マイケル・マン監督の最新作「フェラーリ」(原題:「Ferrari」)が、7月5日から全国公開されることが決定した。あわせてティザービジュアルと特報が披露された。

【動画】「フェラーリ」特報

本作は、フェラーリ社をイタリア屈指の自動車メーカーへと成長させたエンツォ・フェラーリを題材にした作品。元レーサーでカーデザイナー、そして稀代の経営者であるエンツォは1988年に亡くなったが、その私生活は謎に包まれている。映画では、1957年を舞台に59歳だったエンツォの波乱と激動の1年を描く。

イタリアの自動車メーカー「フェラーリ」の創始者エンツォは、激動の渦中にいた。妻ラウラとともに設立した会社は経営の危機に瀕し、難病を抱えた愛息ディーノは1年前に亡くなり、夫婦生活は冷え切っていた。そんなとき、秘かに愛し合っていた女性リナと彼女との間に生まれた息子ピエロとの二重生活が、ラウラの知るところとなる。私生活と会社経営で窮地に立たされたエンツォは、起死回生を賭け、イタリア全土1000マイルを縦断する過酷な公道レース「ミッレミリア」にすべてを賭けて挑む。

主人公エンツォ役のアダム・ドライバーは製作総指揮も担い、会社経営とレースに情熱と狂気をぎらつかせる一方で、愛する者たちには優しさと人間味を感じさせる人物を陰影深く演じた。ペネロペ・クルス演じるラウラと、シャイリーンウッドリー扮するリナ、2人の女性との複雑な男女関係の機微がドラマの大きな見どころとなっている。

製作・監督は、「ヒート」「インサイダー」などの数々の傑作で知られ、「フォードvsフェラーリ」では製作総指揮を務めたマン監督。本作はマン監督にとって構想30年に及ぶ企画となり、「ミッレミリア」のレースシーンを再現するにあたり、精鋭スタッフが結集した。撮影は、「Mank マンク」でオスカーを受賞したエリックメッサーシュミット。美術デザインは、「裏切りのサーカス」のマリア・ジャーコビクが手掛け、膨大なリサーチによって当時の風俗、風景を甦らせた。そのほか、音響設計には「ヒート」以来、マン監督とタッグを組んでいるミキサーのリー・オーロフ、アンディネルソンらが名を連ねている。

フェラーリ社の創業日である3月12日にお披露目されたビジュアルは、ドライバー扮するエンツォが流線形のマシーンの隣を歩く姿を収めたもの。偉大な業績とは裏腹に、エンツォの孤独なシルエットが浮かび上がる。また、特報では迫力満点のレースシーンと重厚なドラマが垣間見えるとともに、ギレルモ・デル・トロアレハンドロゴンサレス・イニャリトゥ、ドゥニ・ビルヌーブといった名だたる映画監督が本作を讃えるコメントが映し出され、本編への期待を煽る。

フェラーリ」は、7月5日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。

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