走攻守で存在感を示しているドラフト4位ルーキーの泉口(C)産経新聞社

 巨人の黄金ルーキーたちの評価が高まっている。支配下は全員1軍キャンプからスタート。ここまで順調に調整を続けている。

 ドラフト1位の西舘勇陽中央大)は3月9日に行われたオリックス戦に6回から4番手で登板、高速フォークも交えて、1回を2三振、三者凡退に抑え、オープン戦は2試合で3回O封とアピールを続けている。投手陣では同5位左腕の又木鉄平も(日本生命)も好投を続けている。層が厚くなったリリーフ争いに加われるか。

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 さらに野手ではドラフト3位ルーキー佐々木俊輔日立製作所)も9日のオリックス戦で2安打、10日の阪神戦でも途中出場からヒットを放つなど、し烈さを増す外野手争いに必死に食らいついている。

 それぞれが目指す開幕1軍に向け、アピールを続ける中でさらにこのところ、存在感を示しているのがドラフト4位ルーキー泉口友汰NTT西日本)だった。

 9日のオリックス戦では「2番・遊撃」で先発出場し、1安打1四球。5回2死一、三塁からは粘って価値ある四球を選び、その後の萩尾匡也の2点適時打につなげた。試合途中から一塁も守り攻守でアピールした。

 さらに10日の阪神戦では今度は「8番・三塁」で先発出場。3回一死の第1打席では左腕、岩崎優のカットボールを捉えて、右前へ運ぶ。昨年のセーブ王、虎の守護神から安打を放ち存在感を示すと、光ったのは7回の場面にもあった。二死一塁から右前打を放ち出塁、続く秋広優人が三遊間を破るヒットを放つと、相手守備のスキを突き、三塁を陥れた。

 この日は4打数2安打とマルチ安打を記録。守備では三塁を守った後に6回から二塁へ回った。9日のオリックス戦では遊撃、一塁、そしてこの日の三塁、二塁と内野全ポジションで守備においてもレギュラー陣と遜色ないプレーを見せたことで首脳陣の評価も急上昇している。

 社会人出身、即戦力ルーキーの呼び声高い選手だったが、走攻守すべてにおいてルーキー離れした落ち着いた判断力が試合結果につながっている。

 泉口の快進撃でうかうかしていられないのは、遊撃レギュラーとしてプロ2年目シーズンを迎える門脇誠にもある。昨年ルーキーイヤーで堅守から存在感を示し、坂本勇人が長く守った遊撃ポジションを与えられた。ただこの試合でも7回に森下翔太の打球を後逸するなど、らしくないプレーで失策を記録。この試合は4打数ノーヒットと攻守に精彩を欠いた。

 ほかにも二塁レギュラーとして期待される吉川尚輝なども打撃面が課題とされる中、不安定な成績が続くようであれば、即戦力ルーキーに取って代わられても不思議ではない。

 逆にいえば、それほど泉口のプレーには未来の巨人軍を背負って立つと期待を抱かせるものがある。

 昨年のドラフト4位ルーキー背番号「35」を背負った門脇は躍動した姿でファンを沸かせた。今季の背番号「35」も楽しみな存在となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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