現地時間3月10日(日本時間3月11日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催中の第96回アカデミー賞授賞式。主演女優賞賞に輝いたのは、主演兼製作にも名を連ねた『哀れなるものたち』(公開中)のエマ・ストーンで、『ラ・ラ・ランド』(16)以来2度目の受賞を果たした。

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自ら命を絶った不幸女性ベラ(エマ・ストーン)が、天才外科医の手によって奇跡的に蘇生され、“世界を自分の目で見たい”という強い好奇心のままに、壮大な冒険の旅へ出ていく。『哀れなるものたち』は、第96回アカデミー賞では、最多13部門にノミネートされた『オッペンハイマー』に次いで、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞ほか計11部門にノミネートされた。すでに本作は、第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を、第81回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ミュージカルコメディ部門)と主演女優賞(エマ・ストーン)の2部門を受賞している。

ストーンは、ステージに上がった途端「ドレスがちょっと」とドレスの乱れを気にしつつも、問題がなかったことを確認したあと「もう本当に…声もちょっとかすれちゃって」と感涙しながら「(ほかに主演女優賞にノミネートされた)すばらしい女優の皆さんと一緒に受賞した賞だと思ってます。皆さんから大いに刺激を受けました」と心から感謝。

興奮しすぎてストーンは「なにを言ってるのかわかんないですね、ちょっとパニックになってしまって」と苦笑いしつつ気を取り直して、「ヨルゴスから言われたのは自分を客観的に見なさいということ。映画作りはみんなが集合して作る総合芸術です。人が集まってすばらしい作品を作り上げることが映画の良さだから、関わったすべての皆さまにありがとうと言いたいです。そして私の家族、母とパートナー、娘にも言いたい。あと3日で3歳になる娘が人生を変えてくれました。心から感謝します」と喜びを語った。

メガホンをとったヨルゴス・ランティモス監督とは、第91回アカデミー賞で最多10ノミネートを果たした『女王陛下のお気に入り』(18)でもタッグを組んでいたストーン。絶大な信頼を誇る監督のもと、“生まれたての女性”という難役を見事に演じきったストーンの演技は世界から称賛を浴びていたが、遂に2度目のオスカーをもたらした。

文/山崎伸子

エマ・ストーン、2度目のアカデミー賞主演女優賞を受賞!/Nick Agro / [c]A.M.P.A.S