、個人的になんだか「期待できそう」といった感じ。最初に試した「シェリー樽ブレンド」の失敗を考慮して、こちらは最初から缶のまま飲んでみました。

 その感想はというと、「シェリー樽ブレンドのほうがいいかも」といったところ。香るスモーキーのほうは、シェリー樽ブレンドと比べるとやや薄く、またアルコール臭が若干気になると感じました。

 シェリー樽ブレンドも香るスモーキーも悪くはないのですが、缶ハイボールよりも自分で作るハイボールのほうが遥かに美味しいと思います。

 余談ではありますが、ジャパニーズウイスキーにも現在手に入りやすい銘柄が存在。その中で、私が気に入っているのが「サントリーローヤル」であります。特にスリムボトルのほうは3000円台で手に入るため、ハイボールにして気軽に飲むことができます。

 私は、サントリーローヤルを瓶入りウィルキンソンで割るのが好きなのですが、白州ハイボール缶は、ローヤルで作ったハイボールに全く太刀打ちできていないと思います。

◆スペシャルリザーブ&ウォーター

ハイボールは自分で作ったほうが美味い、とはいえ缶ハイボールという製品が売られているというのは魅力的なことだと思います。自分で作るのは面倒というときもあるため、出来上がっている缶が売られているのはありがたいのです。

 ただ10年少し前までは、缶ハイボールは売られておらず、コンビニで売られている缶入りウイスキーは「水割り」のみといった様子がありました。その時、「ハイボール缶」があればいいのに、と私は思ったのですが、いざ缶のハイボールメジャーになった今、逆に「水割り缶」を求めてしまいます。

 そこで、現在売られている缶入りウイスキー水割りを調べたところ、サントリーからは「白角水割」と「スペシャルリザーブ&ウォーター」がラインナップされていることが判明。私は、スペシャルリザーブ&ウォーターのほうを知らなかったため、ドン・キホーテや24時間営業のスーパーなどをはしご。8件目でようやくゲットできたわけですが、それぐらい「缶入り水割りウイスキー」はあまり売られていないのが現状であります

 そして、私は「スペシャルリザーブ&ウォーター」を先程の白州ハイボール(シェリー樽ブレンド)を開けた後に飲んでみたのですが、そこで気付いたのは「白州ハイボール缶に負けていない」という点です。

 白州ハイボール缶は、定価が600円と高価かつ入手困難でありますが、スペシャルリザーブ&ウォーターは200円程度の売値。取り扱っているお店は少ないですが、入手困難な製品というわけではありません。

 スペシャルリザーブ&ウォーターを買えば、「白州ハイボール」よりも安く美味しいウイスキーを楽しむ事ができるわけです。

◆白角水割 

 白州ハイボール缶に対して、スペシャルリザーブ&ウォーターは引けを取らない製品だといえます。

 ならばもう1つの「水割り」である「白角水割」はどうなのか。別日にまた白州ハイボールを飲んだ後、「白角水割」を試すことにしました。

 なお、白角は現在販売が休止状態となっているレア商品でありますが、この「水割り缶」は現在でも販売中。よって、白角を飲んでみたいと場合、この白角水割が良いということになります。

 この白角水割、かつて「缶入りハイボール」が売られていなかった頃は、どこのコンビニでも見かけた記憶があったのですが、近頃は「どこでも売っている」というわけではありません。ただ、ファミリーマートでは目にすることが多いため、先程のスペシャルリザーブ&ウォーターよりは“見かける製品”といえます。

 そして、私が白角水割を飲んだ感想は、「こちらは白州ハイボールの後に飲むとグレードダウン感がある」ということでした。味わいも薄く、アルコール臭も強めという感じがしました。

 今回、「白州ハイボール」を飲んでみた結果、最も良い選択は「スペシャルリザーブ&ウォーター」という結論に達しました。缶から直接飲むといったカジュアルな飲み方をする場合、200円程度といった価格で手に入るスペシャルリザーブ&ウォーターはとても魅力的。それでいて「白州ハイボール」の後に飲んでも引けを取らない味がするわけですから、なんて良い製品なのだと思った次第であります

 ちなみに、このスペシャルリザーブ&ウォーターは、「やまや」で売られているのをよく見かけます。

 また、やまやでは、あまり見かけない缶入りハイボールの「ブラックニッカ クリアハイボール」があったため、それも購入。後日飲んでみたところ、これもなかなか良いハイボール缶だと思いました。特に一口目のウィルキンソンタンサンの強い感じが良く、ウイスキーと炭酸以外が原材料に入っていないのも好印象であります。ただ、こちらは白州ハイボール缶のあとに飲むとグレードダウン感があります。

 ということで、今最もおすすめな缶入りウイスキーは、「スペシャルリザーブ&ウォーター」だと個人的にはいえます。

斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―


白州ハイボール缶2種と白角水割り、スペシャルリザーブ&ウォーター