山岡泰輔

オリックスの開幕先発ローテーション争いがし烈化している。昨シーズンの勝ち頭だった山本由伸、そして2番目に勝ち星が多かった山﨑福也という先発の二枚が抜けて迎える今シーズン。「オリックスは先発に苦心するのでは?」という声もあったが、春季キャンプオープン戦と先発候補の投手陣が次々と好投を見せており、首脳陣にアピールしている。

 

■山岡泰輔が本領発揮

注目したいのが、昨年は前半戦で先発ローテーションに入りながらも、なかなか勝ち星に恵まれず、後半からはロングリリーフが可能な中継ぎに配置転換された山岡泰輔だ。

山岡は2019年から2年連続で開幕投手を務めており、山本とともにダブルエースとして当時チームを離れた金子千尋西勇輝の穴を埋める活躍をした。

コロナ禍に入ると怪我や体調不良などもあり、不調が続いていたが、一昨年には一時は防御率トップに立つなど、本来の力を見せ始めた。昨年は勝ち星には恵まれなかったが、前半は先発としての役割を果たしている。そして後半からは中継ぎに転向したが、これが見事にハマりチームの独走に勢いをつけた。

 

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■首脳陣の期待に応え腕を振る

中嶋聡監督は、優勝が決まった直後に山岡を配置転換した理由について「山岡の場合は、皆さんも思っているでしょうが、やはり4回、5回でもたつくというのは何かあるなと。なかなか点を取ってやれなかったというのもありますけど、1回(イニング)だったらたぶん行けるという判断はあった」「それを1イニングにするのか、どうするのか、状況的に3イニングもありましたけど、先を考えずに飛ばしていけるのは、いい止まり方(終着点)かなと思いました」と話している。

山岡本人も「チームがどう使うかとかは分からないので、とりあえず、勝ってるところ(で投げる)ってところしか聞いてない」「 そこで投げろと言われたところで、ゼロに抑えられたらいいかなと思っています」と、首脳陣の期待に応えるため、必死になって腕を振った結果、良い効果を生んだようだ。

 

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■根強い「先発・山岡」待望論

8日に京セラドーム大阪で行われた読売ジャイアンツとのオープン戦に先発で登板した山岡は、5回を58球、被安打2の無失点という好投を見せた。キャンプ終盤の練習試合でも先発で2回を無失点に抑えており、好調を継続している。

キャンプ中は「まだどこで投げるかわからない」と話していたが、5回を無失点に抑えたことで、これから後半に入るオープン戦でも結果を残し続ければ、開幕ローテーション入りする可能性は高いだろう。

昨年、先発と中継ぎのどちらでも行けるように準備していた経験があるのも、山岡にとっては大きな強み。本人は「任せられたところで投げていくだけ」というスタンスを崩してないが、ファンからは「先発・山岡」待望論が根強くあるのも事実だ。

今シーズンは1年間を通して、試合開始直前に登場曲の『虹』を聴かせてもらいたい。常にファンのことを考えている山岡の“太陽のような”笑顔と明るさが、チームを四連覇に導いていく。

 

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■執筆者プロフィール

どら増田

どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。

音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。

横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレススターダムRIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。

2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾ドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。

【オリ熱イズム2024】オリックス山岡泰輔が先発復帰へ “太陽のような”笑顔と明るさがチームを四連覇に導く