JR山手線高田馬場駅で、発車メロディ鉄腕アトム』が流れるのは有名でしょう。ただし音色の異なるバージョンが首都圏の別の駅でも採用されています。両駅と「鉄腕アトム」との関係は何でしょうか。

企業広告系メロディは増えるか

2024年3月1日、JR池袋駅山手線ホームの発車メロディが、家電量販店「ビックカメラ」のテーマソングをアレンジしたものへ変更されました。同線では2023年10月にも、神田駅発車メロディが、至近に本社を置くアース製薬が製造・販売する洗口液「モンダミン」のCMソングとなるなど、企業広告とタイアップした事例が見られました。これらは他駅では聞けないため、ご当地メロディということになります。

そんな山手線のなかで長年ご当地メロディとなっているのが、池袋駅から2つめの高田馬場駅です。曲は『鉄腕アトム』。テレビアニメ『鉄腕アトム』を手掛ける「手塚プロダクション」の“情報発信基地”が高田馬場に所在することなどから、2003(平成15)年3月より発車メロディとして使われています。

ところで、首都圏でもう1駅『鉄腕アトム』が流れる駅があります。2023年に開業50周年を迎えたJR武蔵野線にある、新座駅埼玉県新座市)です。ここでは、高田馬場駅とは異なる音色が流れます。

使用が開始されたのは2004(平成16)年4月。新座にも手塚プロダクションのスタジオがあり、新座市は前年の2003年、所縁のある「鉄腕アトム」を市の特別住民に登録しました。地元商工会などの要望を受け、住民登録1周年を機に発車メロディが採用されたのです。

鉄腕アトム」は新座市のPRにも一役買っており、例えば2010(平成22)年8月からは、地域通貨「アトム」も流通しています。

JR高田馬場駅(画像:写真AC)。