思うのです。かばんの中には、その人の生き様が詰まっている、と。何でも入る大きなトートバッグが好きな人、軽くて小さなサコッシュでどこでも行く人。バッグの中がごちゃごちゃの人、逆にスッキリしている人――。

当企画「かばんの中身拝見」は、老若男女さまざまな人のバッグを垣間見る、巷に溢れる記事ではありますが、ちょっと気になるあんな人やこんな人にビシバシ取材をしていく所存ですので、どうぞよろしくお願いします。

◆筆者がかばんの中身をさらけ出します

初回のかばんの主(あるじ)は、この文章を書いている本人である大木奈ハル子47歳です。当メディアのほか『東洋経済オンライン』『Yahoo!ニュース』『ガジェット通信』などでライターの仕事をしています。

「チェーン店のモーニング愛好家」として、たまにテレビにも出演中ですが、普段は12畳ワンルームという極端に狭いマンションで、夫と猫と預かり犬と暮らしながら、都会の谷間でひっそりと暮らしています。

「クセつよミニマリスト」を自称し、バッグの中身は必要最低限だけど、インパクトの強いアイテムや物語のあるモノが大好き。それでは、持ち主の暮らしぶりと趣味嗜好がぎゅっと凝縮されたかばんの中身を披露させていただきます。

◆統一感にこだわらず、バッグには好きなものだけ

普段はバッグを持たず、ポケットに財布とスマホを入れるだけで出かけることが多いのですが、ノートパソコンを持参する打ち合わせやノマドの際はトートバッグを持ち歩きます。

全てにおいて統一感は一切なし。同じブランドで揃えるとか、色味を合わせるとかは気にしたことがありません。

【バッグ】
・ザ・カセットテープミュージックのトートバッグ

最近ノートパソコンMacBook Pro16インチに買い替えたら、予想以上に大きく、ほぼB4サイズもあるため、サイズが大きくて、厚手のキャンバス生地のトートバッグを購入しました。B4どころかA3もラクラク収納できるビッグサイズなうえに、マチ付きで、抜群の容量が魅力です。

マキタスポーツとスージー鈴木がパーソナリティをしている、BS12で放映中の音楽番組『ザ・カセットテープミュージック』のグッズです。番組も好きだし、カセットテープのモチーフも好きです。

【バッグの中身】
ノートパソコンMacBook Pro 16インチ
・パソコンカバー(トリッカーズの靴袋)
・財布(ピンクの小銭入れ)
・スマホ(iPhone12Pro)
・サイズ手帳
・鍵
・ポーチ
・エコバッグ

16インチノートパソコンのケースは家にたまたまあったトリッカーズの靴袋です。「専用のケースが見つかるまで」と、とりあえずで使い始めたものの、しっとりした触り心地も良く、コンパクトにたためるので、しばらくはこのまま愛用しそうな気配です。

黒いエコバッグは、イベント会場で中に冊子を入れて無料配布していた不織布素材のチープなやつです。くたびれたら捨てようと思っているのですが、相当タフで使い始めて半年が経過しました。

◆ノベルティポーチに潜ませた秘密道具たち

【ポーチ】
・イラストレーター宇野亜喜良(うのあきら)のポーチ

全体量が少ないので、ポーチは用途別に持たず1個だけ。仕事道具もコスメも衛生用品もまとめて放り込みます。資生堂のマジョリカマジョリカの2016年のノベルティポーチ。メルカリで300円で購入。デザインも最高だし、サイズもジャストでベスト。汚れてきたらたまに手洗いしています。

【ポーチの中身】
・まゆペン
・ボディクリーム(レゴホテルのアメニティ)
マウス
・単4電池
・Cタイプケーブル
・ウェットティッシュ

化粧直しで持ち歩くのはまゆペンのみ。キャップは、つけたりはずしたりするのが面倒なので処分。リップやファンデーションは持ち歩いても使うことがほとんどないので、冠婚葬祭とか式典とかじゃない限り持ち歩かないことにしました。

必ず入れているのがホテルアメニティのボディクリーム。持ち歩きに便利な小さめサイズなうえに、香りや使用感なども良いので、いつもメルカリで安く買っています。今回はレゴホテルのもの。いい香りのクリームを手指に塗り込むと、パソコンのキーボードを叩くときにふわっと香って、気分がリフレッシュするので、私にとっては必需品です。

また、ハンカチとティッシュを別々に持ち歩くのが面倒なので、ウェットティッシュで代用しています。手が洗えない環境で手をぬぐえるのも便利。前時代的ですが、タッチパッドが使いこなせないためマウスは必須です。予備の単4電池も必ず持ち歩きます。MacBook Pro充電用のCタイプケーブルを持って行くことも。

ほぼ日岡本太郎の手帳カバーにダイソーの手帳

【手帳カバー】
ほぼ日手帳カズン2016年「岡本太郎 明日の神話」

【手帳の中身】
ダイソーの100円手帳
・児童文学書「エルマーの冒険」のクリアファイル
・無料でもらったボールペン

スケジュールの管理はデジタルではなくアナログ派です。毎朝手帳にその日のtodoを書き込み、達成するとチェックをつけています。

ほぼ日手帳のファンではあるのですが、1日1ページは手に負えないため、2024年は手帳カバーにダイソーで買ったA5サイズの薄い手帳を挟んで使用中です。「エルマーの冒険」のクリアファイルは、仕分け前のレシートを無造作に詰め込んでいます。

ボールペンは道を歩いていたら配っていたのですが、艶消しの水色もかわいいし書き心地も良く、大当たりの1本。

◆思い出の詰まったスマホケースキーホルダー

【その他】
・小銭入れ
・スマホ
キーホルダー

小銭入れは、setoというデザインレーベルとdapipaのコラボ品。財布は夫婦で長財布ひとつを共有していますが、普段は家におきっぱなしです。お互いにちょっとそこまで……という時は、これを持ち歩きます。中はほんの少しの現金とクレジットカード。その時々に応じて診察券や免許証、図書館カードなどを入れます。生き物がモチーフで愛嬌があり、口のジッパーで出し入れするのも楽しい。

スマホケースは、イラストレーターのさとうまりえさんに描いてもらったオリジナルイラストをプリント。私と夫と愛猫と、預かりボランティアで我が家に来た犬たちがモチーフです。もともと家族やペットをモチーフにした作品が好きで、さまざまな作家さんにオーダーして描いてもらっています。

キーホルダーは、聴導犬かるちゃんのマスコットです。我が家は3年前から日本聴導犬協会の預かりボランティアをしていて、引退後のかるちゃんと半年ほど暮らしたこともあるので、鍵を手にするたびにかるちゃんを思い出せる大切なアイテムです。

カラフルな愛しいものと暮らす、ミニマムライフを満喫中

ミニマリストというと持ち物が少ないだけでなく、無印良品やモノトーンなど単色のアイテムや、同じ色調のアイテムで揃えているというイメージがあるかもしれませんが、私は所有する持ち物が少ない分、好きなものを買うことにこだわっています。

ミニマリストが、柄物を選ばなかったり色調を揃えることには、視覚的ノイズを排除する意味がありますが、私のクセつよなかばんの中身たちは、自分にとってアイデンティティーなので、視覚的ノイズにはなりません。

もともと、コレクター気質でモノだらけの部屋で暮らしていましたが、現在は1つ買ったら1つ手放すようにしているので、狭い家でも適量を保てるため、家の居心地は良好です。持ち物が少ないからこそ、ひとつひとつに愛着を持ち、大切にできているのかもしれません。

<TEXT/大木奈ハル子

―[かばんの中身拝見]―


ノートパソコンが必要な時にだけトートバッグを使う