小中学生や若者たちの流行は移り変わるのが本当に早い。2023年の流行語にもなった「なぁぜなぁぜ?」や「ひき肉です!」を毎日のように叫んでいた子たちは、今すでに別のフレーズにハマっているだろう。朝から寝る瞬間までTikTokやYouTubeショートを目にしているデジタルネイティブ世代、通称“Z世代”たちは、短い動画やコンテンツを次から次へとサクサク、目まぐるしい早さで吸収し取り入れていくのが得意だ。ネットの世界だけでなく、テレビのバラエティ番組にもその流れはある。恋や青春の心躍る体験をまとめたショートドラマをスタジオゲストと一緒に観てキャーキャー感想を言い合ったり、衝撃的なエピソードを放送時間内に何個も放出して夢中にさせてくれる番組が視聴者の共感を得ている。現在放送中の、ミニドラマ仕立てが楽しい番組を紹介していこう。

【写真】「ハイティーン・バイブル」で初キストークを披露した森香澄

森香澄壁ドン」の初キストークも飛び出す<ハイティーン・バイブル>

3月4日よりABEMA SPECIALチャンネルにて始まった、Z世代やハイティーン向けの情報バラエティ番組「ハイティーン・バイブル」(毎週月曜夜11時放送)では、オリジナル連続ショートドラマ「ハイティーンダイアリー」が放送されている。

同番組は、時間がない、お金がない、夢がない、自分は何者でもないと様々な選択肢を前に揺らぐZ世代やハイティーン(17〜19歳)に寄り添う、等身大な情報バラエティー番組。MCはみちょぱこと池田美優森香澄が務める。

高校卒業から大学生活で巻き起こる“ハイティーンのリアルな恋愛模様や日常の悩み”を描いた、オリジナル連続ショートドラマ「ハイティーンダイアリー」では、モデルの羽音演じる主人公の女子高生・まこが高校卒業後の進路に悩むリアルな姿が描かれる。優しい恋人・颯太(高橋大翔)とのキスはいつも彼からであることや、推薦試験に落ちてしまい将来の夢すらない自分は何だろうと思ったり、若い頃にぶつかる身近な葛藤エピソードがてんこもり。

ドラマを見ながらみちょぱたちスタジオ出演者もショートドラマに何度も描かれるキスシーンに大興奮したり、自身の「初カレ事情」を語り大盛り上がりする。中学2年の頃に地元の先輩と付き合っていたみちょぱは「お祭りで『かわいいね』と声をかけられた」という出会いのきっかけを明かした。同じく初カレと付き合ったのは中2の時だったという森は「学級委員の優等生みたいな子」と「席が前後で、お互いの足をちょんちょんってやったり」とイチャイチャしたことを語ってスタジオを沸かせていた。その彼との初キスは「下校した後、家のマンションの柱の影に隠れながら…」したそうで、「あの体勢は今で言う“壁ドン”でした」とあっけらかんと語り、思わずみちょぱも「激しい!」と笑っていた。

同世代や少し年上の先輩たちが語る、誰もが悩む青春の通り道のようなドラマやトークは、Z世代の共感や安心を生んでいるのだろう。その時期が過ぎ去った大人が見てもかわいらしくて面白い番組である。

高橋大翔の“高”ははしご「高」が正式表記

■西垣匠がフェンシング日本代表の実力をさく裂!<土曜はナニする!?>

山里亮太南海キャンディーズ)と宇賀なつみがMCの「土曜はナニする!?」(毎週土曜朝8:30-9:55カンテレフジテレビ系)にもミニドラマ「イケドラ」のコーナーがある。

「イケドラ」は今話題のイケメン芸能人が最新の車に乗って繰り広げる1カ月完結のミニドラマ。幼なじみとの再会や、人気歌手からの突然の告白など、さまざまなシチュエーションが主人公である女性の目線で描かれ、視聴者はテレビ画面越しにデート気分を味わうことができる。

3月毎週土曜に出演中なのは西垣匠。今回はテレビで目にしたフェンシング日本一の彼(西垣)に“私”が恋をするという胸キュンラブストーリー。実は慶應義塾大学を卒業した西垣は、学生時代にフェンシングの日本代表もなった腕前の持ち主で、フェンシングをドラマで初めて披露した。試合のシーンもスタントマンを立てず、戦う男の美しい姿で魅了している。

「一突きで倒してやるよ」「俺のこと好き?」など、“キュン”なセリフも満載で放送後は「#西垣匠」がXのトレンド入りを果たすなどの盛り上がりを見せている。

■アイドルや芸人のマジ芝居に感動<THE突破ファイル>

内村光良司会のドラマ&クイズバラエティー「THE突破ファイル」(毎週木曜夜7:00-7:54、日本テレビ系)は、あらゆるジャンルで実際に起きた驚きの突破劇を再取材し、詳細な情報を基に物語を再構築し、再現ドラマとクイズで奇跡の突破劇をドラマチックに描く。

出演者、スタッフ共に本気の再現ドラマ作りが魅力で、芝居を生業とする大物俳優はもちろん、旬なアイドルや芸人たちの高い演技力も見もの。兼近大樹(EXIT)、松陰寺太勇(ぺこぱ)、草薙航基(宮下草薙)、岡部大(ハナコ)などは、この番組だけで彼らを知ったのならば俳優だと疑わないはず。

突破は厳しいと思えそうな困難な状況をどう切り抜けたか予想するクイズコーナーも楽しい。サンドウィッチマンの誰も傷付けない笑いや、王林や生見愛瑠らの天然解答に笑っているうちにあっという間に時間が過ぎて行くバランスの良いバラエティー番組である。

■“あざとさ”はむしろ褒め言葉に?<あざとくて何が悪いの?>

あざとい男女の「リアルな恋愛事情」や「人間関係の処世術」を深掘りしていく「あざとくて何が悪いの?」(木曜深夜0:45-1:20ほか、テレビ朝日系)は、エピソードドラマを見ながらゲストとの赤裸々な恋愛観や価値観までもが露わになる番組。

番組では視聴者が目撃した&体験した「食事の席・職場・学校・プライベート」でのあざと男女エピソードを随時募集しており、街にはびこる最新のあざとい行動が次々とドラマ化されていく。

MCの山里亮太鈴木愛理がゲストとドラマVTRを見ながらツッコみを入れていく様子は、視聴者と一緒に副音声付で視聴を楽しんでいるような気分に。今やアイドル業界やKPOP界のSNSでアイドルたちがかわいらしい仕草やポーズをキメると「“あざとくて何が悪いの?”早く出演して」というコメントが並ぶほど、“あざとさ”は市民権を得ている。相手を喜ばすためにあざとい行動するのは何が悪いの?と言わんばかりの世渡りテクは参考になる場合すらあり、この番組は“あざとさ”の概念を変えてしまったかもしれない。

「ハイティーン・バイブル」より/(C)AbemaTV,Inc.